世界には実にたくさんのヘビが棲息しており、毒を持つものも少なくはありません。
東南アジアなどに棲息するアマガサヘビも毒蛇の一種です。
アマガサヘビの棲息地
アマガサヘビはコブラ科アマガサヘビ属のヘビの総称です。
棲息地は台湾、中国南部、ラオスやタイなどの東南アジアです。
体長は1,4m~2mほど、白っぽい体に黒い縞が入った中型のどっしりしたヘビです。
毒蛇にしては丸い円筒形の体をしているので、一見毒々しい感じがしないようです。
コブラなどは頭が三角っぽいですね。
卵生で、草原のようなところにも棲息しますが、比較的標高の高い土地でも棲息できるようです。
岩の間などを棲み処とする地上を這うヘビです。
アマガサヘビがエサとするのは主に魚類などです。
そのため水辺によくいます。
他の小動物や爬虫類、両棲類、動物の卵など何でも食べます。
夜行性で気性が激しいヘビではないようですが、タイなどのアジア圏では民家の比較的近くにも現れる事があります。
間違えてアマガサヘビを踏んでしまったり、巣穴周辺に近づくと咬まれる場合があるようです。アマガサヘビの繁殖期は夏です。
一度の産卵個数は30個ほどで、孵化まで約ひと月ほどです。
幼体は25cmほどである場合が多いようです。
活発に活動するのは気温が高い3月~11月頃までのようで、寒くなると冬眠します。
アマガサヘビの毒の強さについて
毒蛇の毒の強さというと比べ方により様々ですが、最少致死量あるいは致死量がひとつの目安になります。
アマガサヘビの場合は2~3mgが致死量と言われています。
成人男性12人ほどの致死量です。
インドに棲息すると言われている、インドアマガサと呼ばれる蛇は気性が荒いといわれ、特に恐れられる存在です。
アマガサヘビの毒の成分
生物の持つ毒というと、神経毒、出血毒(血液毒)、細胞毒などがあります。
アマガサヘビの毒の成分は主にα‐ブンガロトキシンだと言われています。
これは神経毒の一種ですが、アマガサヘビの持つ毒には出血性の毒も含まれているようです。
トキシン、がつくものは一般に生物が出す毒の事を言います。
ヘビの毒は消化液が変化したものと言われています。
アマガサヘビの毒の特徴
アマガサヘビの持つ毒の特徴は、毒のまわりが速い事、咬まれた時の痛みが少ない事などから手遅れになりやすい点です。
神経毒の作用は数時間後に出る事が多く、アマガサヘビに咬まれて毒が体内に入ってから1時間後~6時間後に症状が出はじめると言われています。
その毒は神経系に作用し、痙攣、麻痺、しびれ、呼吸困難を起こします。
アマガサヘビの毒の血清
アマガサヘビは東南アジアなどでは割合普通に現れる事がある毒ヘビです。
アジアやアフリカでは毒ヘビに咬まれて死亡する事例もあります。
ヘビの毒というのは、種類によってたんぱく質の化合が異なり複雑な仕組みを持つ事が多く、血清も効く場合と効かない場合があります。
数年前からアマガサヘビの持つ毒を利用して、より多くのヘビ毒に効果を持つような血清が開発されているようです。
ヘビに咬まれて死に至るというのは非日常的に聞こえるかも知れませんが、アジアやアフリカではそうでもなく、特にアマガサヘビは人間の生活圏の近くにも棲息しているので、事故のような事が起こりやすいようです。
加えて血清は高額である事が多く、あるべきところに必ず用意されているという訳でもないので余計恐ろしいのです。
特定動物のアマガサヘビ
アマガサヘビは特定動物に指定されており、国内で飼育するには許可が必要です。
日本には棲息しないヘビですが、変わった生物を飼育したい、という人もいるようです。
アマガサヘビの毒はどう考えても強く、毒牙も小さく気付きにくいようなので、特に注意が必要です。
旅行などの場合、何かを踏まないように気を付けるべきだと言えるでしょう。
(ライター:おもち)