コウモリはもちろん日本にも生息している生物です。コウモリというとどんなイメージを連想するでしょうか?洞窟に住んでいて「暗い」というイメージで、あんまりよいイメージはない感じですよねえ。ただ、中には「バットマン」を連想する人もいるかもしれません。
そんなコウモリですが、日本に生息しているもののなかで一番デカイ、最大種はどんなものなんでしょうか。
コウモリの概要
コウモリは、天鼠(てんそ)や飛鼠(ひそ)とも呼ばれることがある脊椎動物です。
コウモリにはなんと約980種類もの種類があるとされていてこれは哺乳類全体の1/4という種類であり、ネズミの次に多いグループなんだそうです。
世界中に生息している空を飛ぶ動物で、超音波を使ってエコーロケーション、「反響定位(音の反響それによって周囲の状況を調べる)」することが有名です。
コウモリといえば海外では「吸血鬼」というイメージがありますが、他の生物の血を吸うコウモリはわずかで、たいてい植物や虫などを食べます。
吸血性コウモリは中央アメリカ〜南アメリカにのみ分布していて、吸血鬼のイメージもヨーロッパ人が新大陸に進出した後の比較的に新しい事象なだけです。また、東洋にはコウモリを嫌うといった伝統はありません。
日本にいるコウモリについて
日本のコウモリは、移入種を除いた約100種の哺乳類で約1/3という約35種がコウモリ類で、24種のネズミ目を超えて最多の種数となっています。さらに、最近は琉球列島の島に固有の種も発見されています。
オオコウモリ類は熱帯性で小笠原諸島・南西諸島にだけ分布しています。
ただ、個々の種では個体数が少ないというものもあって、多くがレッドデータブック(絶滅の危険がある野生生物に関する情報を記載した書)入りになっています。
日本の「コウモリ研究者」が少ないので、生息調査もあまり行われていないという事情もありますが、実際に絶滅のおそれがある状態のものも多く、特に森林性コウモリは生活の場の広葉樹林に、住みかになる「樹洞」ができる巨木が非常に減少していていることが大きな問題となっています。
そのため、コウモリの巣箱などの工夫もされていますが普及していないのが現状です。
コウモリの生活自体も未だに謎が多いそうです。ユビナガコウモリ等は集団繁殖するようです。
これらは季節的に大移動をしている可能性がありますが、現在研究が進められています。
日本で一番大きいコウモリは?
日本にいる最大のコウモリは、やはりオオコウモリでしょう。
いや〜、名前からして大きそうですよね〜(笑)。
オオコウモリはコウモリ目の1グループで大型のものでは体長40センチ、翼を広げると2メートルになるものもいます。
現在、日本には2種類のオオコウモリが存在しています。小笠原諸島の「オガサワラオオコウモリ」、鹿児島県口永良部島から南の琉球列島の「クビワオオコウモリ」です。
オガサワラオオコウモリは全身がほとんど真っ黒で長い毛には銀白色の毛も混じっています。
口永良部島に住むオオコウモリは、世界のオオコウモリ分布地のなかでもかなり北にいます。
この種類のオオコウモリが、上記のように翼を広げると2メートルにもなるコウモリです。
ちょっ〜と、怖いですね。
顔つきや大きさもありますが、オオコウモリが吊り下がっている光景というのは、人間からはかなりグロテスクな感じに映りますね。
人間の赤ちゃんくらいの胴体で、逆さにぶら下がるさまはまさに「ドラキュラ」という感じで、突然こんなのを発見してしまったら、怖いですよね。
昔は「オキナワオオコウモリ」というオオコウモリが沖縄にいたようですが、1870年に発表されてからこのかた、捕まったことがないために絶滅した考えられています。
現在のオキナワオオコウモリは大英博物館に標本が2つあるだけとなっています。
コウモリは感染症をもっている場合も
日本にいる最大のコウモリについてでした。
コウモリは感染症の原因の病原体を持っている可能性があるので、もしも触れた場合は石鹸でかならず洗浄しましょう。
ちなみに、コウモリが宿主の感染症は「狂犬病」が有名です。