人間に寄生する寄生虫にはいくつかの種類がおり、それぞれに寄生する場所や人体に与える影響にも違いがあります。

現代では寄生虫による深刻な問題はそれほど頻繁に起こってはいません。

 

特に日本は衛生面に対して厳重にチェックしていることが多く発生件数も少なくなっています。

しかし寄生虫は決して無視のできる存在ではなく、いつ感染してもおかしくない環境で人は生きているということを忘れてはいけません。

メジャーな寄生虫の中には横山吸虫というものがいます。

横山吸虫の生態

簡単に説明すると小腸に寄生する寄生虫の一種で、人体にも寄生する生物として有名です。

体長は1ミリ程度で知らず知らずのうちに寄生されてしまいます。

 

主な生息地は日本を含む東アジアがメインとなっています。

生態系のトップに人間が立っているため結果的に寄生されてしまっていますが、人間にたどり着くまでには食物連鎖の下位に当たるいくつかの生物たちを媒介してきています。

 

まず孵化するためにカワニナに食べられる必要があります。

このカワニナが最初の宿主です。カワニナは巻貝の一種で淡水に住むごく一般的な巻貝です。

 

こうして無事に体内へと入るとようやく孵化をしていくつかの変態を経過することで、やがてカワニナの体表を破り水中に飛び出します。

次に宿主となるのは淡水魚です。

主にアユやシラス、フナ、コイなどが対象です。

 

鱗の下や筋肉の中に入り込み再び変態することでその環境に適した形態になります。

川魚に寄生すればあとはこれを人間が食べるのも時間の問題となります。

 

人間の他イヌやネコなどの哺乳類、さらに鳥類も最終宿主となる可能性があります。

そして排便と同時に卵を排出しカワニナに食べられるというサイクルを繰り返しています。

寄生された時の症状

一般的に寄生虫が小腸内に入ってきた場合倦怠感や消化不良、頭痛など様々な問題を起こします。

そして寄生虫は内臓器官に住み着いて宿主の細胞そのものや栄養分を横取りして生きていきます。

 

そのため多くの場合健康に害を及ぼします。

小腸に寄生するものとして横山吸虫以外に有名なのは回虫やサナダムシです。

 

小腸に限らず、日本国内で最も感染数の多い寄生虫となればアニサキスという寄生虫です。

第二位が横山吸虫で、第三位がサナダムシの一種になっています。

 

どれも魚類からの感染がメインルートです。

横山吸虫が感染した時の症状として下痢が起こります。

 

しかし自覚症状がない場合があり、感染していても気づかないことがよくあります。

一方で症状が深刻化してくるとカタル性腸炎などを起こします。

このように腸内で炎症を起こして強い腹痛や下痢の症状が見られるようになります。

感染の予防

横山吸虫に寄生される原因ははっきりしており、中間の宿主である淡水魚を食べることによって人体に入り込んでしまっています。

淡水魚を一切食べなければほぼ感染することはありませんが、そんな極端な対策までしなくても加熱をすることで対処ができます。

 

他の多くの細菌や寄生虫と同様、身にしっかりと火を通せば死滅します。

しかし生で魚を食べる文化のある日本では比較的感染しやすいと考えられます。

生の魚を食べると必ず寄生虫によって体調不良を起こすというわけではありませんが、心配であれば焼き魚として味わうと良いでしょう。

横山吸虫に寄生されると下痢を起こすが治療も可能

もし横山吸虫に寄生されていると分かってもそこまで心配する必要はありません。

適切な処置を施せば治療できます。

 

寄生虫の場合プラジカンテルを主成分とした薬を使うことで寄生虫を致死させられます。

その後下剤によって排せつを促し、腸内から追い出すといった方法が有効的です。

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