高級なネタとして寿司界に君臨する「マグロ」。
しかしマグロにも100円寿司で食べられる安価なものから、1貫数千円と言うとんでもなく高いものまで、ピンからキリまであります。
その中でも、最も高級だとされているのが「本マグロ」や「クロマグロ」と呼ばれるもの。
この二つは、同じものなのでしょうか?
それとも違う種類のマグロ?
今回はそんな本マグロとクロマグロについて、詳しく見ていきましょう。
クロマグロと本マグロの違いって?
人やお店によってクロマグロと言ったり本マグロと言ったりするので、もしかすると違う種類のマグロなのかな?と思われがちですが…
じつはクロマグロも本マグロも、全く同じものです。
「クロマグロ」というのが正式名称であり、「本マグロ」というのは生鮮魚介類として流通する場合の通称、ということになります。
特に関東で呼ばれることが多いようですね。
それでは、一体なぜそんな通称が付いたのか。
クロマグロはマグロの中で最も大きく、かつ味も抜群に良いため、マグロの中のマグロということで「本マグロ」と呼ばれるようになったのです。
確かに、クロマグロはマグロの中でも不動のナンバーワンを誇っているので、他のマグロと分けて呼ぶのも納得。
ちなみに、大きさや地方によっても呼び名は様々です。
クロマグロの生態
本マグロも単に呼び方が違うだけの同じ魚だと分かったところで、ここからはその生態について詳しく見ていきましょう。
クロマグロは日本沿岸や太平洋の熱帯から温帯にかけての海域に分布している魚です。
マグロの中で最も大型の種であり、その大きさは全長3m以上、体重は400kg超え。
現在記録が残っている中で最大の個体はタイセイヨウクロマグロで、なんと全長458㎝、体重680kgもあったそうです。
小型のクジラレベルですね…恐ろしい大きさです。
そして驚くべきは大きさだけではなく、遊泳速度の速さも挙げられます。
大型の個体になると、その速度はなんと時速70~90km!
しかも同じくらいの大きさの個体で群れを作って回遊するので、そんな群れに遭遇したらかなりの大迫力でしょうね…。
また、クロマグロを含め、マグロは泳ぎながらエラに水を通すことで呼吸をしているので、一生涯泳ぎを止めることはありません。
眠る時などはやや速度を落としますが、それでも片時も休むことなく泳ぎ続けるのです。
クロマグロが食べられなくなる!?
高級寿司ネタとして日本人なら誰もが憧れる食材であり、欠かすことのできないクロマグロ。
しかし、彼らは今、絶滅の危機に瀕しているのです。
じつは、世界中で水揚げされたクロマグロは、その80%もが日本で消費されているということを知っていましたか?
近年は諸外国で日本食ブームが起きていることもあり、その数は急激に減少しています。
求められるがままに乱獲をしたり、若いマグロまで獲ってしまうことが原因だと考えられていますが…これは由々しき事態ですね。
このままでは、そのうちクロマグロを食べることができなくなる日が来るかもしれません。
そんなクロマグロの未来に希望の光をさしたのは、近畿大学による「完全養殖」です。
まだまだ天然資源の絶滅の危機を救えるほど普及しているわけではありませんが、これが一般的になればもっと安価で手軽にクロマグロを食べられる日もくるかもしれません。
今後の発展に期待したいですね。
クロマグロと本マグロの違いについてのまとめ
クロマグロも本マグロも、どちらも同じ魚だということがわかりましたね。
このまま数が減ってしまえば、価格はさらに上がって庶民には絶対に手の届かない高級食材になってしまうかもしれません。
今でも十分高いのに…。
そうならないためにも、完全養殖がさらに普及することを願います。
(ライター もんぷち)