タイワンオオムカデは日本に生息している大型のムカデです。

ムカデのイメージからすると見るからに恐ろしい感じがしますが、毒性はそれほど強くなく、見る人によっては非常にきれいな生物。

そんなタイワンオオムカデの特徴や見分け方、魅力について詳しくお話します。

タイワンオオムカデの生態と特徴

タイワンオオムカデは東南アジア、アフリカ、日本では沖縄諸島、南大東島、北大東島、八重山諸島などに分布していますがムカデの種類は似ているものも含め非常に多い為、詳細は不明なところもあります。

 

比較的温暖な地域に生息していて、湿った環境を好みます。

農道脇の捨てられた木の板の下や林内の朽木の内部、庭先の植木鉢の下、石の下等あらゆる環境に生息しています。

体長は200~250㎜で一年中出現する日本最大のオオムカデです。

 

黄色の体色に各体節の間に黒いバンドが入り、頭部は黒い個体や赤い個体などが存在しています。

脚部も赤い個体と黄色い個体が存在し、色彩変異が多く、中には赤脚赤頭という毒々しく美しい個体も存在しています。

タイワンオオムカデの採集

タイワンオオムカデは分布しているところで湿った環境を探せば比較的簡単に見つかり、採集も容易です。

多くのムカデの場合、雌雄を区別することは難しいと言われていますがタイワンオオムカデの場合は見た目で見分けることができます。

オスは前腿節の背面が凹んでいて、メスは逆に盛り上がり、メスは成長と共に体格が良くなりがっしりとします。

タイワンオオムカデの飼育

飼育昆虫としても人気がありますがかなり獰猛です。

飼育の方法は一般的なムカデと同じ方法ですが、体長が大きくなるので大き目の飼育ゲージを用意することが必要です。

注意しなければならないのは脱走と怪我。

 

ケースはアクリルやガラス製の水槽、または大き目のタッパーなどが使えます。

一般的な虫かごでは蓋に隙間があるので簡単に脱走されてしまいます。

通気口等が狭く、脱走できないように見えても、強い顎の力でプラケースを破壊して脱走することもあります。

 

ケースの中には水入れが必要です。水切れを起こすと死んでしまう場合もあるので常に水がある状態にしておきます。

ただし、あまり深い入れ物だと水の中でおぼれてしまうことがあるので浅いものを準備しましょう。

床材にはヤシガラや水苔、昆虫用のマットを使います。

 

掃除のしやすさを優先させるなら新聞紙やキッチンペーパーでも大乗です。

湿った場所を好むので霧吹きなどで湿らせた状態を保ちます。

 

飼育する地域にもよりますが、タイワンオオムカデは比較的暖かい場所を好みますので、寒い地域で飼育する場合はパネルヒーターなどが必要になります。

また、獰猛である為直接手で触るのは危険なのでピンセットなどを用意しましょう。

エサは生餌。コオロギやミルワームなどはペットショップで販売されています。

タイワンオオムカデの毒性

タイワンオオムカデに限らず、オオムカデの種類は見た目のインパクトの割に毒性は弱いと言われています。

噛まれて命にかかわるようなことはなく、痛みが続いて赤く腫れる程度。抗ヒスタミン軟膏でおさまります。

タイワンオオムカデの予防・駆除

タイワンオオムカデは家屋に侵入することもあり、その場合は害虫として駆除されますが、実は畑の作物を荒らすイモムシなどを捕食してくれるので益虫としての側面も強いムカデです。

 

予防としては家屋の周りに湿気を帯びた暗い場所を作らないこと。

またムカデ用のトラップや置き型タイプの殺虫剤も市販されていますのでそれらを利用すると良いでしょう。

ムカデ専用の殺虫スプレーは凍結タイプのものがおすすめです。

(ライター ナオ)