地面の中ならおまかせ!というイメージの強い「モグラ」。
天敵は何か?と聞かれても、すぐには思い浮かびませんよね。
そもそも、モグラの生態自体あまりよく知らないという人も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、モグラの生態や天敵についてなど、詳しくまとめていきたいと思います。
モグラの生態・天敵
モグラの生息域はヨーロッパ、アジア、北アメリカ。
今のところ、南半球では生息が確認されていません。
日本では本州・四国・九州と広い範囲にわたって生息しており、雑木林や畑などで一年中見ることができます。
とは言え、地中からほぼ出てきませんので、その姿を実際に見たことがあるという人は少ないかもしれません。
体長は10~15cm程。
体は短いビロード状の毛で覆われており、鋭い爪の付いた大きな前脚が特徴です。
目はとても小さく毛の中に埋没しており、視力もほとんどありません。
かろうじて、光を感じられる程度だと言います。
食性は雑食で、ミミズ、オケラ、ジムカデなどの地中に棲む昆虫を捕食。
小さい体に似合わずかなりの大食いで、一日に体重の半分程度の餌を必要とします。
しかも、12時間以上餌を食べないと餓死してしまうという燃費の悪さ。
ここまで餌切れに弱い生き物は、他にはいないのではないでしょうか。
よく生き残ってこれたな…という感じがします。
しかもじつはモグラには天敵もたくさん。
土の中にいる時に襲われることはあまりありませんが、ひとたび地上へ出てしまうと、周りは天敵だらけです。
ヘビ、猛禽類、イタチ、キツネ、ネコなど、様々な動物たちがモグラを襲います。
私も過去に飼いネコがモグラを捕まえて帰ってきたことがありました…。
初めはネズミかと思ったら、モグラだったのでビックリ。
知られざるモグラ雑学
モグラは身近でありながら、謎の多い生き物です。
ここからは、そんなモグラに関する豆知識などを紹介していきたいと思います。
泳ぎが得意
土の中にいるイメージしかないモグラですが、じつは泳ぎも得意。
田んぼに棲んでいることも多く、田んぼに水が張られるとスイスイと泳いで移動する姿が見られることもあります。
餌を貯蔵する
餌切れに弱い動物なので、いざという時のために食料を溜めておくものもいます。
ミミズなどを捕獲し、噛んで麻痺させてから穴の中の貯蔵庫に置いておくそうです。
穴掘りスピードは遅い
サクサクと地中を掘り進むイメージがありますが、穴を掘るスピードは1分間で約30cm。
カタツムリが進む速度よりも遅いと言われています。
じつはモグラは穴を掘って移動をしているわけではなく、穴はあくまでも棲み家であり、一つの巣穴を修理したり部屋を増やしたりしてずっと使っているのです。
日の光が苦手なわけではない
よく「モグラは日の光に当たると死んでしまう」と言われますが、それは迷信です。
地上で死んでしまう原因は、直射日光により体温が上がりすぎてしまうことや、地中に戻れず餌を確保できなくなることです。
飼育が難しい
モグラは法律で捕獲が禁止されていますし、何より飼育難易度がかなり高いです。
常に餌を与え続けなければならず、環境の変化に弱いので温度管理なども気を付けなければなりません。
穴を掘って生活するので体の大きさの割に飼育スペースが必要ですし、一般市民ではまず飼育できないでしょう。
モグラについてのまとめ
モグラは思いのほか可愛いビジュアルをしているので、ちょっと飼ってみたい気もしますが…前述した通り、飼育は大変困難です。
動物園などでも限られたところでしか展示されていません。
身近な動物なのに、とてもレアキャラなんです。
もし野生で生きている姿を見られたら、とてもラッキーなことですね。
(ライター もんぷち)