優雅に泳ぐ金魚と鯉。
水層にいるのが金魚で、池にいるのが鯉!?
そんな風に区別している人も少なくないのではないでしょうか。
でも、金魚と鯉には明らかに違う点があるのです。
今回はそんな金魚と鯉の違いについて詳しくお話します。
金魚の特徴
金魚はコイ科フナ属に属する淡水魚。フナの突然変異を人為的に交配させた観賞用の魚です。
中国が原産で直接の先祖はギベリオブナという日本産のギンブナ。
淡水生で主に藻や水草を食べて暮らしています。
卵生で水中の植物に産卵し、通常30㎝程度まで成長します。
寿命は通常10~15年、ギネス記録は43年で、生存可能な水温は0~41℃。
日本では鎌倉時代から金魚の存在は知られていましたが、伝来したのは室町時代になってからです。
その頃はまだ養殖技術や飼育方法が伝わっておらず定着には至りませんでしたが、江戸時代に大々的に養殖が始まりましたが、現在のように庶民の愛玩物となったのは江戸時代中期になってからです。
金魚売りや金魚すくいなどの販売形態も成立しました。
現在愛知県弥富市、奈良県大和郡山市、江戸川下流が金魚の三大養殖地として知られていて、他にも山形県、熊本県玉名郡長洲町なども有名。
各地に美しい金魚の魚体の保存や観賞を目的とした愛好会・保存会が多数存在しています。
鯉の特徴
鯉はコイ科コイ属に分類される淡水魚で川、池、沼、湖などに生息する野生種の野鯉と、観賞用に交配された緋鯉や錦鯉などの色鯉に分類されます。
もともとは中央アジアの原産とされますが、環境適応性が高く、重要な食用魚として養殖、放流が盛んに行われたために現在は世界中に分布しています。
日本でもノゴイが琵琶湖や四万十川などの大きな河川に見られます。
成魚は60㎝程度が一般的ですが、大きな個体では1mを超える個体もいます。
鯉は外見上はフナに似ていますが、頭や目が体に対して小さく、口元に2対の口ひげがあります。
体長は60㎝程度ですが稀に1mを超すものもいます。
飼育されたり養殖されてきた鶏頭の個体は体高が高く、動きも遅いですが野生の個体は体高さが低く細身な体つきで動きも割合速いものもいます。
食性は悪食で巣水草、貝類、ミミズ、ゴカイ、昆虫類、甲殻類、他の魚の卵や小魚、カエル、トウモロコシ、芋生、麩、パン、カステラなど口に入るものなら大抵何でも食べます。
口に歯はありませんが喉に咽頭歯という歯があり、これで硬い貝殻なども砕き割って飲み込みます。
さらに口は開くと下を向いて湖底の餌をついばんで食べやすくなっています。
産卵期は春から初夏にかけてで、浅瀬に集まりバシャバシャと水音を立てながら水草に産卵・放精を行います。
一度の産卵数は50~60万ほどで卵は付着性で水草などに付着し数日のうちに孵化します。
稚魚はしばらく浅場で過ごしますが、成長につれ深場に移動します。
生命力は極めて強く、魚にしては長寿で20~70年程行きます。
鱗の年輪から推定された最長命記録は226年だとか。
金魚と鯉の違い
金魚と鯉の大きな違いはヒゲがあるかどうか。
金魚にはヒゲはありませんが、鯉には小さくてもしっかりとヒゲが生えています。
また、よく見ると鯉のウロコは金魚より細かくなっているのも特徴。ただし、これは金魚や鯉の大きさによっても違ってくるので見分け方としては難しいかもしれません。
ちなみに、金魚すくいなどでは金魚に混じって鯉の稚魚が混ざっていることも多いらしく、金魚と思って育ててみたら実は鯉だったなんてこともあるのだそう。
金魚と鯉は混泳することができるので心配はありませんが、鯉の方が明らかに大きくなるので、成長と共に飼い方には工夫が必要になってきます。
金魚を大きくしても決して鯉にはなりませんのであしからず。
(ライター ナオ)