ネットで話題になっているブロブフィッシュという魚をご存知でしょうか。

とても魚とは思い難い風貌のブロブフィッシュは意外に人気!?

その秘密と共にブロブフィッシュについて詳しくご紹介します。

ブロブフィッシュの特徴

ブロブフィッシュはカサゴ科に分類されるオーストラリア沖600~1200mの深海に生息している、オタマジャクシのような体つきをしていて体長約30㎝くらいまで生長するゼラチン質のブヨブヨした体をした魚です。

 

和名はニュウドウカジカ。世界で7種類が確認されています。

イギリスの動物保護協会が2013年に開催した「世界でもっとも醜い生き物コンテスト」で一位に輝いた生物です。

 

ゼラチン質のブヨブヨは実は深海から引き上げられて水圧の関係で体が変化してしまった状態。

顔は潰れ、大きな鼻やへの字に曲がった口はどこか不満げに怒っているような顔つきで、思わずにやにやしながら正座して説教を聞いてしまいそうになります。

 

そんなブロブフィッシュですが、実際に深海の水中では「ちょっとふっくらとしたカサゴ」の風貌。特筆すべき醜さでは決してありません。

潰れて鼻のようになっているのも、実際に鼻があるわけではなく、上唇の皮膚の一部がたまたま垂れ下がって鼻のようになっただけ。への字に曲がった口もただ単に口が水圧から解放されて垂れてしまっているだけなのです。

 

彼らは体が水よりも密度の少ないゼラチン質で構成されているので、海底面からわずかに体を浮かすことによって筋肉を動かすエネルギーを節約し、エサの少ない深海でも生きていけると考えられています。

深海の甲殻類を丸のみにすることができ、トロール船魚の網にかかり数が減っていて、研究者の中からは絶滅が心配されるという声も上がっています。

美味しいブロブフィッシュ

カサゴ科の魚は煮つけなどで日本でも美味しく食べられることが多いのですが、ブロブフィッシュももちろん食べることができます。

しかも、その味はカニに近く、とっても美味だそう。それどころか、地元の漁師さんたちはカニよりも更に甘いと高評価。

 

海外では普通に美味しく食べられている魚なのです。

でも・・・ブロブフィッシュが裁かれて調理される様子が動画で公開されていますが、その様子は何だかとても不憫。これはきっとブロブフィッシュの顔つきから感じる日本人ならではの感覚なのかもしれません。

日本でも新種が発見

日本でも沼津深海水族館の館長さんが一度底引き網でブロブフィッシュを引き上げたことがあるそうです。

しかし、飼育は実現せず、引き上げて2日後には死んでしまったよう。

 

このニュースは海外メディアでも報道され、今までにない種類のブロブフィッシュということで注目を浴びました。

また、苫小牧沖で水揚げされたこともあるようで、苫小牧市交接地方卸売市場のセリでは市内の業者が200円で落札したそうです。

 

ちなみに、現在水族館などでブロブフィッシュを見られるところはないのですが、沼津深海水族館では、近いうちにぜひ実現させたいと意気込みを見せているのだとか・・・その時はどんな姿で私たちの前に姿を現してくれるのでしょう。

キャラクターとして人気のブロブフィッシュ

ブロブフィッシュはキャラクターとして海外ではとても人気があります。

ぬいぐるみをはじめ、携帯ストラップやTシャツ、キーホルダーなどの色々なアイテムが販売されています。

 

日本人の中でも白玉粉を使ってニュウドウカジカを作ってTwitterにアップした人もいるよう。

SNSのスタンプとしても登場したりしていて、知る人ぞ知るキャラクターです。

インパクトのある顔面と独特の体の質感は一度みたら、多くの人たちの脳裏に焼き付くようです。

(ライター ナオ)