鳥や昆虫など、羽を広げて飛ぶ生き物はたくさんいますね。

コウモリやモモンガなど、一部の哺乳類も飛ぶことはできますが、これはとても珍しいことです。

 

人間もいつか空を飛べるようにならないかなと子供のころから思っていますが、今のところ実現できる気

配は全くありませんね。

 

さて、そんな「飛ぶ生き物」の仲間に、なんと魚類から参加しているやつが!

そう、皆さんもご存知「トビウオ」です。

 

トビウオって言っても、単にちょっとジャンプ力がすごいって程度なんじゃないの?と思っている人も多

いかもしれません。

 

私もトビウオについて調べるまでは、飛距離なんて大したことないんだろうなと思ってましたから。

しかし、調べてみると驚くような結果が…!

というわけで、今回はそんな驚くべきトビウオの飛行能力について紹介していきたいと思います。

トビウオってどんな魚?

トビウオはダツ目トビウオ科に属する魚の総称で、実はたくさんの種類がいます。

日本近海だけでも北海道の南から九州までの各地に生息していて、30種類近い数がいるんですよ。

トビウオは他の魚と比べて胸ビレが大きく発達しており、滑空時にはこの胸ビレが翼の役割を果たします。

 

この胸ビレは生後2週間ほどで大きくなり始めるので、稚魚のうちから飛ぶことができるそうです。

やはり厳しい自然界に生きている生き物は、成長が速いですね。

 

また尾ビレも発達しており、助走をつけたり着水しそうになった時に水をかいて再び飛んだりするのに役

立ちます。

 

陸地に近い沿岸部に生息しており、海の表層近くで生活しているので、岸から釣ることも可能。

トビウオって釣れる魚ってイメージがなかったから、ちょっとびっくりですね。

ただし驚いて飛んで(突っ込んで)来る場合もあるようなので、ご注意を。

驚くべき飛距離!トビウオの飛行能力

さて、いよいよトビウオの飛行について迫っていきますよ!

まず初めに、トビウオはなぜ飛ぶのでしょうか?

 

その答えはマグロなどの捕食者から「逃げる」ためだと言われています。

確かに、海上を飛んで逃げれば、海の中を泳いで移動するしかない魚では到底捕まえることができない。

 

でもちょっと飛んだくらいだと、着水した時を狙って食べられてしまうのではないでしょうか。

実はトビウオ、海面の約2m上を距離100~300m、時間にして数十秒も飛び続けることができるのです。

これは予想外の飛距離!

 

なんと大型の種類では海面の10m上を600m滑空することもできるとか。

映像が残っているものとしては最長記録、45秒間も飛び続けたトビウオもいるそうです。

それだけ飛ばれたら、敵も諦めざるを得ないですね。

 

しかも、滑空時の速度は時速50~70kmも出ていると言うじゃありませんか。

一度飛んでしまえば敵なしです。

その上急ブレーキをかけて再び水中に戻ることも、空中での方向転換も自由自在。

正直、こんなに飛べるなんて思ってなかったから驚きの連続です。

食べても美味しいトビウオ

トビウオはすごい飛行能力を持っているだけではなくて、食べても美味しいですね。

一部地域では「アゴ」と呼ばれていますが、これは「アゴがはずれるほど美味しい」というのが名前の由

来だとか。

 

淡白な白身魚で、その調理法は実に様々。

焼魚、フライをはじめ、練り物の材料や出汁としても使われます。

「あごだしラーメン」なんかは有名ですよね。

 

また、「とびっこ」と呼ばれる卵も寿司ネタや珍味としてよく食べられます。

お正月の定番、「黄金イカ」も数の子ではなくてとびっこが使われていることが多いらしいですよ。

トビウオ まとめ

正直、トビウオの事を侮っていました。

飛ぶって言ってもいわゆる「ジャンプ」程度だろ、と。

 

しかし考えを改めなければなりませんね。

あれは完全に「飛行」です。

魚でも飛べるんだから、いつか人間だって飛べるかもしれないという希望を持ちました。

(ライター名 もんぷち)