泳ぐことを止めると死んでしまう・・・そんなマグロは実に美味しいお魚です。

その生態にどこか心奪われてしまうマグロについて詳しくお話します。

マグロの特徴

マグロはサバ科マグロ族に分類される硬骨魚類の総称です。

暖海性で外洋性、回遊性の大型肉食魚で、日本を始め、世界中で重要な食用魚として漁獲されています。

 

全長は60㎝程のものから3mにまで達するものまで種類によって様々です。

最大種のタイセイヨウクロマグロは全長4.5m、チア中は680kgを超えます。

 

水ちゅう生物としてはかなり高速で遊泳することができ、全長1.7~3.3mのタイセイヨウクロマグロの群れの遊泳速度を測定した結果、平均の遊泳速度は3.6~10.8㎞/hと計算されています。

 

瞬間最大速度は80㎞/hに達すると推定されています。

体型は紡錘形で体の横断面はほぼ楕円形、鱗は胸鰭周辺を覗けばごく小さいかほとんど無く、高速遊泳に適した体型です。

 

吻はわずかに前方に尖り、尾びれは対抗と同じくらいの大金亜三日月になります。

筋肉内の血管は動脈と静脈が隣接する奇網という構造を持ち、これで体内の熱が逃げるのを防いで体温を海水温より高く保って運動能力の低下を抑えます。

マグロの生態

マグロは全世界の熱帯、温帯海域に広く分布しますが種類によって分布域や生息水深が異なります。

海中では口と鰓蓋を開けて遊泳し、ここを通り抜ける海水で呼吸します。

 

泳ぎを止めると窒息するので例え睡眠時でも停まりません。

食性は肉食。表層・中層性の魚類、甲殻類、頭足類などを捕食します。

潰瘍の食物連鎖においてはクジラ、アザラシ、カジキ、サメなどと並ぶ高次の消費者です。

マグロの種類

マグロ属には8種類ほどがあり、クロマグロ、タイセイヨウクロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、ビンナガ、キハダ、コジナガ、タイセイヨウマグロに分類されます。

マグロが見られる水族館

葛西臨海水族園

葛西臨海水族園ではドーナツ型の大水槽で群栄するクロマグロや国内最大級のペンギン展示場で泳ぎまわるペンギンの姿など600種類を超える世界中の海の生物を見ることができます。

 

1階から2階に繋がっている大洋の航海者エリア。

葛西臨海公園の一番の目玉スポットでドーナツ型の中央に座りながら群栄する沢山のマグロたちを間近で観察することができて、かなり迫力があります。

 

2014年に160匹いたマグロが1匹まで減ってしまうという大量死事件がありましたが、現在はすっかり回復しています。

マグロがすごいスピードでエサを食べる様子なども見ることができ、子供達にとってもとても楽しいスポットです。

名古屋港水族館

名古屋港水族館でもクロマグロを見ることができます。

この水族館、黒潮の環境を模した水槽の中で見られるマイワシの群れが売りの一つになっています。

 

マイワシたちが渦上になってエサに群がるトルネードは見ごたえ充分。

かつて、天敵のいないイワシたちの群れがバラバラになりかけた時に、マイワシの水槽にクロマグロ15匹を投入し、自然の状態を回復させる試みが行われたこともあります。

名古屋港水族館にいるマグロは近畿大学で養殖された珍しいマグロだとか・・・!?

美ら海水族館

美ら海水族館でもマグロの悠々とした泳ぎを見ることができます。

世界最大級の大水槽、「黒潮の海」は1階から2階を貫く水層にジンベイザメをはじめと下大型のサメやエイなどが回遊し、その中にマグロも泳ぎ回ります。

 

黒潮探検というプログラムではマグロが泳ぐ姿を上から観察することができます。

給餌の解説なども行われ、水槽に隣接したカフェ、オーシャンブルーなどもあり、美ら海水族館のハイライトになっています。

ちなみにマグロの寿命は野生下ではクロマグロが20~30年、メバチマグロが10~15年、ビンナガマグロが10~16年、キハダマグロが7~10年ほどです。

(ライター ナオ)