地球上には色々な種類の蟻がいますが、今回は”変な頭の蟻”についてご紹介したいと思います。
頭に丸い何かを付けているんです。
帽子を被っているようにも見えます。
河童のようなお皿の頭にも見えます。
「タートル アント」と言う不思議なアリさんです。
実は、面白くて変な生き物としても有名なんですよ。
「タートル アント」とは?
「タートル アント(turtle ant)」は、節足動物・昆虫綱・ハチ目・アリ科・フタフシアリ亜科・ナベブタアリ属に属する蟻です。
学名は、Cryptocerus variansになります。
名前から考えると、タートル=亀 アント=蟻 なので、日本語では”亀蟻(カメアリ)”
亀の甲羅状の平らな頭をもった蟻です。
見た目から、河童アリとは言わないで下さい(笑)
主にアメリカ南部や南米に生息し、木の上に住んでいます。
「タートル アント」の特徴
タートル アントの体長は約4mmです。
真横から見るとスリムな体型をしているのに、マッチョなんです。
いちごのように体中にブツブツがあります。
体の特徴はなんと言っても、頭。
帽子のような、お盆のような、丸いものが頭に付いています。
「タートル アント」の頭
タートル アントの頭に付いている丸いもの。
帽子!?お盆!?お皿!?
一体何なんでしょうか・・・?
実はあの頭、巣穴を守るために”盾”となるんです!
タートル アントは、木で生活する蟻なので、木に巣穴を作ります。
その巣穴から外敵が入って来ないように、その頭の盾で、巣穴に蓋をします。
頭の盾で巣穴の出入り口を塞ぎ、敵の侵入を防ぎます。
タートル アントのあの頭は、巣を守るための蓋だったんです!
自らの頭を犠牲にして、巣を守ります。
これが驚きですが、タートルアントの頭は、まるできっちりと設計されたマンホールのように、巣穴にマッチします。
そこら辺の設計士を唸らせるほどの、正確な腕?頭?を持っているんです。
頭の盾がない「タートル アント」もいるの?
実は、タートル アントは2種類います。
盾の頭を持っているタートル アントと、盾を持っていないタートル アントがいます。
盾を持っているタートル アントは、巣を守るための蓋専門係です。
巣穴蓋専門係りとして選ばれた蟻です。
仲間を守るため、自らの頭を犠牲にし、巣に蓋をする為に産まれて来た蟻です。
「タートル アント」は飛べる!
タートル アントは、羽がないのに飛ぶ事が出来るんですよ。
タートル アントが木から空中に、バーーンと飛び出します。
その後に、空を滑るように飛びます。
そしてタートル アントは、飛行しながら、平べったい体をひねりながら方向を変えます。
そして、目的地の木の幹にくっ付きます。
素晴らしい飛行技の持ち主です。
かっこいい!
「タートル アント」の頭はなぜ、こんな形になったのか?
自分達を守るため、生き残るために能力や毒などを身につけた虫は数多くいるのですが、
肉体的にこんな形状に変化をした虫、タートル アントはごくまれだと言われています。
タートル アントの「敵から守りたい、穴を塞ぎたい、守りたい、塞ぎたい、守りたい、塞ぎたい・・・」との想いが体に現れ、
進化したのかもしれません。
「タートル アント」は飼育できるの?
タートル アントを飼育している方は、調べた限りではいないようです。
なので、タートル アントをペットとして飼えるのかどうかはわかりませんが、一般的に蟻は飼育できるので、
タートル アントさえ手に入れられれば、不可能ではないかもしれません。
仲間を守る精神が強くて、仲間の為に頭を犠牲に出来るほどの心を持っているタートル アント。
タートル アントの精神を、私達人間も見習いたいですね。
(ライター 雲呑)