よく似ているように見える生物にも違いはあります。

酷似しているように見える、ネオンテトラとカージナルテトラの違いとは?

ネオンテトラについて

ネオンテトラはネオン、という名が相応しい鮮やかなブルーの線が特徴の小さな熱帯魚です。

体の後ろの方には赤い部分もあります。

 

テトラというと波消しブロックのテトラポットを思い出す方もいるかも知れませんが、ネオンテトラは四角のヒレを持つ事からネオンテトラが発見された時についた、古い学名に由来します。ネオンテトラはアマゾン川の上流など、淡水に棲息する魚の一種です。

 

コイ目カラシン科に属しています。

比較的飼いやすく、初心者向けとされる熱帯魚の一種です。

ネオンテトラは、孵化後30日~40日ほどで体色が成魚のようになるようですよ。

カージナルテトラについて

カージナル、というと色彩に関心を持つ方なら赤いのかな、と思うかもしれません。

カージナルテトラは体の下半分くらいが赤いのが特徴です。

 

ネオンテトラのように青い線もありますので、鮮やかな体色の魚です。

体の大きさは4cmほどと、ネオンテトラより若干大きめです。

 

カージナルテトラはブラジル北部を流れるネグロ川などに棲息しています。

ネグロ川は「リオ・ネグロ(黒い川)」と呼ばれます。

 

この川の水質の特徴は何といっても栄養が乏しい事です。

カージナルテトラはこのような環境の河川からはるばるやってきた小さい魚です。

好む環境や水温、餌について

よく似ているように見えるネオンテトラとカージナルテトラですが、ネオンテトラの方が飼育する場合、環境に慣れやすいかも知れません。

カージナルテトラも飼育は容易なようですが、個体数が少ないと物陰に隠れたりする事があるようです。

 

どちらも群れる習性があるようです。水草などをいれても大丈夫なようですよ。

底に敷く砂は、サンゴだと石灰が流れ出しPHが崩れやすい傾向にあるので、他のものにした方が良さそうです。

 

餌ですが、ネオンテトラもカージナルテトラも口は非常に小さいので、熱帯魚用やカラシン用の細かい餌をあげます。

食べ残しをそのままにしないようにします。

 

どちらも南米アマゾン川出身の魚です。弱酸性~中性の水温を保つと健康に良いようです。

ネオンテトラに適した水温は23℃~28度ほど、最適なのは25℃のようです。

 

カージナルテトラは24℃~28℃ほどが良いようです。

冬はヒーターが必要です。特に過酷なのは夏です。

日本の夏はネオンテトラにもカージナルテトラにも暑すぎますので、ファンで送風するなどして工夫してください。

カージナルテトラの好む水質について

カージナルテトラは栄養の乏しい川からやってきた魚です。

なぜ黒い川と呼ばれているかと言うと、ネグロ川には植物性のものが底にあり、それらからタンニンが溶けだしているので、水が濃い茶色や黒に見えるからです。

そのため、カージナルテトラの場合は様子を見て水質をブラック・ウォーター化するような木材を入れてみると良いかも知れません。

ネオンテトラは何色か

カラフルなネオンテトラを水槽で飼育していたら、体色の鮮やかさが変わった気がする、という場合もあるようです。

夜になると青い部分が薄いパープルのように見える事があります。

ネオンテトラは体に虹色素胞と呼ばれる微細な細胞を持っています。

 

構造色の一種ですが、この虹色素胞自体には色素はなく、光を反射したり、屈折率が変わる複雑な多層構造になっています。

ネオンテトラは青い線の部分にグアニンが結晶化した反射板を2列持っているので、光の当たり方などによって青く見えたり、だいぶ違うように見えたりと、色の変化の幅が大きいようです。

ネオンテトラの体調について

ネオンテトラの体の色の変化は、体調や神経も関係しているのではないかと言われます。

混泳も可能で穏やかな性質のようですが、ネオンテトラの体調にはよく気をつけると良いでしょう。

 

魚は鳴き声を出す事もないので、このようにして周囲にメッセージのようなものを発しているのかも知れません。

こうなると、色鮮やかなネオンテトラやカージナルテトラが本当は何色なのか分からなくなってしまいそうですね。

しかし見える色が本当だとすれば、ネオンテトラもカージナルテトラもブルーのラインに赤い体色のきれいな熱帯魚です。

ネオンテトラとカージナルテトラの違い

どちらも南米に棲息する熱帯魚です。

違いは、カージナルテトラの方が成魚の体長がやや大きい事、カージナルテトラは赤い部分が多く人気があるので価格が高い事、好む水質などのようです。

(ライター:おもち)