「オオムラサキ」と言えば、紫色の翅がとても鮮やかな美しい蝶だというのはよく知られていますね。
それでは、その幼虫がどんな姿をしているのか、知っていますか?
実は一部ではオオムラサキの幼虫がかわいいと話題なんです!
幼虫と言えば青虫、青虫がかわいいなんてそんなことが本当にあるんでしょうか。
そこで今回は、そんなオオムラサキの幼虫に焦点を当てて、詳しく見ていきたいと思います。
オオムラサキの幼虫の生態
オオムラサキは北海道から九州にかけて、全国各地に広く生息しているチョウです。
しかし生息環境は限られており、適度に管理されたやや規模の大きい雑木林を好んで生息しているので、どこでも簡単に見つけられるわけではありません。
しかも成虫が観察できるのは6月後半から8月にかけての2か月程度。
幼虫はエノキ(キノコのほうではなく、榎のほうですよ!)の葉を食べて育ちます。
夏から秋にかけてはエノキの葉を食しながら成長し、冬になると地面の上で落ち葉の中や根のすき間などで越冬。
(この時、落ち葉と一緒に掃除されてしまうという悲劇も起こることがあるそうです…)
そして春になると休眠から覚め、再びエノキの葉を食べながら成長して蛹になり、チョウへと羽化するのです。
生まれてからチョウになるまで、丸1年近くかかるということですね。
幼虫の間は何度も脱皮を繰り返し、大きくなっていきます。
オオムラサキは大き目のチョウですので、当然幼虫も大き目で体長は約5~6cm。
虫嫌いな人には絶叫ものの大きさですね…。
普通に上から見ると角の生えた太った青虫、という感じで、かわいさのかけらもありません。
むしろ気持ちが悪いと思う人も多いでしょう。
しかし、オオムラサキの幼虫のチャームポイントは「顔」。
顔をアップにしてみると、まるでこんな→(`・ω・´)顔文字のような、とてもかわいい顔をしているんです。
なかなか顔をアップで見る機会はありませんが、見つけた時はぜひ顔も観察してみてください。
愛着が湧いてくるかもしれませんよ。
もしかしたら絶滅するかも?
オオムラサキは全国各地に分布しているのですが、先ほども書いたように生息環境が限られているため、その数は減少傾向にあります。
エノキかエゾエノキしか食べないのですから、数が減るのもうなずけます。
この先、生き残っていけるのか心配…。
もっといろいろなものを食べればいいのになと思いますね。
ゴキブリレベルでなんでも食べるようになれば、すぐに増殖できそう。
昔は平野部でもよく見られたそうですが、現在では森林の開発が進みあまり身近では見られなくなってしまいました。
山梨県など一部の地域では多くの個体が生息するようですが、絶滅の危機に瀕している地域もあり、準絶滅危惧種に指定されています。
オオムラサキは日本の国蝶ですが、いつかその姿を見ることができなくなる日がくるかもしれませんね。
ですので、もしオオムラサキの幼虫や成虫を見つけたとしても、捕まえたりはせずに観察するだけにとどめておいてあげてください。
飼育も可能ですが、できたら幼虫から育てて成虫になったら野生に還してあげてほしいですね。
オオムラサキの幼虫についてのまとめ
オオムラサキは、成虫の美しさだけではなく、幼虫のかわいさも魅力的なチョウでしたね。
青虫が嫌いな人は多いと思いますが、オオムラサキの幼虫ならば好きになれる人もいるかもしれません。
オオムラサキは国蝶として切手などのデザインにも使われたことがあるので、もしかしたら幼虫のほうも切手になる日がくるかもしれませんよ。
ただし、どんなに可愛くても青虫は苦手だ!という人もいると思うので、送る相手は選ばなければなりませんが。
(ライター もんぷち)