ヒヨケムシという名前を聞いたことがありますか?
日本には生息していませんが、脚の10本ある蜘蛛の仲間です。
ヒヨケムシってどんな虫?
ヒヨケムシは熱帯から亜熱帯地域に生息していて、全世界で1000種類ほどいると考えられています。
日本には生息していませんが、近年地味に気持ち悪い昆虫として取り上げられることが多くなっています。
全身が毛で覆われていて、体長は15㎝ほど。現地ではキャメルスパイダーとの異名を持っています。
顎の力が以上に強く、全身の3分の1程を占める巨大な顎は、サソリやタランチュラとも互角に捕食しあうほど強烈。
脚が速く、時速16キロほどの速さで走りぬき、ネズミや鳥類、トカゲなどをハントします。
自分よりも体の大きな相手も自慢の顎で一撃を加えた後、弱らせて、その後にその体を切り刻み、肉片にしてしまうのだとか。
ヒヨケムシは毒を持っている?
そんな恐ろしい顎を持つヒヨケムシですが、こう見えて毒は持っていません。
見るからに毒を注入しそうな顎からは、消化液のみがでるだけ。
獲物として刻んだ肉片は消化液によってトロトロにし、一気に飲みこみます。
ですから、人間がヒヨケムシに襲われて、毒でやられるようなことはありませんが、噛まれた時には相当な痛みを覚悟した方が良さそうです。
また、毒はもっていませんが、傷口から細菌が入ることによる吐き気やめまいなどの症状が出ることもあるようで、いずれにしても噛まれないように注意は必要です。
ヒヨケムシの威嚇行動
ヒヨケムシは敵に襲われると触肢を高く上げて、腹部を立てて、自分の存在を大きく見せることで威嚇します。
それでも相手があきらめない時は必殺技!!とびかかって噛みつきます。
ヒヨケムシの繁殖
ヒヨケムシのメスは一般的にオスよりも大きく、オスは細身ですらっとしているのに対し、メスはぼてっとしていて貫禄があります。
子育てはメスが行いますが、交尾に失敗したオスはメスによって食べられてしまうこともあるのだとか。
産卵はメスが穴を掘ってそこに卵を産み落とし、卵はたったの2日で孵化します。
孵化が早いのは、産卵の前に卵の中で、ある程度、成長過程が進んでいる為と考えられています。
瞬発力もあるヒヨケムシ
ヒヨケムシの瞬発力は節足動物のなかで2番目!!
一番は何故かあの、嫌われ者のゴキブリなのだとか・・・・。
脚も速くて、瞬発力もあり、強力な顎の武器を持っていて、おまけに木にも登れちゃうというのだから、ハンターとしてはかなり優秀な昆虫です。
ヒヨケムシが話題になったきっかけ
ヒヨケムシが話題になったきっかけは2003年にイラクに駐留するアメリカ軍兵士がネットで紹介したのが始まりだったようです。
そのあまりの強烈さに一時期はかなり誇張した情報が流れていたのだとか。
例えばラクダや人を襲うとか!!??
時速50㎞で走るとか!!??
はたまた1m以上もジャンプするとか!!??
実際に夜行性なので、昼間はヒヨケムシの名の通り、日を避けて生活しているのですが、一方で光に反応する性質も持っているらしく、夜に軍兵士達のテントの明かりに引き寄せられて人に近づくこともあったようです。
でも・・・ヒトを襲うほどの力はないし、ラクダについてもしかり。
確かに足は速いのですが、さすがに時速50㎞とはいかないよう。
ジャンプも全くと言ってできないのだそうです。
とにかくすごい昆虫がいたということだけが事実で、あとは誇張された噂が噂をよんで・・・・
まとめ
見た目のインパクトからはそれほどの気持ち悪さや強烈さは感じないヒヨケムシ。
しかし、一旦その生態を知ってしまえば、彼らに対して不気味なキモさを感じるのは私だけではないはずです。