最近ゴールデンハムスターに次いでペットとして人気があるジャンガリアンハムスターは、成体でも手のひらに収まる小型のハムスターの仲間です。
どんな生物で寿命はどれくらいなのでしょうか。
ジャンガリアンハムスターの生態や特徴など
ジャンガリアンハムスターの和名は、ヒメキヌゲネズミです。
ハムスターという呼称は、ペット用の通称名のようですね。
生物学上の分類では、哺乳類齧歯目ネズミ科キヌゲネズミ亜科に属しています。
キヌゲネズミ亜科のネズミは気性がやや粗いようなのですが、その中でもヒメキヌゲネズミは温和な方だそうです。
生息地はカザフスタン東部からシベリア南西部、地下に穴を掘り基本的には単独で生息する事が多いようです。
視覚は発達していない代わりに臭覚を頼りに生息しています。
野生のハムスターは欧州、中国、ロシアなど広くユーラシア大陸に生息しています。
その中でもジャンガリアンハムスターは、一晩で数キロも移動する事があるくらい、動き回る生物です。
夜行性で食性は雑食です。個体差があるものの、性格が我儘である事があるのは、餌を求め自由に動き回るジャンガリアンハムスターの基本的な性格なのかも知れませんね。
夜間動き回るので、昼間はよく眠っています。
ハムスターのような小動物たちは心拍数も多く体が疲れる為、だいたい10時間は巣穴の中で眠ります。
もともと餌が少ない地域に生息している為、ジャンガリアンハムスターは何でも良く食べます。
ジャンガリアンハムスターも食糞をしますが、野生下において餌が少ない状態で生きていく為の知恵でもあります。
体色はグレーでメスよりオスの方がやや大きく、体長は8cm~10cm、体重はメスが40gほど、オスは45gほどだそうです。
天敵が多く捕食対象になる為、子供を多く産みます。
ジャンガリアンハムスターも、警戒心が強くスキンシップにはあまり向かないようです。
ペットとして飼育されている動物の中には、何故、と思うような性質の個体もいますが、野生での彼らの習性が残っているという事なのでしょうね。
体が小さい事からドワーフ(小さい妖精など)ハムスターといわれる小型のハムスターは、ジャンガリアンハムスターが属する、ヒメキヌゲネズミ属とキヌゲネズミ属のハムスターの事をさすようです。
ジャンガリアンハムスターの頬袋について
ハムスターの特徴のひとつに頬袋があります。
ジャンガリアンハムスターの場合、ゴールデンハムスターと違い頬袋の中に細かい毛が生えていません。
この場合、頬袋にあまりにも沢山食料を詰め込み過ぎると、頬袋から餌を出しにくくなり頬袋が顔の外に露出してしまう頬袋脱を起こす事があります。
ハムスターたちにとって生命線とも言える頬袋は耳の後ろから肩甲骨付近までに渡る、大きな袋です。
ジャンガリアンハムスターの寿命
おおよそ1~2年です。
野生では1年、飼育している場合2年ほど生きる場合もあるようですね。
身近なハムスター
ジャンガリアンハムスターはネズミの仲間です。
ネズミの祖先は体が大きく、現存するネズミたちは、体を小型化し多産が可能な体に進化して種を増やしてきました。
齧歯類は哺乳動物の中で最も数が多いともいわれます。
ハムスターは小動物のペットとしては定番の様な気もしますが、日本でペット化が進んだのは意外にも1990年代頃からのようです。
ハムスターは体が丈夫で多産のため、実験用の動物として使用されるようになっています。
同じネズミの仲間である実験用のマウス及びラットは、医療分野での様々な実験に使われてきました。
ペニシリンをはじめ抗生物質、ポリオなどです。
マウスとラットは種も属も違います。
マウスはハツカネズミなとの小型種であり、ラットは大きめのネズミでクマネズミ属などを示す事が多いようです。
ネズミといえば連想する様な頬袋のない、尻尾が長いネズミたちはネズミ亜科のクマネズミ属、ドブネズミ属、ハツカネズミ属です。
ハムスターたちは主にネズミ科のキヌゲネズミ属などの生物をさすことが多いようです。
ハムスターたちが実験用の動物とされるようになった経緯は、はっきりしたものではありません。
最初はやはりペットだったとか、色々な説が今でもあるようです。
日本に入ってきたのは1940年代頃だといわれています。
ジャンガリアンハムスターについて
ペットとしてのハムスターは、あくまで人間に温かみと癒しを与えてくれる小動物です。
同時に彼らは餌の少ない厳しい状況下で生息している野生動物でもあり、人間の医療の歴史と密接な関係にあるという側面も持っています。
日本でのペット用ハムスターといえばゴールデンハムスターが主でしたが、ゴールデンハムスターの野生種は個体数を著しく減らしています。
種は多いとはいえ、過酷ともいえる状況下に置かれているハムスターです。
これ以上数を減らす事がなければよいのですが。
(ライター:おもち)