タイコブラというヘビを知っていますか?

私たちにはあまり馴染みのないコブラ科もしれませんが、今回はタイコブラについて詳しくお話します。

タイコブラの特徴

タイコブラはコブラ科に分類されるヘビでインドシナ全域、中国南部からミャンマー北部、ベンガル、ヒマラヤ東部からネパールまでに分布している毒ヘビです。

 

全長は150~200㎝程で、背面はオリーブ色や褐色、黒色で黄色またはオレンジ色の斑紋があり、腹面の両脇には黒い斑紋があります。

フードを広げると模様がはっきりと確認できますが斑紋には変異も多く、眼鏡状の模様が乱れたような模様も存在します。

タイコブラの生態

タイコブラは薄明性かつ夜行性で、卵生。一度に25~45個の卵を産むとされています。

食性は小型の哺乳類や爬虫類、鳥類やカエル、動物の卵などを食べます。

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タイコブラの毒性

タイコブラは強い毒を持つ毒ヘビで、敵が近づくと頭部の下の部分の可動性のある助骨を伸ばすことによって横に膨らませ、フードと呼ばれる部位を形成して威嚇しますが他のコブラ科のヘビのように毒を飛ばすという攻撃はしません。

 

コブラの科の毒というと神経毒のイメージが強いですが、実際には神経毒と出血毒の両方が含まれていて、その強さは致死量で比べると毒蛇の中で20番目くらい。

ちなみにマムシは78位で、単純に致死量で計算するとタイコブラはマムシの70倍程の危険があるということになります。

 

具体的に殺せるネズミの数は154583匹で、殺せる人間の数は51.5人と推定されていて、タイでは最も死亡率が高いヘビとされています。

実際とても高い生命力を持っていて、タイコブラを料理しようとしてヘビの頭を落としてから20分後にその歯に触れた男性は死亡しています。

頭を捨てたゴミ箱に素手を突っ込んでしまったことが原因だったとか・・・・・

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食材としてのタイコブラ

中国の南部ではタイコブラは普通に料理として使われています。

調理方法としては唐揚げやスープです。猛毒を持っているヘビですが肉自体に毒があるわけではないので安心です。

 

日本のテレビでもアンガールズの田中がタイコブラを捕獲し白焼きにして食べる様子が放映されています。

鶏の手羽先みたいな感じの食感でかなりの美味だとの感想。

ただし、一見肉がたっぷりありそうなイメージのフードは実は骨ばかりで食べることはできなかったようです。

毒ヘビの血清について

毎年世界では9万4000人ものひとが毒ヘビによる被害で命を落としていて、特に多いのが南アジアとサハラ以南のアフリカ。

その理由の一つは抗ヘビ毒の血清の入手困難という事情があるようです。

 

ヘビ毒は複数のタンパク質で構成されていて、ヘビの種類によって成分や構成が異なります。

そのため、どの種類の毒蛇に噛まれたのかの特定が必要で、そのヘビ専用の抗毒血清で治療するのが最善とされてきました。

しかし、そのためには多くの毒ヘビに効く血清を備蓄しておく必要があり、コストが異常にかかるということになります。

 

近年タイの学者たちがアジアとアフリカの18種類のヘビの毒に効く抗毒血清を作る方法を発見したと発表しました。

従来の血清よりも安価で提供でき、幅広いヘビ毒に対して効果があるのでコストを気にせずに貧しい地域にも供給が可能であるとされています。

日本でも見られるタイコブラ

タイコブラは実は日本でも見ることができるようです。

しかも、縁起の良いアルビノの白いタイコブラが静岡県にあるiZOOという体験型の動物園にいます。

 

この施設は爬虫類に特化した動物園で、マニアにはかなり人気のある動物園だとか。

興味のある方はぜひ出かけてみて下さい。

ちなみに噂では沖縄本島にも野生化したタイコブラがいるらしい・・・・

(ライター ナオ)

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