ミカドオオアリというアリを見たことがあるでしょうか?

広く分布しているアリながら、普段日常的に生活している分にはなかなか見る機会もないアリ、ミカドオオアリ。

今回は立派な名前がついているミカドオオアリについて詳しくお話ししていきます。

ミカドオオアリの生態

ミカドオオアリはハチ目アリ科ヤマアリ亜科オオアリ属ミカドオオアリ亜属に分類され、北海道、本州、四国、九州、対馬、屋久島に分布しているアリですが、北海道ではかなり稀な種類。林に生息し朽木や枯れた竹などの中に巣をつくります。

 

働きアリの体長は8~11㎜、女王アリは体長15㎜ほど。

体色は光沢が強い褐色を帯びた黒色で脚は長く、淡褐色をしており、全体的にとてもバランスの取れた、まさに帝のような体型をしています。

 

腹部には淡褐色の線が何本か入ります。

巣は300匹ほどの個体で作られる小さなコロニーを広い範囲にわたり作ります。

元は一つのコロニーなので女王アリやメスアリのいないコロニーもあります。

 

働きアリの中には大型のものもいて、それらは女王アリと同じかそれよりも大きく、体に不釣り合いな大きな頭を持っています。

この大型の働きアリには大きなエサを解体したり、巣の穴を掘ったりという力仕事がわりあてられるのだそうです。

 

雑食性でクロシジミの幼虫が出す蜜、甘露、虫の死骸などです。

夜行性で巣が暗い林内では日中でも活動が見られます。結婚飛行は5~6月頃。

ツヤミカドオオアリ

ツヤミカドオオアリはミカドオオアリと同じヤマアリ亜科オオアリ属ミカドオオアリ亜属に分類されるオオアリで、奄美大島にしか生息していないと言われるアリです。

名前の通りミカドオオアリと比べると艶があるのが特徴ですが、両者の区別ななかなか難しいよう。

ヤマアリ科オオアリ属のアリたちと見分け方

ミカドオオアリやツヤミカドオオアリと同じオオアリ属はミカドオオアリの他に7亜属存在しています。

オオアリ亜属にはカラフトクロオオアリ、クロオオアリ、ムネアカオオアリ、ケブカクロオオアリ等の比較的聞き馴染みのあるアリたちがいます。

 

クロオオアリなどは飼育もしやすく、観察もしやすいので一般的によく知られています。

大型なのでアリの様子もわかりやすく、アリ飼育初心者にもおすすめのアリです。

 

また、アメイロオオアリ亜属にはミカドオオアリと同じく腹部に模様を持ったアメイロオオアリが分類され、このアリとミカドオオアリの違いは名前の通りアメイロオオアリは胸部や脚があめ色をしているところです。

 

クサオオアリ亜属に分類されるヨツボシオオアリは黒山オオアリと同じくらいの大きさで腹柄付近に星が4つあることでミカドオオアリと区別がつきます。

同じクサオオアリ亜属のケブカツヤオオアリの女王アリはとても艶があり美しいアリです。名前に毛深とついていますが、見た目ではその毛深さは認識できません。

 

ウメマツオオアリ亜属に分類されるアリはミカドオオアリと比べると体長が小さ目であることと腹部の膨らみが小さいことで区別がつきます。どれもミカドオオアリと比べると貧弱な印象です。

 

ヒラズオオアリ亜属に分類されるヒラズオオアリの大型働きアリとメスアリの頭部前方はまるで切り落とされたかのように平らになっているのが特徴です。

体長は小型の働きアリが2.5~3㎜、大型の働きアリでも5㎜程度なので大きさもミカドオオアリとは違います。

同じ亜属のアカヒラズオオアリも同じく特徴的な頭をしていて、更に色も赤色が特徴です。

ミカドオオアリのまとめ

ミカドオオアリの働きアリの中には大型の個体が存在しています。

オオアリ属の他の個体と見分けるのはなかなか難しい。

(ライター ナオ)