「ハダムシ」って知っていますか?
ハダムシは魚のブリに寄生する寄生虫です。
ハダムシって食べても大丈夫なのでしょうか?
ハダムシの生態と、ハダムシを食べても大丈夫なのかどうかについて詳しく調査していきたいと思います。
ハダムシとは?
「ハダムシ」とは、魚の肌に付く寄生虫です。
カプサラ科のBenednia seriolaeまたはNeobenedeniaのことです。
ハダムシは主にブリに寄生します。
他にはカンパチ、ヒラマサです。
ハダムシはブリの皮肌に寄生します。
魚の肌にくっ付くので「ハダムシ」と名前が付きました。
ハダムシの生態
ハダムシの大きさは、全長1センチほどです。
白色がかった透明の色をしているので、米粒みたいです。
Neobenedeniaの体形は扁平な小判状です。
体の前には口前吸盤があり、これを使って移動します。
しかも、口も眼点もあります。
また、魚の肌にくっ付くように後ろ側が固着盤になってます。
精巣は2個あり、卵巣は精巣の前に1個あります。
水温27~30度の場合、体長が2.1~2.9ミリの成虫は12個、体長が3.9~
5.2ミリの成虫で35個の卵を産みます。
卵が孵化し、0.2ミリの大きさに成長したら魚に寄生します。
体長2.1ミリになると性成熟します。
Benednia seriolaeはNeobenedeniaにとてもよく似ていますが、Benednia seriolaeには膣があります。
そして、口前吸盤を挟む部分が凸型になっています。
水温20度の場合、体長が7ミリの成虫は27個卵を産みます。
卵が孵化し、0.33ミリの大きさに成長したら魚に寄生します。
体長4.6ミリになると性成熟します。
ハダムシって食べても大丈夫?
ハダムシは食べても人間に害はありません!
ハダムシはブリの肌にくっ付いているので、身の中にはいません。
ハダムシは透明に近い体なので、なかなか確認しづらいですが・・・。
ハダムシの取り除き方
ハダムシはブリの肌にくっ付いているだけで、身の中に入り込んだりしません。
ですので、取り除くのが簡単です。
ハダムシを取り除くには、ブリを淡水浴させましょう。
淡水浴とは、淡水(真水)にブリを泳がせることです。
これを大体3~5分行えばOKです。
ハダムシが真っ白くなって剥がれ落ちますよ。
また、海水魚などにもハダムシはくっ付きます。
サンゴ水槽などで魚が取り出せない場合は、スカンクシュリンプを入れてみましょう。
60センチの水槽で4~5匹でOK。
スカンクシュリンプがハダムシを食べてくれますよ。
ハダムシによる被害
ハダムシはブリの成長を妨げたり、細菌感染を引き起こしたりするので、現在深刻な問題となっています。
ハダムシの除去は淡水浴させる方法しかないのです。
ブリを淡水浴させるのには、かなり労力がかかり、養殖業者さんの間で大きな負担となっています。
ハダムシが付きにくいブリの品種を作ることができれば、養殖業者さんの負担が減るんですけどね。
そこで!現在ハダムシが付きにくいブリを作ることを研究したり、ウイルスに強いブリなどを作る研究が進められています。
近い将来実現しそうですよ。
ハダムシって食べても大丈夫なのかについて まとめ
ハダムシの生態と、ハダムシを食べても大丈夫なのかどうかについて詳しく調べてきましたが、いかがでしたでしょうか?
ハダムシはブリやカンパチなどの魚に寄生する寄生虫です。
人間がハダムシを食べても害はありません。
またハダムシは、魚の肌にくっ付くので、取り除きやすいです。
淡水浴させるとハダムシを数分で取り除けますよ。
(ライター 雲呑)