カブトムシはクワガタと並んで昆虫の中でも人気の高い種類となっています。
そのため夏場になると山などに探しに行って、野生のカブトムシを捕まえることで自宅でも飼育することが可能です。
カブトムシの中にも多くの種類が存在しており、それぞれ大きさや体の形状が異なっています。
そのうちの一種としてアトラスオオカブトというカブトムシがいます。
今回このアトラスオオカブトについて生態や寿命を説明していきます。
アトラスオオカブトの生態
アトラスオオカブトとはもともと日本に野生で存在しているカブトムシではありません。
しかし比較的近くにある海外からの輸入量が多く、日本においてもそれほど珍しい種類ではなくなっています。
生息地としては東南アジアがメインで、フィリピンやインドネシアには特に多く分布しています。
このアトラスオオカブトの一番の特徴と言えばやはり角です。
カブトムシ自体、その特徴は大きな角にあり、パワフルな見た目と性質が人気の理由にもなっています。
アトラスオオカブトではこの角が3本あり、さらにその1本1本がとても長いため強そうな印象を受けます。
体長は数センチから、大きいものであれば10センチ近くにもなります。
アトラスオオカブトの「アトラス」とはギリシャ神話が由来と言われ、その中で登場するアトラスから付けられています。
このアトラスは世界を支えているとされており、この名前には「耐える者」や「歯向かう者」という意味が込められています。
アトラスオオカブトもこの立派な容姿からこのアトラスを付けられたのかもしれません。
基本的に気性が荒いことも知られており、こうした性格面で難があるため飼育時には注意が必要なこともあります。
寿命はどれくらいなのか
カブトムシ全般に共通していますが、アトラスオオカブトについても決して長い期間生きられる生物とは言えません。
カブトムシと聞いて一般にイメージする硬く艶のある表面や大きな角を持つような姿となる成虫になってからは数か月しか生きることができません。
長くても半年といったところです。しかしカブトムシは卵から幼虫、そして蛹の期間を経て成虫へと段階的に成長をしていく生物です。
しかも一生のうち成虫となっている期間の割合は少ないです。
なぜなら幼虫から成虫までの期間が、成虫から死ぬまでの期間よりもはるかに長いためです。
個体差はあるものの基本的に幼虫から成虫になるまでには1年から2年ほどかかると言われています。
そのためアトラスオオカブトらしい姿になってから飼育しても数か月で死んでしまうため非常に短命の昆虫であるかのように思ってしまうのです。
アトラスオオカブトを飼育するときのポイント
まず注意することは温度調整です。
原産地は比較的暖かい地域ですが、日本の炎天下の中でも耐えられるほど暑さに強いわけではありません。
そのためケース内は25度前後で保っておくことが望ましいです。
土の湿度も高めに保持しておく必要があります。
これを厳密に計測し完全な一定値に保つことは難しいのでちょくちょく土に水を補給しておけば問題はないでしょう。
アトラスオオカブトは乾燥に弱いためこれは忘れずにしてあげましょう。
それと、複数体同じケースに入れてしまうとオスの場合は特に、確実と言ってもいいほど喧嘩をします。
飼育に慣れていない場合はまず1ケース1匹にして育てましょう。
またアトラスオオカブトはひっくり返ってしまうとなかなか自力で起き上がるのが難しいので木や落ち葉などを準備し、起き上がる際の補助になり得るものを入れておくことが推奨されます。
アトラスオオカブトの成虫になってからの寿命は半年以内!
特に問題なく飼育していても寿命は来てしまいます。
ショップで購入する場合、すでに成虫になってからある程度期間が経ってしまっていることもあるため半年間生きるのは難しいのかもしれません。