ほとんどのアザラシが慣例水域で暮らす中、何故か厚いハワイに生息しているハワイモンアザラシ。

ハワイでも人気のハワイモンクアザラシについて詳しくお話します。

ハワイモンクアザラシの特徴と生態

ハワイモンクアザラシは食肉目アザラシ科モンクアザラシ属に分類される鰭脚類で別名を太平洋モンクアザラシといいます。

アメリカ合衆国の固有種で、ハワイ島で見られることもあり、ウェーク島、ジョンストン島、パルミラ環礁での発見例もあります。

 

体長はオスが210㎝、メスが230㎝、体重はオスが150~200kg、メスが250~270kg。

出産直後の幼獣は全身の毛衣が黒く、オスの成獣は全身の毛衣が褐色。中には不規則に斑紋が入る個体もいます。

 

幼獣やメスの成獣は換毛直後は背面の毛衣が灰色、覆面の毛衣が淡灰色で時間経過に伴って背面が褐色、覆面が黄色みを帯びます。

食性は動物食で少なくとも沿岸域では魚類、甲殻類、軟体動物を食べます。

 

浅瀬の生物はもちろんですが、深い所に潜って大きな石をひっくり返してその下に潜んでいるものを食べることもあるようで、500mの深さに潜ることもあります。最高で20分間潜っていることができ、潜っている間は心拍数を少なくして体内の酸素を節約するのだそうです。

 

具体的には腕や脚などの血管を収縮させて血液を流さないようにし、心臓や肺や脳などの生命維持に重要な器官に酸素を送るようにしているのです。

ほとんどの時間を海で過ごしますが、時には浜辺に上がって休息したり、嵐の日には海辺の植物を使って雨風をしのいだりすることもあります。

 

繁殖形態は胎生で12~翌8月、特に4~5月にかけて茂みで1回に1頭の幼獣を隔年で産みます。

授乳期間は5~6週間で母アザラシはこどもの側を片時も離れず、自分はエサを全く食べずにひたすらお乳を与え、体重は10kも落ちることがあります。

メスは生後5年で初産を迎え、寿命は30年ほどです。

ハワイモンクアザラシの名前の由来

モンクアザラシの文句は修道士=monkからきています。彼らの皮膚のひだが修道士の着る修道服のフードに似ている事、そして大抵単独でいるか、蒸れても少数であることに由来しています。

 

ハワイ先住民たちの言葉ではリオ・ホロ・イカ・ウアウア=荒波の中を突き進む犬と呼ばれています。

ハワイモンクアザラシと人間との関係

乱獲や人間による攪乱によって生息数は激減しました。更にサメによる襲撃や漁業による混獲、さんご礁破壊によるシガテラ中毒も生息数増加の妨げになっていると推定されています。

 

1989年以降、毎年10%ずつ個体数は減少していると言われています。

温暖な地域に生息するアザラシ

ハワイモンクアザラシの他にもチチュウカイモンクアザラシやカリブカイモンクアザラシなどは温暖な海域に生息するアザラシです。しかし、どの種もわずかな個体数鹿確認されておらず、カリブカイモンクアザラシは事実上1970年代に絶滅したと考えられています。

 

チチュウカイモンクアザラシは推定300~600頭、ハワイモンクアザラシは推定1300~1400頭しか生存していません。

ハワイモンクアザラシに会える場所

昨年の夏、観光客で賑わうカイマナビーチで出産したハワイアンモンクアザラシはハワイ全体を興奮の渦に巻き込みました。

 

人間が近くにいるだけで子育てを放棄してしまうと言われるハワイモンクアザラシ。そのため絶滅を心配されている彼らがビーチに出現した場合は法律で150フィート以内に近寄ることを禁止し、ビーチのあちこちに禁止の看板がたてられています。

 

過去に不用意に近づいた人が母アザラシに襲われて大怪我をしたという報告もあるほど凶暴で危険ということもあるようです。

(ライター ナオ)