可愛いフリしてあの娘~わりとやるもんだねと~♪
と・・・だいぶ古い歌ですが、モンシロドクガはそんな歌を思い出させる昆虫です。
モンシロドクガの特徴
モンシロドクガはモンシロチョウにとても良く似ていますが、れっきとしたドクガです。
モンシロチョウと違うのは、前翅の後ろ部分に黒褐色の斑点がついていること。
モンシロチョウと間違えて触ってしまうと肌に湿疹やかぶれができて、治るのには10日ほどかかってしまうので注意が必要です。
モンシロドクガの生態
モンシロドクガは翅を開くと24~39mmほどの大きさをしています。
日本全土に生息して、日本以外でも朝鮮半島や、シベリア、ヨーロッパなどに分布しています。
5~6月と8~9月の年に2回ほど羽化してモンシロチョウのような蛾になって飛んでいます。
幼虫はサクラ、ウメ、クワ、クリなどの葉っぱに群集し、ある程度幼齢が大きくなると分散していきます。
関西ではモンシロドクガの幼虫のことをクワノキンケムシと言ったりするそうです。
その名のとおり、クワの葉にいる、金色をしたケムシということから付いたと思われます。
幼虫のまま越冬し、5月頃には繭を作り、蛹になり、その後羽化します。
メスは葉っぱの裏などにぎっしりと塊で産卵します。
モンシロドクガの幼虫に注意!!
幼虫は特徴のある毛虫で、バラ科を食するタイプの幼虫とクワ類を食する幼虫とで色が違うようです。
成虫の形は同じなのに、毛虫の色が食べ物によって違うというのは面白い。
前者は黒色が貴重で、それにやや黄色がかかっているといった感じ。このタイプの幼虫はキドクガやリンゴゲンモンの幼虫などと良く間違えられます。
後者は黄色と黒の斑点がベースで、頭の部分は赤や橙色をしています。
どちらのタイプも2齢から毒針毛を持ち始めます。
毛虫によっては毛を自らのチカラで飛ばして、近くに寄ってきた敵を攻撃するものもいるようですが、モンシロドクガの幼虫はそこまで攻撃的ではありません。
ただ、風に飛ばされて毛が飛んでくるということは考えられるので、モンシロドクガの幼虫を見つけたら、近寄らないのが無難です。
モンシロドクガの繭は楕円形をしています。
繭だから安心♪と思うなかれ!!この繭、モンシロドクガの幼虫たちが褐色の糸に自らの体毛を練りこんで作っているので、繭にも毒があります。繭だから、といってうっかり触らないように注意が必要です。
モンシロドクガの幼虫によく似た毛虫
モンシロドクガの幼虫によく似た毛虫はいくつかいます。
モンシロドクガよりも毛の長いリンゴケンモンは、モンシロドクガよりも更にフサフサしていて、色合いといい、見た目のゴージャス感といい、いかにも毒を持っていそうなのですが、実は毒のない穏やかな!?ケムシです。
ヒメシロモンドクガというモンシロドクガとよく似た名前のドクガは、名前にドクガとついているにもかかわらず、強い毒は持っていません。ただ、長い時間接触していたり、ひどく触ったりした場合には皮膚が赤くなる場合があります。
この紛らわしいヒメモンシロドクガの幼虫は名前だけでなく、色合いもモンシロドクガに似ています。
両者の違いは、ヒメモンシロドクガの背中には歯ブラシのような縦に飛び出た毛が3~4か所生えているというところ。
これは一目見てわかる特徴で、ユニークなデザインの毛虫と言えます。また、頭部とお尻付近には長い毛も生えていて、遠くから見ると、これがまるで触覚のように見えて、ちょっと不気味です。
これからが毛虫の季節本番!
毛虫を自分から触りに行くのは、よっぽどの昆虫好きしかいませんが、近くに毛虫がいた時にもくれぐれも要注意です!
もちろん、モシロドクガにもご用心!
(ライター ナオ)