ポリプテルス・ レトロピンニスという、とっても長くて面白い名前の生き物がいます。
この名前、たぶんほとんどの人が知らないんじゃないでしょうか?
どんな生き物なんでしょうかね?

ポリプテルス・ レトロピンニスってなに?

ポリプテルス・ レトロピンニスはアフリカに生息している古代魚(古生代・中生代の化石で現在まで絶滅せずに生きてきた魚類)です。

背鰭の数が7本〜9本あり、ほっそりとした体型でポリプテルスでコンゴ川・オゴゥエ川・アリマ川・トゥンバ湖などの、湖や河川の水流が緩い地帯で生息しています。

 

また、ポリプテルス・レトロピンニスは、今まで何度も名前が変わってきた生物です。
最初は「ザイールグリーン」でしたが、次に「モケーレムベムベ」となり、そして2006年に、チャド(アフリカ中央部の国)で中新世紀の化石が発見されてからこの「ポリプテルス」と命名されています。

 

画像を見ると、なかなかかっこいい・かわいい感じの魚ですよね。
さすが古代魚という感じでしょうか。

 

古代魚だけあって、このポリプテルス・レトロピンニスはかなり古い歴史があります。

 

なんと、ポリプテルス・レトロピンニスは我々人類よりもはるかに古くから存在していて、原型になったとされている魚の化石は、あの「白亜紀」中期〜後期の地層から発見されたというから大変です。

 

肺魚・シーラカンスに近い種類とされる説もあって、ポリプテルスの原型種は少なくても白亜紀より古い「デボン紀」には存在していたと考えられています。

他の魚たちが変体や絶滅していく中、このポリプテルス・ レトロピンニスは現在までその姿をほとんど変えないで生き続けてきました。まさに「生きた化石」ですね。

 

ポリプテルス・ レトロピンニスの最大の特徴は、名前の意味にもなっている「多くのヒレ」で、小離鱗(しょうりき)というひし形をした背びれでしょう。

尾びれにまでこの小離鱗があり、尾びれはありません。

 

特徴的な「ガイノン鱗」という、象牙質・エナメル質に覆われているひし形の鱗で全身を固く覆っています。

このポリプテルス・ レトロピンニスが成長すると、種類により違いがありますがだいたい30センチ〜1メートルくらいの大きさになります。

ポリプテルス・レトロピンニスの飼育方法

見た目もいい感じで「古代魚」というレア感もあるため、この魚を飼っている・飼ってみたいという方もいるでしょう。

ポリプテルス・レトロピンニスは飼育用として一般的に流通しているものは、東南アジアにおいて養殖されて日本で販売しているものが多いです。

 

ペットショップで5000円から1万円くらいで販売していますが、当然野性の個体の「ワイルドタイプ」だと現地から輸送するので割高となります。

飼育方法としては、まず肉食魚なのでエサは水生昆虫・小魚・甲殻類を食べたり、大型では小さいカエルなども食べます。

 

口に入るくらいの魚ならよく飲み込もうとするので、いっしょにする魚は大きめのほうが良いでしょう。

新しくポリプテルスを入れる場合、新入りの個体が攻撃の対象になりやすいので注意です。なんだかガラの悪い学校みたいですね。時間をかけながら一緒にするとよいでしょう。

 

底性で通常は水底にいることが多いのですが、泳がないというわけでもなくて、餌を食べるときや夕方〜夜間に発達した筋肉で小さい胸鰭を動かし、浮遊するような泳ぎをします。

 

体の色は、黒褐色・茶褐色・薄茶などとてもバリエーション豊かです。
また、丁寧に飼い込むと全身に深い緑変ができて、これが非常に綺麗になります。

 

大昔から生きてきたポリプテルス・ レトロピンニスにも当然ながら寿命はあります。
ポリプテルス・ レトロピンニスの寿命は10年前後で、大切に育てれば15年くらい生きる個体もいて、水質の変化にも強くて丈夫です。

 

ただし激しい温度変化に弱くて、夏の高温には注意です。このため、水槽用ファン・部屋のエアコンなどで細かい温度の管理をする必要があるでしょう。

古代魚を飼えるなんてすごいですね

古代魚、ポリプテルス・ レトロピンニスについてでした。
大昔の人間が生まれる前から生きている魚がいるなんてすごいですよね。

見た目もかっこいいので、飼ってみると「これ古代魚なんだぜ〜」とか言って友達に自慢できるかも。ただ、舌を噛みそうな上に覚えににくい名前なので注意しましょう。