大きな目玉が特徴的なスローロリス。
リスという名前がついていますが、実は見たとおりの原始的なサルの仲間。
霊長類ですから、それなりに長生き!?と思ったあなた!流石勘がいい!!
スローロリスの生態と寿命についてお話します。
スローロリスの特徴と生態
スローロリスは霊長目ロリス科に分類され、バングラディッシュ、アッサムからベトナム、マレー半島、ジャワ島、ボルネオ島などに分布しています。
体長は26~38㎝、体重は0.4~2kg。しっぽは鳴く、体の背面は淡い灰褐色や赤褐色、腹面は白色から灰色です。
首から背中にかけて黒い線が走り、目が大きく、その周りには暗色のリングがあるのが特徴的です。
花から額にかけては白っぽく、後頭から背筋に沿って暗色の縞が入っています。
丸い頭で鼻は濡れていて、耳は小さく暑い毛に覆われています。
顔は平たく大きな目が特徴的。
夜行性で樹上生活を営み、熱帯雨林に好んで生活しています。
名前の通り動きがとてもゆっくりで、枝から枝に移動する時や方向転換する時などもほとんど音を立てずにゆっくりしたスピードで移動します。
1~2本の肢でかなり長い時間枝にぶら下がっていることも出来ます。
身体の所々に触毛があり、葉などを上手に避け、音を立てず移動するので、昆虫や小鳥などもその存在に気付かない程。
食性は樹液、花蜜、果実、昆虫等で最も良く食べているのは樹液で、代謝が遅いスローロリスの特徴的な食性と言えます。
エサを食べる時の動きも実にゆっくり。
肘の内側にある腺から出る分泌物を舐めて唾液と混ぜ、刺激臭のある毒を生成します。
その毒をグルーミングによって全身に広げ、子供の体にもグルーミングを通して分配します。
この毒はスローロリス自身の消化器で分解される毒ですが、その成分についてはわかっていません。
サルの中では毒を持っている唯一のサルで、ネコ科の動物はこの毒があることによって襲わないと言われています。
天敵はオラウータンやアミメニシキヘビ等。
身を守る時には体を丸めて毒のある毛を全面に出します。
妊娠期間は192日、一回の出産で1匹の子供を産みます。
授乳は生後6か月ころまで続き、メスは2年ほどで性成熟します。
スローロリスの寿命
スローロリスの寿命は野生下で15~18年、飼育下で約20年と言われています。
小型ですが意外に長生きです。
ペットとしてのスローロリス
スローロリスは毒を持ちながら、実はペットとして人気のあるサルです。
そのため売買目的の捕獲が進み、現在は絶滅に危機にさらされています。
ペットとして売られる時は毒のある犬歯を抜かれて取引されることが多く、抜歯の際に感染症を引き起こす危険性があり、その死亡率はかなり高いと言われています。その代替を求めた乱獲が後を絶たないのだとか。
肘の内側にあると言われる毒腺ですが、人間にとっては殆ど影響がないほどの強さのようです。
気を付けなければならないとしたら、毒蛇と同じ成分の毒ですので、アナフィラキシーショックのアレルギー反応でしょう。
しかし、現在ワシントン条約によってスローロリスの商取引は禁止されています。
かつて販売されていた時の値段は10~30万円程度だったそうです。
スローロリスの生態と寿命のまとめ
スローロリスは霊長目ロリス科に分類される。
バングラディッシュ、アッサムからベトナム、マレー半島、ジャワ島、ボルネオ島などに分布している。
霊長類の中で唯一毒を持つサル。肘の内側にある腺から出る分泌物を舐めて唾液と混ぜ、刺激臭のある毒を生成する。
スローロリスの寿命は野生下で15~18年、飼育下で約20年。
売買目的の捕獲が進み、現在は絶滅に危機にさらされている。
(ライター ナオ)