何ともゆったりとした動きで、癒し系の動物ナマケモノ。

冬にこたつの中にすっぽりと入ってしまうと、何だか少しナマケモノの気持ちがわかるような・・・・

でも!!ナマケモノは、はたから見ているほどお気楽な動物ではないんです!

ナマケモノの生態

ナマケモノは南アメリカや中央アメリカの熱帯雨林に生息しています。

体長は40~70㎝ほど、ゆっくりした動作で四肢は長く、特に前肢の長さが発達しています。

長い鉤爪を持ち、木の枝に爪をひっかけてぶら下がっています。

一日のうち20時間ほどを寝て過ごし、残りの時間で食事をします。

 

寝ている時は前肢の間に顔を埋めて寝ているので、木に同化しています。

これは擬態の効果があり、地上のピューマやジャガーから身を守る寝方だと言われています。

 

食性は植物性で、葉や新芽、あまりにのんびりしている為、自分の毛にさえも苔が生え、それもエサとして食べています。

食事の量は一日あたり8gほど・・・・あの体の大きさで8gって一体…と思ってしまうような量です。

 

ナマケモノは食事も睡眠も交尾、出産に至るまですべて樹の上で行います。

周囲に一度だけ地上に降りて排泄をする以外は樹の上にいますので、一生の9割9分を樹上で過ごしていると言っても過言ではありません。

種類によっては生息場所の雨季に合わせて泳ぐ、泳ぎ上手なナマケモノもいます。

ナマケモノの天敵

樹上で暮らす一番の理由は天敵から身を守るためです。

敵に襲われた時にナマケモノは防御する手段を持っていません。

全速力で逃げても時速180mだというのだから、ピューマやジャガー相手にかなうはずがなく、見つかってしまったらもうその時点で命はありません。

周りを見渡せるように首は280℃ほど回るのですが、首を回して敵を確認したところで、できることは動きを止め、死を覚悟する事ぐらいでしょうか。

 

猛禽類最大のオウギワシは体長100㎝、8kgほどしかない鳥ですが、鋭いくちばしを持っていて、ナマケモノを襲います。

オウギワシのエサ重量の半分をナマケモノが占めているという報告があるほどです。

それ以外にも肉食の哺乳類は皆、ナマケモノにとっては天敵になります。

ナマケモノの死因

ナマケモノは捕食者たちに狙われるだけではなく、日常が死と隣り合わせの生活を送っています。

彼らは外気温と体温を一体化させることで自らの代謝を抑え、生活しています。

 

そのため、気温が極端に低かったり、逆に暑かったりすると代謝が下がり、正常な消化活動が出来なくなってしまうのです。

そう、つまり・・・・餓死。お腹にはエサが入っていたとしても、餓死するんです。

 

体も大きくて、エサもたっぷりあるのに、餓死って一体どういうことなのでしょう・・・・・何だか頭の中が混乱してきます。

生物の掟に完全に反してるでしょ!!?と思わず喝をいれたくなってしまいます。

でも一方で、もしかするとナマケモノという動物は、地球上でもっとも進化した生物なんじゃないか?と思えてくるのも事実です。

ナマケモノの寿命

ナマケモノの寿命は、野生か飼育かによって差があるようです。

種によって多少の違いがあるようですが、野生下の寿命は12~16年、飼育下では30年と言われています。

 

長寿の情報としては、日本の上野動物園で飼育されているホフマンナマケモノの「コウ」が34歳、最高寿命が40歳という記録もあるようです。

ナマケモノの生態と寿命に関するまとめ

南アメリカや中央アメリカの熱帯雨林に生息している。

全速力で逃げても時速180mしかでない。

 

気温の急激な変化で代謝が落ち、エサを消化できずに餓死することもある。

寿命は野生下で12~16年、飼育下で30年。最高寿命は40年という記録がある。

(ライター ナオ)