ウォンバットよりずんぐりしていなくて、カンガルーよりずっと小さくて体が丸い、オーストラリアにいる有袋類とは何の動物でしょうか?
巷で話題のクアッカワラビーについてです。
クアッカワラビーについて
クアッカワラビーはカンガルーの仲間のワラビーの小型種です。
いちばん小さい大陸である、オーストラリア大陸の南西19kmほど沖にある島のロットネス・アイランドというところに多く棲息しています。
ロットネス・アイランドはオーストラリアの歴史や固有種の動植物、もともと住んでいた人たちなどの歴史などに接する事ができるようですよ。
ロットネス・アイランド(rattnest island)という島の名前も、初めてクアッカワラビーを発見した探検家がクアッカワラビーをネズミだと思いこの島を「rat nest(ネズミのすみか)」と名付けた事から付いたと言われています。
クアッカワラビーの特徴
クアッカワラビーは成獣のオスで体長は45cm~54cm、メスは40cmほどです。尻尾は丸みがあり短いです。
耳も小さく、全体的に丸い感じの動物です。意外に発達しているのは四肢のツメです。
体の体毛はびっしり生えており、毛色は薄い茶褐色やグレーですが、手の部分は黒っぽい濃い茶色でツメも結構大きいです。
クアッカワラビーは木登りが大好きです。ツメを使い、樹に登って、新芽や葉などを好んで食べる植物食のようです。
夜行性で特に湿原のような場所のヒースを好んで食べるようです。オーストラリアは乾燥した気候です。
大陸の大部は砂漠が占め、水の少ない環境で棲息しています。
少ないというより、ほぼ水分は摂らないと言われています。
その為、湿原の草を熱心に食べるのかも知れません。
クアッカワラビーのトンネル作りや群れ
クアッカワラビーは草丈の低い草原を好み、群れをつくります。
この群れは100頭に及ぶ事もあるのだそうです。ずいぶん多いですね。
クアッカワラビーは草を踏み固めて通路をつくり、その中を移動します。
このトンネルのような通路はクアッカワラビーにとって大事なもののようですので、通路を作るためには頭数が多い方が良さそうです。
彼らの群れにはオスに優劣のようなものがあると言われています。
クアッカワラビーの繁殖期は秋です。妊娠期間は約30日、有袋類なので190日ほど、お腹の袋に入れて育てます。
オーストラリア大陸では気候や環境の違いなどからか、特に時期は決まっていないようです。
しかし、オーストラリア大陸に棲息するクアッカワラビーは個体数が少ないようです。
昔は本土にも結構いたようですが、人為的な要因もあり数が減ってしまいました。
クアッカワラビーは大人気!
クアッカワラビーはSNS上の写真から人気に火がついた動物です。
特にカメラ目線で笑ってくれ、正面を向き前脚をちょこんと重ねて立つ姿は愛くるしく、頬がふっくらしているのでより可愛いです。
しかも写真に気軽に応じてくれるので人気です。クアッカワラビーはカンガルーの仲間なので、移動する時は飛び跳ねるような恰好になります。
そのため、立っているように見える姿も見せるようです。クアッカワラビーはオーストラリア固有種で絶滅危惧種です。
保護活動はされていますが、個体数はあまり増えていないようです。
クアッカワラビーは英名quokka(クアッカ)です。
そのままクアッカ、あるいはクオッカと呼ばれるようです。
クアッカワラビーについて
クアッカワラビーの人気は何といっても邪気のない表情にあるようです。
生態についても、草原に作るらしい通路の事が気になりますね。
クアッカワラビーは草を好むようなのに、どうして草を食べ進まずに踏みつけて通路にするのだろうか、などと思ってしまいました。
また、クアッカワラビーは警戒心のなさからなのか、行方不明になったりします。
昨年はクアッカワラビー一頭が島からゴミ運搬船に紛れてオーストラリア本土へ渡り、のちにゴミ箱からもぞもぞ出てくる姿を目撃されて見つかりました、という出来事があったようです。
目撃した人も大きいネズミだな、と思ったとされていますので、オーストラリア大陸で生活している人でもクアッカワラビーの実物の姿を見た事はあまりない、という事もあるようです。
(ライター:おもち)