世界中で・・・いや、地球上でもっとも最強と言われている生物は、微生物なんです。

ミクロ単位で小さな微生物が、地球最強生物だなんて信じがたいですよね。

 

ですが、本当なんです!

地球最強の微生物「クマムシ」を皆さんはご存知でしょうか?

「クマムシ」の隠された秘密について詳しく迫っていきたいと思います。

「クマムシ」って?

 

「クマムシ(熊虫)」は、緩歩(かんぽ)動物門に属する動物です。

名前に”虫”が付きますが、昆虫ではありません。

 

8脚の足でのそのそっとゆっくり歩く姿が熊に似ているので、「クマムシ」と言われています。

英名では、water bearsと呼ばれるほど、ずんぐりとした格好が熊に似ているんです。

クマムシが歩いている姿はとってもかわいいんですよ♪

 

クマムシは1000種類ほどいると言われていて、その1000種類をまとめて「クマムシ」と呼んでいます。

クマムシは、陸でも海でも山の上でも、暖かいところでも寒いところでも、どこにでも生息しています。

木の枝先やコケ、水草や藻類などにもいて、泳ぐ事ができないのに、温泉の中にまでいるんですよ。

「クマムシ」の生態

クマムシの体長は0.5mm~1.7mmです。

丈夫なクチクラで覆われている体は、頭が1つと、胴体が4つに分かれています。

関節のない足の先には、4~10本ほどの爪があります。

 

目がある種類と、目がない種類のクマムシがいます。

口・胃・直腸の消化器系を持っていますが、呼吸器系、循環器系はありません。

腸の背側に卵巣または、精巣があります。

 

クマムシの多くの種類はオスとメスに分かれる雌雄異体ですが、クマムシは圧倒的にメスが多いです。

クマムシは動物や植物などの体液を食します。

「クマムシ」は、水がなくても死なない!

クマムシは水がなくても死なないんです。

水がなくても10年は生きる事が出来るんです。

クマムシの体の85%は水分で出来ています。

 

この水分を0.05%まで減らして極度の乾燥に耐える、冬眠という名の”乾眠状態”になると、10年生きる事が出来ます。

そんな冬眠という名の乾眠状態のクマムシに水を与えると、何事もなかったように、すぐさま活動再開し始めちゃうんです。

通常クマムシは、1~2ヶ月の寿命なんですが、乾眠状態では10年生きられてしまうという面白い生命力です。

「クマムシ」は、高温でも低温でも死なない!

クマムシは高温でも、低温でも死なないんです。

150度の高温でも耐える事が出来ます。

さらに、-273度の絶対零度も耐える事が出来ます。

数分間しか耐える事が出来ませんが、そのタフさには圧倒されます。

「クマムシ」は、放射線を浴びても死なない!

人間の致死量は500レントゲンと言われている放射線ですが、クマムシは、人間の100倍の570,000レントゲンに耐えることができるんです。

紫外線や高線量のエックス線、ガンマ線、重イオンビーム等の放射線に耐えられます。

「クマムシ」は宇宙でも死なない!

クマムシは真空状態でも生きられる事ができます。

なのでクマムシは、宇宙空間でも生きていけるんです。

 

実験結果でわかったことですが、10日間は宇宙で生存できるそうです。

宇宙に行ったクマムシは、その後の生存率や寿命、繁殖率は変わりませんでした。

 

動物で初めて宇宙で生きられることが確認されたのが、クマムシです。

ちなみにクマムシは、75,000気圧にまで耐えられるので、深海も大丈夫です。

 

クマムシは、他の動物と戦って勝つことで最強と呼ばれているのではなく、他の動物が耐えられない環境で、生き残る事ができるということで最強の動物です。

地球上・・・いや、宇宙でも生存できるクマムシの研究は、日々進められています。

地球最強生物「クマムシ」が人間を救ってくれる日も遠くはないかもしれませんね。

(ライター 雲呑)

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最強の環境耐久性を誇るクマムシ!

クマムシをご存知でしょうか?

『ムシ』と呼ばれていますが、昆虫ではありません。

その正体は緩歩動物と呼ばれる、4対で8脚ある太い脚を持つごく微小な生物です。この脚でゆっくりと歩くことから『緩歩動物』に分類されています。

その容姿はクマによく似ていることので『クマムシ』と呼ばれているのです。

またかつては、その非常に強い耐久性から『長命虫』とも呼ばれていました。

クマムシはどこでも、どんな環境でも生きられる!!

クマムシの仲間は、およそ1000種が知られており、そのうち海洋性のものは170種ほどいます。

体長は50マイクロメートル(0.05ミリ)から最大でも1.7ミリほどですので、肉眼でその存在を確認するのはかなり困難です。

クマムシの生息域は、熱帯地方から極地方までと広範囲にわたり、超深海底から高山まであらゆる地域に分布しており、温泉の沸き出る火山地域など特殊な環境下でも生きられるのです。

クマムシは有機物に富む液体や動植物の体液を食料としていますので、こういった存在があれば、ほとんどどこでも、どんな環境でも生息することが可能なのです。

クマムシには5つの体節がある!

クマムシの体節は不明確ですが、通常は頭部に1節と、胴体部が4節の計5節(環節)からなります。

この体節はカニの甲羅などと同様に、キチン質の厚いクチクラで覆われており、これにより内部をしっかりと保護しています。

真クマムシ目の体節はなめらかであるのに対し、異クマムシ目の体節は、装甲板やトゲ、毛などがあり、非常に変化に富んでいます。

クマムシは8本の脚と眼点を持つ!

クマムシの胴体部の各体節からは4対の8本の脚が出ます。

先端には爪があり、粘着性の円盤状の組織も持っています。この脚はおもに歩き回るのに使われています。たとえ水中に生息する場合でも遊泳力はまったくなく、水草や石の上をゆっくりと歩き回るのみです。

 

またクマムシの頭部には目に相当する眼点を持つ種もいます。

ただし触覚やクチバシに相当する口器などの突出した構造は持ちません。

クマムシの身体はシンプルな構造!

クマムシは口から胃、直腸からなる消化器系を持ちますが、排出物は体内に蓄積され続け、脱皮の際にクチクラと共に捨てられます。

クマムシには呼吸器系や循環器系は存在しません。酸素と二酸化炭素のガス交換は体表面から直接、クチクラを通じておこなわれます。

クマムシの神経系は、はしご状のシンプルなモノがあるのみです。通常は脳とそこから派生する2本の縦走神経が伸びており、それに5つの腹側神経節があるだけです。

このように、クマムシの身体は極めてシンプルにできているのです。

クマムシの生殖と産卵!

クマムシは基本的に雌雄異体なのですが、圧倒的にメスの数が多く存在します。また雌雄同体の個体や単為生殖をする個体もいます。

クマムシの産卵は、他の動物のように水中に産み落とす場合もありますが、排泄物同様に脱皮殻の中に産みつけておき、脱皮と共に体外に出すことがよく見られます。

こういった習性を『脱皮殻内受精』と呼んでいます。

孵化したクマムシの幼体には幼生期はなく、生態とほぼ同じ形態をしており、脱皮を繰り返して成長していきます。ただし体細胞の数は増加せずに、細胞そのものの体積が増えることで大きく成長していくのです。

クマムシは水分がなくなると活動を停止する!

クマムシは、水辺や湿気をこのむので、陸上においては地上から樹上までおもにコケなどの隙間で生活しています。水中でも水草や藻類の表面を這い回りながら生活しています。

このようにクマムシは水分の多い環境をこのんで生活していますので、乾燥した環境にかわると、その活動を停止してしまいます。

この活動停止をする行動を『乾眠(かんみん)』と呼んでいます。クマやヘビなどが行う冬眠に近い状態です。乾眠の状態では、クマムシの体内は無代謝で、休眠状態となっており、じっと環境の変化を待っているのです。

死んでいるように見えるクリプトビオシス!

クマムシがおこなう乾眠は、環境に対する抵抗力であり、その効果は絶大です。

クマムシは、『クリプトビオシス』という状態で水分が得られるまで延々と休眠し続け、水分が得られるように環境が変化すると再び活動を開始(蘇生)するのです。

クリプトビオシスとは、隠された生命活動という意味で、死んでいるように見える状態=代謝をほとんどおこなわないまま長時間を過ごし、環境が改善するとまるで死から生き返ったようにその活動を開始するという意味なのです。

乾眠をするものにはクマムシのほか、線虫、ワムシ、アルテミン(シーモンキー)などが知られています。

乾眠をおこなうのには準備期間が必要だった!

クマムシは、乾燥が進むと身体を縮めながらゆっくりと代謝を止めて休眠状態に入ります。

ですからこれは、急激な環境変化にすぐに対応しているということではありません。休眠状態に入るためには、ある程度の準備期間が必要になるのです。

したがってクマムシのすべての種が、いつでも乾眠できるというわけではありません。

また実際に厳しい環境下での長期間の乾眠を終えた個体が、以前とまったく同じ生活に戻れているかどうかは、現段階ではまだはっきり確認されていません。

クマムシの耐性強度は多細胞生物最強!

クマムシは、すべての多細胞生物の中でも突出した環境に対する耐性強度を持つことで知られています。恐らく最強の耐性を持つと考えられています。

ただし単細胞生物では、芽胞を作ることで、クマムシ以上に過酷な環境でもそれに耐えることができる種もいます。

クマムシの耐性のすごさ!!

クマムシの耐性は以下のようなことが知られています。

乾燥に対しては、通常85%を占める体内の水分量をわずか3%にまで減らすことができるほどの耐乾燥性をみせます。

温度に対しては、151度の高温から絶対零度(約マイナス273度)近くまでの超低温にも耐えることができます。

圧力に対しては、真空状態から、7万5千気圧まで耐えることができます。

放射線などに対しては、高線量の紫外線、X線やガンマ線にも耐えることができます。

X線においては、ヒトの半致死線量4グレイに対して、そのおよそ1千倍の3千~5千グレイがクマムシの半致死線量だといわれています。

クマムシの耐久期間は120年!?

クマムシはこの乾眠状態のままで長期間生存することが可能だと考えられています。

博物館のコケの標本の中にいたクマムシの乾眠個体が、120年後に水を与えられることで活動を再開(蘇生)したという記述などが存在します。

こうしたことは、科学的に証明されたわけではありません。また、前述したように長期の乾眠を経たのちに、元通りの活動ができているかどうかはまだわかっていません。

宇宙での実験結果は!?

こうしたクマムシの耐性に関して、各国でもいろいろな研究が進められており、2007年にはロシアの人工衛星において宇宙空間における実験も行われています。

この実験によれば、10日間宇宙空間にさらされた状態=真空で、宇宙線にさらされた状態であっても、帰還後クマムシは蘇生しており、その生殖能力も失われていなかったことが確認されています。ただし宇宙空間で太陽光を直接浴びたクマムシでは、その一部は蘇生しましたが、太陽光を遮った場合に比べると生存率は低下したということです。