日本ではどちらかというと可愛らしいイメージが先行しているヤギですが、世界中のヤギを見渡すとかなり強烈な種類もいて・・・・。

今回はその中でも家畜化されているヤギについての特徴や生態、寿命を見ていきたいと思います。

ヤギの特徴と生態

ヤギは大昔から世界中で飼育されてきた動物です。

用途により、乳用種、毛用種、肉用種、乳肉兼用種などに分化していて、その品種は数百種類に及びます。

ヤギは粗食に強く、険しい地形なども苦にしない強靭な性質で、山岳地帯や乾燥地帯で生活する人々にとっては貴重な家畜になっています。

ユーラシア大陸の遊牧民にとっては、ヒツジやウシ、馬、ラクダと共に貴重な家畜のひとつです。

 

ヤギの乳はウシの乳質に近く、乳量はヒツジよりも多いのが特徴です。

日本でも明治以降に多くのヤギが飼われ、貧農の乳牛とも呼ばれていました。

高度経済成長と共にヤギを飼育することは少なくなりましたが、近年はその可愛らしさや飼育が比較的簡単なことから、再び飼育する人が増えているようです。

ヤギの品種

ヤギには実に多くの品種があります。

代表的なヤギをいくつか紹介していきます。

スイスの西部で飼われている乳用種のザーネン種。

日本で飼育されているヤギのほとんどはこの種類、もしくはその雑種であると言われています。

 

マンバ―種は中東の砂漠地帯で遊牧民たちが飼っているヤギです。

毛の色は黒く、毛をテントやロープの材料として使い、乳は食用にしています。

 

シバヤギは体重が20~30kgほどの小型のヤギで、長崎県や五島列島で昔から飼育されていたヤギです。

1年中繁殖が可能で、雌雄ともに角があり、オスの方が角が太く、より後方に伸びています。

ヤギの利用

ヤギは肉としても乳としても、また毛の利用や医療領域などでもとにかく幅広く人間の暮らしと関わっている動物です。

肉はヤギの放牧を行っている地域ではとてもポピュラーで、羊肉と区別されずに使われることも多い様です。

 

東南アジアでは煮込みの料理が一般的で、ローストなどは一部特殊種類のヤギだけに見られる調理方法です。

ベトナムでは薄切りにしていためたり、焼肉にしたり、鍋料理にされることも多く、地中海沿岸でも骨を似てスープを採ったりしているそうです。

 

ヤギ肉には独特の臭気があり、香辛料などと一緒に調理されることも多い様です。

日本では沖縄本島や宮古島、多良間島などで郷土料理として一般的で、汁物や刺身として食べられています。

特に睾丸は刺身として珍重されているのだとか。

 

毛は繊維として防寒着や敷物、他にもタペストリーなどとして用いられます。

アンゴラやカシミアなどは極上の防寒を約束する高級品として特に有名です。

 

毛は筆の素材としても用いられ、とても柔らかく、含みが良いので、直に人の顔に当てる化粧筆の素材として好まれます。

医療の分野では実験動物としての役割も多く、農業の分野では固い草でもよく食べるので除草用に利用されることも多いようです。

草刈り機を使わない、燃料費もかからない、二酸化炭素の排出がないなど、いくつもの利点が挙げられます。

 

ヤギの寿命

ヤギの寿命は飼育下で15年程と言われています。

最高寿命では22歳という記録がありますが、定かではありません。

ヤギの生態と寿命に関するまとめ

ヤギはユーラシア大陸の遊牧民にとっては、ヒツジやウシ、馬、ラクダと共に貴重な家畜のひとつ。

乳量はヒツジよりも多く、飼育も簡単なので家畜の中でも好まれている。

 

食用、乳用、医療分野での実験動物、農業分野での除草等、現在でも様々な分野で利用されている。

ヤギの寿命は飼育下で15年、最高寿命は22年という記録があるが、定かではない。

(ライター ナオ)