サナダムシは人間にかなりのダメージを与える寄生虫。
そんなサナダムシは実は猫にも悪さをするって知っていましたか?
サナダムシが猫に寄生したときの対処方法など詳しくお話します。
サナダムシの特徴
サナダムシはテニア科の扁形動物の総称で、成体はすべて寄生虫で長いと10m以上になるものもあります。
共通する特徴は消化管や口を完全にかこくと。体は扁平で上皮細胞がなく、体表はクチクラに覆われていて、栄養分は体表から吸収します。
また、宿主に固着するための吸盤などを外部に備えていて、雌雄同体で体内は雌雄の生殖器官のみが発達しています。
頭部とそれに続く片節からなり、頭部の先端はやや膨らんで、ここに吸盤や鉤など宿主に固着するための構造が発達します。
それに続く片節は、それぞれに生殖器が含まれており、当節から分裂によって形成され、成熟すると切り離されます。
これは一見体節に見えますが、実際にはそれぞれの片節が個体であるとみるのが正しく、分裂した個体が繋がったまま成長して成熟するにつれて離れてゆきます。
長く切り離されずに10mにも達するもののあれば、常に数節の身からなる数㎜程度の種もあります。
切り離された片節は消化管に寄生するものであれば吻と共に排出され、体外で孵化するものがほとんどです。
危険なサナダムシ
サナダムシは特に人に寄生するものはあまりにも大きいため健康に大きな影響があると言われることが多かったのですが、本当に危険なのは人を最終宿主としない種が体内に入った場合。
腸内で成熟できない場合、幼生のままで体内を移動して本来寄生すべきでない部位に定着し、様々な弊害を出す場合があります。
幼生が体内に寄生して内臓を圧迫、破壊したり、更に無性生殖をする種では最悪の場合、死の危険もあります。
未だに成虫が知られていない芽殖孤虫というものもあります。
サナダムシのダイエット
一時期流行ったのがサナダムシをお腹にわざと飼ってダイエットするといったもの。
105kgの体重を55kgまで落とすことができたとか、それよりずっと以前の1900~1920年頃には実際にサナダムシのカプセルが販売されていたこともあるようです。
卵を飲み込んで体重が望むところまでへったら薬で寄生虫を退治するというもの。
かなり強烈なダイエット方法ですが、現在はそんなことをしている人はどこにもいないでしょう‥‥
猫のサナダムシ
猫のサナダムシはネコ条虫といい30~60㎝ほどで感染猫の糞便中に含まれている卵をネズミなどが食べ、更にこうしたネズミを猫が捕食することで猫の体内に入り込みます。
猫のサナダムシはほとんど症状が出ないか、あったとしても軽微で重症になることはありません。
下痢、体重減少、食欲不振などの症状が見られます。
しかし、猫のお尻の周辺や糞の中で白いものがうごめいている状態は見た目が極めて不快です。
治療法としては駆虫薬を投与します。多頭買いしている場合は症状の有無にかかわらずすべてのネコに対して数か月間駆虫薬と投与します。
駆除に使われる薬剤はプラジクアンテルという種類で注射や内服によって投与します。
1~2ヵ月ほどの治療期間で治ることが多いようです。
予防はサナダムシを媒介するノミを駆除することが治療や予防になります、
ノミ駆除薬の投与、部屋をこまめに掃除する、薬用シャンプー、殺虫剤の噴霧等色々。
また、広節裂頭条虫が生息する屋外の水たまりやマス、サケ、スズキなどの成魚に猫を近づけないことも重要です。
更にネコ条虫を媒介するネズミを環境中から一層するようにします。
エキノコックスは人間の体内に入ると時に重篤な症状を引き起こしますので野良犬、野良猫、野狐の糞便には絶対に近づけないようにした方が良いでしょう。
皆さんくれぐれもサナダムシにはご用心を!
(ライター ナオ)