小学校の教科書にも登場するビーバーのダムづくり。
人間以外に身の回りの環境を整える動物として有名です。
そんなビーバー、日本ではどこで見られるのでしょう?
ビーバーの生態
ビーバーはビーバー科に分類される動物で、和名は海狸と書きます。
北アメリカやヨーロッパの河川や湖、池などに生息しています。体長は80~120㎝、体重は11~30kgほどです。
ビロードのような毛皮は水をはじき、後ろ足には水かきがついています。
平たく大きな尾がオールのようになっていて、泳ぐときには上下に動かし推進力を増す役割を果たしています。
直腸や排尿口、生殖口を兼ねた器官があり、オスの睾丸は体内にあるため外見でオスメスの区別をつけることはできません。
丈夫な歯は直径15㎝ほどの木を10分で倒せるほど。
指は5本あり、ものを掴むことが出来ます。茶色の毛の内側には水をはじく白い毛があります。
草食で木の葉や草、皮などを一日に2kほど食べると言われています。
足の間に油を出す部分があり、それを体全体に塗り付けることで水をはじきやすい体になっているのだそうです。
毛づくろいする間は陸地に上がりますが、敵から身を守るために基本的には水の中で生活しています。
夫婦や家族単位でにおい付けしながらなわばりを作り、一年に一回の繁殖期後には1~6頭の子供を産みます。
敵が近づいた時の威嚇や仲間に危険を知らせるために尾を叩きつける行動も見られます。
ビーバーのダムづくり
ビーバーは水の流れをせき止めるダムづくりをします。
この行為は水の流れを感知して本能的に行われる行為と言われていて、オスの仕事です。
木や泥、枯れ木などを使って流れをせき止め、ダムの中央には枝などを組んだ個室上の部屋を作ります。
生活環境を整える姿はよく人間とも比較されますが、ビーバーのこの習性によって辺り一帯の生態系に変化が及ぶことも少ないのだとか。
近年では人間が水の流れの音を人為的に流し、ビーバーのダムづくりの場所をコントロールすることもあるようです。
ビーバーと人間のかかわり
ビーバーは食肉用や毛皮で人間たちと深くかかわってきました。
ビーバーの肉はどんな調理方法をしても甘くておいしいのだとか。
しかもヘルシーときたら、女性は目がありません。
柔らかいシルクハットは17世紀以降の紳士たちの必須アイテムともいわれ、爆発的な人気を得たアイテムです。
その頃からビーバーの乱獲が始まり、19世紀後半には絶別寸前まで追いやられたこともあります。
最近では本物のシルクを毛並み上にあしらった帽子が代替品と販売され、ビーバーは保護されるようになっています。
日本でビーバーが見られる動物園
日本には残念ながら野生のビーバーは生息していませんので、本物に会いたい人は動物園や水族館に行って、彼らの可愛い姿を見てください。
日本国内でビーバーのいる動物園や水族館は結構あります。
飯田市動物園ではビーバーのダムづくりの木を運ぶ姿をイベントとして見せています。
札幌の円山動物園や仙台の八木山動物園にもいますし、最近パンダの誕生で沸いている上野動物園にも展示スペースがあります。
水族館では長崎バイオパーク、松島水族館、マリンピア日本海などなど、お近くの動物園や水族館を一度調べてみてください。
ビーバーのまとめ
ビーバーは日本には野生で生息しない。
ビーバーのオスは水の流れる音を聞くと本能的に水をせき止めるダムづくりをする。
ビーバーは日本の多くの動物園や水族館で見ることができ、イベントとして巣直しを見せているところもある。
何となく人間と生活形態が似ているところもあるビーバー。
どこか愛着がわくのは顔のせいだけではなかったんですね~~・
皆さんもぜひ、そんな働き者のビーバーたちを間近で見てみてくださいね!
(ライター ナオ)