お肌の角質層は新陳代謝が正常に行われていれば、4週間ほどで剥がれ落ち新しくなります。
そんな代謝が激しい角質層に寄生するダニがヒゼンダニです。
どんな症状が出るのでしょうか。
ヒゼンダニによる感染症とは
ヒゼンダニ(sarcoptes scabiei)は人間の角質内に寄生するダニです。ヒゼンダニは別名疥癬虫とも呼ばれます。
ヒゼンダニが寄生した事によって起こる感染症は疥癬という皮膚疾患です。
疥癬症には通常疥癬と角化型疥癬があります。
通常疥癬はヒゼンダニの寄生が数10匹程度です。
症状の特徴は、寄生されている人の免疫力は普通程度である事、顔や頭以外の全身に赤いブツブツが出る事、強い痒みを伴う事、感染力は弱い事などです。
角化型疥癬はヒゼンダニの寄生数が多い場合です。
症状の特徴は、寄生された人間の免疫力が低い事、皮膚にはモロモロした角質が出る事、痒みはそうでもない事、感染力が弱い事などです。
ヒゼンダニの寄生が起こりやすいと言われている皮膚の場所は、腹部や手のひら、手指の間、腋や陰部、臀部などです。
角化型疥癬の場合は剥がれ落ちた角質などから感染が起こりやすいので注意が必要です。
ヒゼンダニの感染経路や流行時期
ヒゼンダニによる疥癬は、人間同士の皮膚が直接接触する事によって感染します。
稀に衣類や寝具等などの感染もあるようですが、一般的には皮膚からの直接感染のようです。
日本においてヒゼンダニの疥癬という皮膚疾患が増えたのは1975年頃からのようです。
ヒゼンダニによる疥癬は夏頃に増える傾向にあるとも言われますが、皮膚の直接接触が多い場合はその限りではないようです。
ヒゼンダニの生態と特徴
ヒゼンダニは目視ではまず確認できません。成虫でも0,4mmほどです。
ヒゼンダニの特徴は疥癬トンネルというものを作る事です。
文字通り、人間の皮膚の一番外側である角質層にトンネルを掘り進むのです。
トンネルは5mm~10mm程度でうねうね曲がりくねっています。
皮膚表面を見ると白っぽい筋のようなものが認められます。
このトンネルができる頃になると皮膚に痒みなどの症状が出ます。
感染直後は特に無症状なのも特徴で、ヒゼンダニが寄生してから4、6週間後に症状が出始めるようです。
最初にヒゼンダニが角質に来てから数週間経つと、ヒゼンダニの数が増え、排泄物や糞などが疥癬の原因となります。
ヒゼンダニのメスは一日2,3個の卵を産みます。
そして角質を動き回る事ができるようにトンネルを掘り、幼虫は3日ほどで孵化し、トンネル内を通り角質内を動くようになります。
これが症状が出る数週間の間に行われるようです。
ヒゼンダニは卵、幼虫、成虫になるまで約2週間です。寿命は4、6週間ほどと言われています。
オスのヒゼンダニはトンネル内で交尾を行う為に動き回るので、どこに寄生したのか特定できにくいのも特徴です。
ヒゼンダニの寄生数が多い角化型疥癬は通常疥癬より潜伏期間が短いのも特徴です。
だいたい4,5日のようで、痒みが弱いかそうでもない事が多いので、より気付きにくく、その間人間の皮膚の接触があると感染してしまう恐れがあります。
ヒゼンダニの弱点
ヒゼンダニによる疥癬を予防するにはどうすればよいのでしょうか。
皮膚の直接接触を避けるのが有効ですが、集団生活する場所などは難しい事もあります。
ヒゼンダニは人間の角質から離れると2、3時間で死滅します。
また、乾燥に弱く高温に弱いです。
角化型疥癬が疑われる場合は50℃以上の熱湯に寝具やタオルなど、皮膚に直接触れるものを10分以上漬けます。
ヒゼンダニによる症状とは
感染を防ぐ為には、手を良く洗う、入浴時のタオルなどの共用を避ける、掃除をきちんとする、などのようです。
ヒゼンダニが寄生するのは人間の皮膚の一番外側の角質層です。
感染は皮膚の直接接触によって起こると言われ、皮膚疾患である疥癬を引き起こします。
具体的には皮膚の痒み、赤いブツブツが出ます。
通常の疥癬であれば症状が出るまでに4週間ほど要する事から、その間にまた人に感染してしまう可能性があります。
何かおかしいな、と思ったら皮膚科を受診する事、手を良く洗う事などが対策や予防になるようです。
(ライター:おもち)