ヤモリは生息域が人間とも近く昔から馴染みのある生物として親しまれています。
ペットとして飼育されることもあるので生態なども多くのことが分かっています。
しかし飼育したことがなければヤモリの生活がどのようなものであるか知っている人は少ないと思います。
そこでヤモリの生態や特に食べ物に関して説明していきます。
ヤモリの生態
生息分布としては西日本が中心で、日本の多くの地域で生きているのでそれほど珍しい生き物ではありません。
ヤモリの語源にもなっていますが、民家やその近くで潜んでいることがほとんどです。
民家であれば身を隠す場所から食べ物まで、色んな環境が整っており寒い日にも暖を取ることが可能です。
また夜行性であるヤモリにとって、日中に影となり安全に休むことのできる民家内は最適な場所であると言えるでしょう。
ガラス面であってもヤモリは自由に移動することができます。それは趾下薄板と呼ばれる器官がヤモリの指に備わっているからです。
ガラスに張り付いている様子から吸盤のようなものをイメージしてしまいそうですが、実際には非常に細かい多数の毛によって体を支えているのです。
また体長は10㎝前後とそれほど小さな生き物ではないものの平たい形をしており小さな隙間でも潜り込んでいくことができます。
この特性を活かして冬になると狭い空間に入り冬眠を始めます。
ヤモリの食べ物
食べるのは植物ではなく主に昆虫類です。自分よりもサイズの小さな虫であれば色んなものを食します。
ペットとして飼う場合には当然餌を与えなければならないのでヤモリの食事に気を使う必要が出てきます。
注意が必要なことがいくつかあります。一つ目に、食べ物の大きさです。
同じ虫でも大きすぎると食べてくれないことがあります。ヤモリの口に入るサイズかそれより小さなもののほうが食べる傾向にあります。
もう一つの注意点は生きたものを好むということです。
すでに死んだ虫だと与えても食べないことがあります。
そのため生きた餌を探して捕まえなければなりませんが、ペットショップなどで買うことも可能です。
具体的な食べ物を挙げると、バッタやチョウ、コオロギ、ミルワーム、クモなどがあります。
自分で餌を捕まえる場合にはその虫が毒を持っていないかどうか注意しましょう。
一方天敵となる対象は鳥類や爬虫類なので一緒に飼うことはできません。
その他の特徴
ヤモリにはまだ特殊な能力があります。有名なものには尾を自切することができるということがあります。
敵に襲われた時などに自切をしますが、切った尾は本体を離れてもしばらくピクピクと動き敵を惑わす役割もあると言われています。
自切はヤモリが驚いただけでも起こるので、捕まえようとして軽く触っただけでもちぎれてしまうことがあります。
尾は再生することができるので心配はありませんが、完全に同じものが再び生えてくるわけではなく、少し見た目に違いが出てきます。
他のヤモリの特徴として人に対する攻撃性はないということも挙げられます。
むしろ人間にとって害となる虫などを捕食してくれるので有益な生物として扱われることが多いです。
イモリとの違い
よく間違われる生き物にイモリがいます。
見た目に加えて名前まで似ているため混同してしまうことがありますが、全く異なる生物です。
ヤモリは民家などに生息する爬虫類であるのに対してイモリは水辺で生きる両生類です。
どちらかと言えばカエルなどと近い生物ということになります。
水田にいる害虫を食べてくれるなど共通点はありますがイモリの場合毒を持っているという違いもあります。
ヤモリは小さな生きた虫が主な食べ物
色んな性質を持っているということを紹介しました。
食べ物に関してまとめると、口に入る程度の、そして死んでいない状態の虫を食べているということでした。
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