今年の冬はとても値段の高かった白菜。

鍋の美味しい季節にたっぷり白菜を食べられなかったという方も多いのではないでしょうか。

 

そんな苦い思いを胸に、来年は家庭菜園で白菜を作るぞ!と決意した人もいるとかいないとか・・・

しっかりと結球した美味しい白菜を作るための最大の敵はアブラムシ!

今回はそんな白菜のアブラムシ対策についてご紹介します。

アブラムシの特徴と生態

アブラムシはカメムシ目アブラムシ上科に属する昆虫の総称で、アリマキと呼ばれることもあります。

植物の維管束に口の張りを突き刺して、師管の液を吸って生活しています。

翅を持たない種類が多く、植物の上でじっとしていて、アリとの共生関係が見られます。

春から夏にかけて、単為生殖により体内に子供のいるメスを生み、爆発的に数を増やす習性があります。

 

植物にびっしりとアブラムシがついているのはこの時期です。

秋から冬にかけてはオスが発生し、この時に有性生殖を行います。

アブラムシの中には1齢幼虫と2齢幼虫の一部が兵隊アブラムシに分化し、積極的に外敵に攻撃するようになるものもいますが、これらの幼虫は成長をしないで死んでいきます。

 

体内でブフネラという大腸菌近縁の細菌と共生していて、ブフネラは師管液からアブラムシの必要な栄養分を合成し、アブラムシはブフネラが生育するために必要な特別な細胞を提供しています。

ブフネラはアブラムシの体外では生存できず、アブラムシもブフネラなしでは生存することが出来ません。

白菜の栽培

白菜の栽培は種蒔きの時期と病害虫対策がポイントです。

特に苗が小さいうちは害虫対策をしっかりとすることが重要になってきます。

 

まずはポットに3から4粒ずつ種をまき、軽く覆土してたっぷりと水をやります。

双葉が開いたら2~3本に間引いて、本葉が2枚の頃に1本立ちにします。

 

地域ごとに適した品種が販売されているので、適切な種を選んで適期に蒔きます。

ポットはネットを張った中で管理し、虫がつかないようにします。

白菜を植える場所は深く起こし、排水性と通気性、保湿性に優れた場所を選びます。

 

また、生育初期から肥料が良く効くように植え付け1ヵ月前までには十分な元妃と堆肥を漉き込んでおきましょう。

株間40~50㎝、畝幅50㎝を確保して畝を立てます。

 

バランスの取れた肥料をたっぷりと施し、本洋画4~5枚出たころに40~50㎝の株間を開けて畑に定植します。

定植した後もすぐにネットをかけて害虫防除を行います。

 

定植後も細目に追肥をして外葉を十分に育て、追肥は定植後に3回程行います。

植え付けから60日ほど経った頃、白菜のてっぺんを押さえてみて固く締まっていたら収穫時期です。

アブラムシの被害

白菜を栽培する時に厄介なアブラムシは9~10月に繁殖するので、特にこの時期注意が必要です。

葉の裏などにアブラムシを発見したら、すぐに対策をしましょう。

野菜や果物を栽培する時、アブラムシはとても厄介な害虫です。

最も深刻な被害はウイルスの媒介やスス病の原因となる間接的な被害です。

 

ウイルスに感染している植物に寄生したアブラムシが他の完全な植物に寄生することで感染はどんどん広がっていってしまいます。

また、アブラムシの出す甘露はスス病の原因となる菌を引き寄せてしまうこともあります。

アブラムシの駆除

アブラムシの駆除は駆除剤などが市販されていますし、天敵を使った駆除方法もあります。

この方法はアブラムシを絶滅させることはできませんが、上手くいけばかなりの個体数を減らすことができます。

 

アブラムシの天敵はテントウムシやカゲロウ、ヒラタアブ、寄生バチです。

中でもテントウムシは比較的見つけやすく、捕まえてきてアブラムシの被害がある植物の周辺に放しておくと、アブラムシの個体数を減らすことができます。

牛乳を使ったアブラムシの駆除方法

木酢液や牛乳を使った駆除方法もあります。

牛乳の効果は牛乳に含まれているタンパク質の成分が固まって、アブラムシの気孔を塞ぎ、乾くときに縮んで窒息させてしまうこと。

具体的な方法としては、アブラムシに効果的な濃度まで薄めた牛乳をスプレー容器などに入れ、天気の良い日中にアブラムシに直接スプレーすることです。

 

牛乳を駆除に使う時に気をつけなければならないのは、牛乳のかかった植物自体もタンパク質が固まることで呼吸を妨げられる可能性があるので、葉や茎にかかった牛乳はきちんと拭き取ってあげること。

 

また、鉢植えの植物などの場合も、鉢についた牛乳をそのまま放っておくとカビなどの原因になるので、しっかりと拭き取る必要があります。

 

また、牛乳の代わりに片栗粉や砂糖などを溶かしてスプレーしても同じ効果が得られるようですが、こちらもスプレーした後の植物に残った液体はきちんと拭き取らなければ、牛乳スプレーと同じことが起こります。

 

特に砂糖水はべたつきがかなりありますので、注意が必要です。

木酢液も効果があります。

 

木酢の場合は酢の酸が有効成分で、植物に打撃のない程度まで希釈して使います。

拭き取りは必要ありません。

(ライター ナオ)