オオムカデといえば、日本で最も大きなムカデは北海道南部以南の全国に棲息しているトビズムカデが有名です。
稀に20㎝程にもなる毒を持ったムカデで、人家にも侵入することから忌み嫌われる存在ですが、世界にはもっともっと恐ろしいムカデが存在しています。
今回はそんなムカデの中のベトナムオオムカデについて詳しくお話します。
ベトナムオオムカデの特徴と生態
ベトナムオオムカデは最大体長30㎝程になる東南アジアに分布するムカデです。
体表は通常赤色、赤褐色色で黄色または黄色の脚があります。
脳と食道下神経節とその後方の21個腹部神経節が確認でき、脳は神経経の当社を受ける前大脳、触角神経の当社を受ける中大脳と中大脳の下方に隠れる後大脳から構成されています。
ベトナムオオムカデの食性
ベトナムオオムカデは昆虫の他、小型の哺乳類なども口にします。自分よりはるかに大きなマウスなどにも噛みつき、毒を注入して動けなくしてからゆっくりと捕食していきます。
ベトナムオオムカデの戦闘力
ベトナムオオムカデを捕食しようとして近づいてきたヘビを食い殺してしまうほどの凶暴さを持っていると言われるほどの戦闘力をもつムカデで、その最強の武器といえるのが強烈な毒をもっている事。
人間がこの毒を注入されると激痛が走り、正しく処理しないと死に至ることもあります。実際にこのムカデに首を噛まれた子供が死亡した例も報告されています。
ベトナムオオムカデの戦い方
ベトナムオオムカデの武器は毒ですから、これを相手に注入できるかどうかが勝敗を分けると言っても過言ではありません。
多くの昆虫との戦いの場合、相手のスキを見て相手の体に噛みつき、毒を注入することができるかどうかというのがポイントになります。
タランドゥスオオツヤクワガタとの戦いではあっけなくタランドゥスオオツヤクワガタの大顎によってダメージを加えられ戦闘不能になってしまいました。
やはりいくら毒をもったベトナムオオムカデといえども硬い体でなかなか噛みつけないとなると、勝負は大分不利になってしまうようです。
自然界での競合
ベトナムといえば、ベトナム南部に生息しているベトナムシクワガタ属に分類されるベロッティベトナムシカクワガタ。
体長は6㎝以上ある中型のクワガタムシですが自然界でムカデとクワガタが対決するような場面はほとんどありません。
ですからベトナムオオムカデの天敵といえるのはモグラ、鳥類、蛇などの爬虫類やカエルといったところでしょう。
しかし、先にも紹介しましたがこれらの天敵でさえ逆にベトナムオオムカデの捕食の対象になることもあります。
ベトナムオオムカデの飼育
ベトナムオオムカデは赤や青、緑といった色のバリエーションが豊富で綺麗な個体が多く、ムカデ飼育者の中でも人気のある種類です。
10,000円前後で手にいることができます。
飼育の環境には25℃位の温度が必要で、ムカデの体調の2倍ほどの高さのある容器が理想です。
床材には昆虫マットやヤシガラ土、ピートモスなどを使います。
エサの頻度は成体で週2回程でよく、横から見て腹部が少し膨らんでいる程度が良いようです。
餌はコオロギや冷凍マウスなどです。生きたマウスはムカデが攻撃される心配もあるので冷凍のものがおすすめです。
脱走しやすいので注意が必要なのと、あくまで毒を持っているので噛まれないように注意することが必要。
咬まれた時には早急に適切な処置をすることをおすすめします。
ちなみに、ベトナムには水中で狩りを行うムカデが存在しているようで、水陸両生のムカデなどは、更に恐ろしい存在であることは確かです。
(ライター ナオ)