プリプリの身が甘くておいしいタラバガニ。

言わずと知れた高級食材です。

 

しかしそんなタラバガニにそっくりな、「アブラガニ」というカニがいることをご存知ですか?

両者は写真を並べて見比べて見ても違いが判らないほどよく似ているのですが、違う種類のカニなので当然違うところもあります。

今回はそんなタラバガニとアブラガニの違いについて、詳しく見ていきましょう!

タラバガニとアブラガニの見分け方

「これは美味しそうなタラバガニだ!」と思っていたら、じつはアブラガニだった…なんて経験をしたことがある人もいるかもしれません。

それほど両者はよく似ています。

中には、アブラガニをタラバガニと偽って販売されていることもあるようで…。

現在ではそういった規制が厳しくはなっていますが、完全にゼロというわけでもありません。

そこで、まずは見た目の違いについて重点的に見ていきましょう。

脚の色の違い

どちらも全体的に茶色っぽい色をしていますが、アブラガニは足が少し青みがかっているのが特徴です。

そのため、英名ではタラバガニを「レッドキングクラブ」、アブラガニを「ブルーキングクラブ」と呼ぶそうですよ。

また、タラバガニは脚の裏面第二関節ほどまで色がついているのに対し、アブラガニはまだら模様になっているというのも特徴です。

甲羅の棘の違い

どちらも甲羅は全体的に凸凹とした棘がありますが、その数で見分けることができます。

甲羅の中心部分にある棘が4個ならばアブラガニ、6個ならばタラバガニです。

 

しかしこれを知っておけば一目瞭然!というわけではありません。

なぜなら、流通しているものの中には、棘が破損していたり始めからわかりづらい個体も多くいるので…。

ふんどし部分の違い

カニを裏返すと、ふんどしと呼ばれる部分があります。

この部分がトゲトゲしているのがタラバガニ、トゲがないのがアブラガニです。

食材としての違い

アブラガニはタラバガニの偽物と言われることも多いですが、その味や値段には差があるのでしょうか?

もしそれほどの差がないのならば、アブラガニにとってはかなりひどい話ですよね…。

ここからは、味や価格の違いを中心に見ていきましょう。

価格の違い

わざわざ偽装して使うお店や業者がいるくらいなので、やはり価格には差があります。

大体、アブラガニはタラバガニの2/3ほどの価格で扱われることが多いようです。

 

しかしタラバガニ自体が元々高級食材なので、その2/3とは言えアブラガニもそれなりのお値段がしますね。

価格に差があるのは、漁期の長さに違いがあるためです。

味の違い

価格に差があるので、味にも差があるのでは…と思われがちですが、基本的にどちらも味に大きな差はありません。

よっぽど食べ慣れた人でなければ、その違いに気付くことすらないのではないでしょうか。

 

しかし!それは「どちらも新鮮である」という条件の元での話。

じつは、アブラガニはタラバガニに比べて鮮度が落ちるスピードが速く、あっという間に甘みが失われていってしまうのです…。

 

獲れたてを市場で!とか、生きたまま直送!なんてものでない限りは、時間が経つほどにその味には差が出てきてしまうというわけです。

よく「アブラガニは水っぽくて味が薄い」なんて言われることもあるようですが、それは鮮度の問題だということですね。

タラバガニとアブラガニの違いについてのまとめ

よく似ている両者ですが、いくつかのポイントを押さえておけば、見分けることはそう難しくありません。

また、「偽物」と言われがちなアブラガニですが、決してアブラガニの方が劣っているというわけではありませんし、目的や時期、好みに合わせて選ぶのが良いでしょう。

(ライター もんぷち)