日本でも度々何かと話題にのぼることもあるオオカミの話。

インドにはインドオオカミというオオカミが生息しています。

 

日本では既に絶滅したと言われるオオカミ、インドオオカミについて特徴や生態など、更にかつてインドで話題になったオオカミに育てられた少女の話など詳しくお話していきます。

インドオオカミの特徴と生態

インドオオカミはアラビア北部、イラク、インド北部に分布し、草原などの開けた場所に生息しています。ドールとの棲み分けが必要ない地域では森林にも生息していると言われています。

 

体長は肩の高さが60~72㎝、体重は20~30kg程。体側の毛は3㎝前後に達します。

大柄で四肢が長く、比較的障害物の少ない草原を駆け回るのに適しています。体つきはほっそりとしていて、イヌの祖先ではないかともいわれています。

 

インドオオカミの生息数は人間の進出によって大きく減っています。

かつて群れをつくって生活していたインドオオカミも現在では群れをつくることも少なくなり、単独で生活する個体も出てきているようです。

オオカミに育てられた少女の話

かつてまことしやかに広まっていたオオカミに育てられた少女の話はインドの話。

だとしたら、その少女たちを育てたのもインドオオカミなのだろうか、と思うやいなや実は今やあの話は嘘だったというのは当たりまえのことのよう。

マーラの話にかなりの衝撃を覚えた小学生時代、動物と人間はやっぱり心が通じるんだと思いながら自宅で飼っていたペットのウサギの世話をしていたことを思い出しました。

 

オオカミに育てられた少女の話は、四つん這いになって水を飲んだり、起こると歯を向いて人間にかかって来たり、暗闇で目は光り、怯えるような目で人間を見ていた‥‥・というようなお話だったように記憶しています。

 

その少女を牧師さんが引き取って人間に戻そうとしたというところまでが小学生だった私の記憶。

ところが実際に人間の子供が自ら母乳を飲みにオオカミの乳首を探すことは考えずらく、オオカミも自ら母乳を与えるという行為をしない為、オオカミが自らの乳で子供を育てたということはあり得ないこと。

 

更に、夜中に目がギラギラ光ったり、犬歯が異常に伸びたり、汗をかかなかったりといった現象は生物学的には人間に起こるはずがないこと。

オオカミがエサを求めて移動する範囲に人間がついていけるはずがないことなどから、実際にあの話は信憑性の無いウソの話だったということになっているのだそうです。

ではなぜ、そんなウソが大々的に流されて信じられていたのかというと、1941年にアメリカの心理学者のゲゼルがこの物語を紹介する本を書いたのがきっかけ。

 

かつて子供の発達研究のパイオニアであった心理学者のゲゼルが作ったお話を誰も確かめるすべを持たないまま世に流れ、少女たちを救おうとした牧師さんの撮った写真と記録だけが証拠としてあげられていたのです。

 

2人はグルになって世の中にウソを発信していたということになります。

 

実はオオカミに育てられた少女というのは重度の自閉症を患っていて、彼女がいた孤児院にはこの話が広まることによって沢山の寄付金が集められたのだそう。

関係者は皆で口裏を合わせてこの話を世に流し、お金集めをしていたのだとか・・・・・

インドオオカミのまとめ

インドオオカミはインド北部からアラビア北部に分布しているタイリクオオカミの1亜種。

生息数が減り、かつて群れで生活していたインドオオカミは単独で生活するものも多くなった。

インドのオオカミに育てられた少女のお話は信憑性の無いウソのの話で、寄付金を集めるため牧師さんと学者がグルになって広めたものだった。

(ライター ナオ)