少年たちの憧れの的でもあるカブトムシ。
昆虫という生き物の世界への入り口がカブトムシだった人も少なくないことでしょう。
あれから〇十年!?・・・・時を経て、大人になってから再びその魅力にハマる人も多いカブトムシの世界。時代が変わっても変わらないカブトムシの魅力と人気の種類についてまとめてみました。
ヘラクレスオオカブト
ヘラクレスオオカブトといえばカブトムシ界の王様!世界最大のカブトムシとして有名で、名前はギリシャ神話に登場する英雄ヘラクレスに由来すると言われています。
オスの全長は最大180㎜に達し、カブトムシ同士の対決では相手の腹の下に胸角を入れ、頭角と挟んで持ち上げて投げ飛ばしてしまうという相撲さながらの技で相手を圧倒します。
その強さと大きさが最大の魅力ですが更に、前翅が湿度によって色がかわる特性を持っていて、乾燥時の黄褐色は他部分の黒とのコントラストがどことなくオシャレなのもポイントです。
野生下では中央アメリカから南アメリカにかけての熱帯に分布し、湿度の高い雲霧林といわれる多雨林に生息しています。
入手は昆虫やカブトムシ専門の通販サイトなどで比較的簡単にでき、飼育も日本のカブトムシと同じ方法ですが、体が大きいだけに大食漢であることは覚悟しておいた方が良さそう。
コーカサスオオカブト
コーカサスオオカブトはヘラクレスオオカブトと並ぶ人気の世界最強と言われるカブトムシ。
気性の荒さは天下一品で、ヘラクレスオオカブトを有に超えてしまう攻撃力と破壊力を持ち合わせています。
スマトラ島、ジャワ島、マレー半島、インドシナ半島などのジャングルの奥地に生息し、オスの最大全長は130㎜でアジア最大。
頭部に1本、前胸背板に2本の合計3本の角があり、頭部の角の中程には尖った突起があります。体表面はキラキラとした光沢のある黒色をしていて、コーカサスの名前の由来になっている「白い雪」を意味するギリシャ語の通りの非常に美しい姿をしており、凶暴さと美しさの両方を持ち合わせているのが最大の魅力で人気のポイントです。
ホームセンターや通販サイトなどで手に入りますが、夏の飼育の温度管理は必須。適温は20~25℃に保ち後は日本のカブトムシ同様の飼育方法でOKです。
アトラスオオカブト
アトラスオオカブトはコーカサスオオカブトと見た目がよく似たカブトムシ。
フィリピン、インドネシアなどの東南アジアの低地に分布していてコーカサスカブトムシよりは小型で胸角が細く、頭角に突起はありません。
体長は大きいもので100㎜程になり気性も粗目ですが、小さな個体は60㎜程で角形も大型の物とは違った感じ。
見た目の印象はかなりキュートになり、名前の由来にもなっているギリシャ神話の「天を支える男」の印象とはだいぶかけ離れたものになります。
人気のポイントはやはりコーカサスと同じ3本の角と黒光りした体。
通常クワガタショップや通販サイトで販売されていますが、最近は夏休み時期にデパートやホームセンターなどのでも販売され、外国産のカブトムシの中では最も身近な存在といっても過言ではありません。
基本的な飼育方法は日本のカブトムシと同じですが、乾燥と高温に弱いので夏場の管理には気をつけなければなりません。適温は20~28℃です。
ネプチューンオオカブト
ネプチューンオオカブトはヘラクレスオオカブトに次いで2番目に大きい種。
ただし大きいのは角の部分で大型の個体では体長の2分の1ほどが頭角と胸角で占めることもあり、角だけでいえばヘラクレスオオカブトよりも大きいカブトムシです。
前胸部前方には2対の短い角があり、全体で4本の角を持っています。特に頭角は全ての甲虫類で最長で、その角の長さが人気の秘密です。最大全長は165㎜。
野生下ではアンデス山脈の熱帯雨林に断続的に分布しています。
通販サイトなどで手に入れることができますが、暑さに弱く飼育難易度は高めのカブトムシです。また幼虫期間も2~2.5年とかなり長いのも飼育が難しい一つの要因です。
温度は18~23℃に保つことが重要で夏場は冷房などを使って25℃を超えないように管理する必要があります。転倒防止用の止まり木も忘れずに。
ヒメカブト
ヒメカブトは東南アジアを中心にインドから台湾、オーストラリアまで広く分布しているカブトムシです。体長は最大でも80㎜程、体色は赤から黒まで変異があるのも特徴で日本のカブトムシとは近縁にあたります。
闘争心が強く、胸角と頭角で相手をがっちりと挟み込むことができ、オスは興奮すると腹部を伸縮させてキューキューという大きな音をたてます。
日本人に馴染みのあるフォルムをしているということと、それでいて小さいのに力強いのが人気の秘密のようです。タイでは古くからヒメカブトを戦わせる昆虫相撲行事なども行われているほどのヤンチャぶり。
現在ギデオンヒメカブト、ケブカヒメカブト、ウリセスヒメカブト等の日本への輸入は植物防疫法によって禁止されているため入手は困難ですが、フローレンシスヒメカブトは寄生対象外の種類になり、飼育も容易です。
フローレンシスヒメカブトの特徴としては胸角が大型になり胸角の基部に突起が現れること。スラリと長く伸びた頭角はヘラクレスにも負けない迫力です。
飼育は25℃の温度管理さえできれば他は国産のカブトムシと同じです。
ゴホンツノカブト
ゴホンツノカブトムシの魅力は名前の通りの5つの太くて長い角と前翅のクリーム色が美しいこと。
最大体長は9㎝程ですが足が長く、しがみ付く力が強いので大人しい性格のわりに大型のカブトムシにも負けない強さがあり、そんないっけん地味な能力と、何よりも流れるような湾曲を描く5本の角が人気の秘密です。
東南アジアの大陸部、アッサム地方からインドシナ半島にかけて分布し、竹林などに生息しています。竹の新芽の汁をはじめ樹液や果実の汁を吸う習性があるのでその周辺で見かけることもあります。
通販サイトなどで手に入れることができ、幼虫の飼育は比較的簡単ですが羽化するまでに1年以上の長い時間がかかります。
幼虫時も成虫時も最適温度は20~25℃で繁殖させるためには竹林の腐葉土のような繊維質の床材が必要です。
サビイロカブト
サビイロカブトはあまり聞きなれないカブトムシですが、全身をビロードでサビ色をした毛に覆われた何ともゴージャスなカブトムシで、ギーギーという鳴き声もあげます。
頭角は先でY字形に分かれており、胸角は箆のようになっています。人気のカブトムシとはちょっと違った変わった風貌が人気の秘密です。
野生下では東南アジアのマレー半島と島嶼部に生息し、最大全長は45㎜。
通販サイトなどで購入することができます。
飼育はしやすく、狭い容器で、短期間で羽化させることができますが寒さに弱いので温度管理は必要。20度以上の温度設定が必要です。
幼虫から飼育し、羽化した直後の美しさもまた格別。
ゾウカブト
ゾウカブトはアメリカ大陸、主に中南米に生息しています。
種類が多く毛のあるものからないもの、サイズも大型のものから小型のものまで様々です。
その中でもマルスゾウカブトは全長が最大のゾウカブトでエレファスゾウカブトは全重量が最大になります。更に見た目で言うとアクティオンゾウカブトが一番ぼでっとして存在感があります。
一般に流通している人気のゾウカブトはエレファスゾウカブトで体長はオスの大きいもので130㎜程になります。全身に毛が生えているゴージャス感が魅力です。
通販サイトなどで販売されていますが輸入数が少ない為か値段は年々高くなっています。
飼育はしやすく特に幼虫時期は手をかけずともぐんぐんと大きく育ってくれます。成虫になってからは冬季20℃以上に温度を保つようにすることと、30℃を超える場合はケース内を乾燥気味にして通気性を良くすることが重要です。
サビイロカブトと同じく羽化までは1年以上の歳月が必要になるので根気の良い飼育が必要です。
ティティウスシロカブト
ティティウスシロカブトは黄褐色の艶のある身体に茶褐色の斑点の入る渋カッコいいカブトムシで人気があります。
名前のティティウスはギリシャ神話のジュピターの子である巨人、ティティオスに由来していると言われ、シロカブトの中では比較的気性が荒く、相手個体の隙を突いて前から挟み付け回転して投げる技を得意とします。
角自体は短く大型にはなりませんが、小型でもバランスのとれた体つきも魅力のひとつです。
アメリカ合衆国東部のノースカロライナに生息し、最大全長は70㎜程。
通販サイトなどで手に入れることはできますが、全体的な流通量は少なく珍しいカブトムシのひとつ。
飼育は容易で幼虫飼育の時期は特に低温に強いので温度管理に気を使う心配もありません。
成虫になってからは冬場の温度管理を25℃前後でできれば後は日本のカブトムシの飼育方法と同じ。
羽化してからエサを食べない休眠期間が約6か月ほどあるのでその間エサを与えずに放っておくと、いざ成虫になった時にエサがなく餓死することがあるので注意が必要。
また、体から化学臭のような強い匂いを発するので臭い対策も必要になります。
カッコいい世界のカブトムシの種類まとめ
カッコいいカブトムシたちのまとめはいかがでしたでしょうか。少年時代のワクワクした感覚が再び蘇ってきましたか?
年月を経て再びカブトムシと向き合うのは、青春時代に良く聴いていたあの曲を大人になってから久しぶりに聴くのに似ているのかもしれません。
今年の夏はカブトムシのいる夏にしてみるのはいかがでしょう?
(ライター ナオ)