エゾオオカミはかつて北海道、樺太、千島列島に分布していたオオカミで、現在は絶滅したとされています。

そんな伝説の動物エゾオオカミについてその特徴や生態など詳しくお話していきます。

エゾオオカミの特徴と生態

体長は頭胴長が120~129㎝、尾の長さは27~40㎝で体色は黄色っぽく尾の先端は黒色。両前足には黒斑があり、吻は細長いのが特徴。

群れを形成し、主にエゾシカを獲物としていた他にも海岸に付いた下られたクジラの死体やニシンも食べていたと言われています。

 

古来からアイヌの人々とは共存しており、狩りする神、ほえる神、シカを獲る神などと呼ばれ崇めていた一方で毒矢を使ってオオカミ狩りもしていたのだそう。

まさに自然との共存の一つの形。

エゾオオカミの歴史

明治時代に入り北海道の開拓によって獲物のエゾシカが減少し、エゾ女将は代わりに放牧された馬を襲うようになったため1877年に開拓使によって賞金がかけられ駆除された歴史があります。

 

また、1879年には大雪によってエゾシカの大量死が起こり、そこでもエゾオオカミは追い詰められていきました。

奨励策が廃止された1888年までの間に1539頭が駆除され、その後1896年には函館の毛皮商によってエゾオオカミの毛皮数枚が扱われたという記録を最後に確認例がありません。

 

絶滅の原因はこれらの要因の余暇に狂犬病やジステンパーという感染症が挙げられていますが、化学的な原因を解明した報告などはなく、はっきりとしたことはわかっていません。

 

エゾオオカミが絶滅した後、北海道ではエゾシカの増加による農業被害が多発する背景もあり、生態系の綿からオオカミを再導入しようとする動きもありますが日本では2017年時点、賛成意見は多数ではないとされています。

オオカミの再導入の例

アメリカでは実際にオオカミの再導入が行われています。

地域の住民が捕食者であるオオカミが生態系に存在することで環境が維持されることに対して理解を示すようになってきていることが再導入を実現させています。

イエローストーン国立公園とアイダホ州の例

イエローストーン国立公園とアイダホ州で再導入が開始されたのは1995年のこと。

 

1926年を最後にオオカミが殺された例はなく、オオカミの獲物となっていたワピチ屋他の動物が増加し、その結果植生に被害が出ました。

更にオオカミと競合していたコヨーテの個体数が増加し、コヨーテよりも小さなアカギツネが減少してしまいました。

 

20年間の年月をかけて地域住民を説得し、途中オオカミ再導入にかんする民事訴訟なども経ながら1995年ようやく野生のオオカミをカナダから輸送するに至ったのですが、直前で差し止め請求などもあり、実現にはかなりの期間と労力が費やされ、実現に至っています。

 

現在イエローストーン国立公園では再導入によって生物多様性が増えたことが報告され、ワピチの個体数の減少により植生が増え始めたことによるものと考えられています。

またアカギツネや絶滅寸前で会ったビーバーの個体数の増加も観察されています。

地域住民の家畜被害の打ちオオカミによると確認されたものに関しては政府がオオカミ補償基金を支払っているのだそう。

エゾオオカミのまとめ

日本人が絶滅させてしまったエゾオオカミ。現在は世界で唯一北海道大学の植物園の博物館に剥製が残されているそうです。

知床が世界遺産に指定され、自然との共存が注目される中、北海道におけるエゾオオカミの復活はあるのかどうかとても気になるところです。

 

どこか神聖で神秘的なイメージのあるオオカミが復活するとなれば、北海道はまた日本の中でも特別な地域になっていくのだろうな・・

と想像が膨らみますが果たして実現はあり得るのでしょうか。

(ライター ナオ)