「マテガイ」という、二枚貝綱マテガイ科の貝がいます。
東北以南、中国大陸や瀬戸内海、三河湾や東京湾等の穏やかで大きな内湾の干潟、泥の海に底に潜って棲息しています。

 

西日本でよく見つかるそうなので、東日本の人にはなじみが薄い貝かもしれません。

もっとも特徴的なのは細長い形の殻です。

 

マテガイの画像を見ていると、なんか貝って感じがまったくないですよね。
遠くから見たら、「あれ?木の破片かな」とか思ってしまうかもしれません。

 

そんな変な外観のマテガイは、10センチくらいの大きさです。

貝と言えば人間がよく食べている生物なので、マテガイも食用として採集されています。

マテ貝の潮干狩りの方法を紹介

マテガイの漁業については、この貝は塩分の濃度に敏感で、
塩分が急に変わると巣から飛び出してくるので、そこを狙うという知恵を活かした漁法
となっています。

 

これはなぜなのかというと、汐が満ちたと勘違いするからなんだそうです。
貝類というのは浸透圧の変化に弱く、細胞の塩分濃度が高いと栄養が吸収できないので死んでしまうため、塩分濃度が高い場所から逃げ出す性質を持っているからです。

 

以上がマテガイの漁法なんですが、普通の人が潮干狩りで採取する方法はどうなのでしょうか?

実は、この「マテ貝採り」が面白すぎて、大人も子供もハマってしまうとされているのです。

ゴールデンウィークなどの大型連休にチャレンジしてみるといいですね。

 

それではここで面白いと評判の「マテ貝採り」説明してみましょう!

用意するものは砂を掘るコップと天然の荒塩のようななるべくサラサラの塩、そしてカゴやバケツなどの
入れ物です。

 

マテガイが生息しているような海辺の砂地を1~10センチくらい掘ってみると、彼らの巣穴があることがあります。
このような巣穴はカニとかゴカイも作っているのですが、ひし形っぽくなっているのがマテガイの巣と言われています。
上記のようにマテガイは塩分濃度に敏感なため、ここに塩を入れるとマテガイが飛び出してきます。

 

そしてここからが重要なんですが、マテガイが飛び出てきたら掴んで逃げられないようにしてゆっくりと抜いていききます。
ここで力を入れすぎると足が切れてしまうので注意しましょう。

 

長崎県の五島列島では、マテガイ堀の熟練者は「マテ掘」と呼ばれるそうです。
砂浜の表面を、トンガというものでコツコツッと叩き、マテガイがいる巣穴を見分けます。

 

ここが熟練者という感じですが、既に食べたマテガイの殻に塩を入れて、巣穴に挿入、マテガイが飛び出してきた速度と同時に抜き出して、素早く採取しているのです。

叩いたときの反応がカガミガイのような他の貝類の場合は、トンガで掻き出して採取しています。

なかなか美味しいかも!?

さて、このマテガイ、食べると美味しいのでしょうか?
個人の好みもありますが、貝というのはたいてい美味しいものが多いですよね。

 

マテガイというのは独特のフォルムをもっているので味のほうは大丈夫かなと思う方もいるかもしれませんが、安心してください。
癖はなく、アサリなどに似てなかなかに美味しいのです!

 

その独特な形状から、大きい身になりやすいのですが、砂を吐かせるのは簡単です。
バター焼き・塩茹で・煮付け等にして食べると、とても美味しいということですから食べてみたいですね。

 

他にもカレーに入れたり、フライ・天ぷらなんかにして食べる人もいるようです。

マテ貝の食感は、あさりよりちょっと濃厚な感じなので、パスタやみそ汁もよく合って、シーフードが好きな人ならバッチリでしょう。

マテ貝採取に見る、人間の知恵のすごさ

マテガイの採取は面白いといわれていますが、ちょ~っとかわいそうかなと思うのは私だけでしょうか?

 

誘い出されたマテガイにとってみてばたまったものではない感じですよね。
人間の知恵というのはすごいけど、なかなか残酷なものでもあるようですね。

(ライター:nabex)

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