アリに寄生し、アリの体内を操って自ら繁殖していくタイワンアリタケ。

目に見えない胞子を飛ばし、知らず知らずのうちにアリに寄生している恐ろしい存在でもあるタイワンアリタケについて詳しくお話していきます。

タイワンアリタケの特徴

タイワンアリタケはオオアリやチクシトゲアリなどのアリの成虫に寄生する寄生型冬虫夏草。

空中の湿度が極端に高い場所に多く発生します。

 

子実体は首折れ型で結実部は紫褐色~暗褐色をしています。突出した子嚢から先端の孔口から細い子嚢胞子を噴出して感染を広げます。

無毒ですが、食用にする必要もないほど。

タイワンアリタケの支配システム

寄生されたアリは菌に肉体を乗っ取られてその命令のままに動くという不思議な行動をとり、寄生されたアリはゾンビアリと呼ばれます。

 

寄生されたアリの特徴はやたらにうろつきまわる無為な生活を送り、葉や小枝の下側に噛みついたまま死を迎えます。寄生されたほとんどのアリが同じように葉や小枝の下側に噛みついたままいることから、この行動をとらせることこそがタイワンアリタケの最終的な目的。つまり、風邪に飛ばされず、繁殖しやすい場所にアリの体を固定させるということ。

 

この状態で寄生したアリが死んだ後、タイワンアリタケは頭部から子実体を伸ばし、地面に向かって胞子を放出し、下では何も知らないアリたちがこれを浴びて同じようにゾンビになっていきます。

 

稀に死にきれずに生きたままの状態のアリがいて、そのアリを人間が触るとアリは興奮しながら足を動かしては見たものの、噛みついた顎が葉から離れなかったのだそう・・・

背筋がぞわっとするようなホラーの世界としか言いようがありません。

 

通常このように動物や昆虫の体を操る時には、脳に侵入して脳を支配するのが一般的ですが、タイワンアリタケは脳内には侵入せず、アリの全身に侵入して寄生します。脳には全く手をつけず、筋肉に微調整を加えてコントロールするという高度なテクニックをとってアリをコントロールしています。

 

脳には手を付けない理由として、宿主を死の間際に他のアリを感染させられる場所まで連れて行かなければならないからということが言われています。

タイワンアリタケには寄生されたアリがまるで取りつかれたような奇妙な行動を起こさせる化合物を持っているのではないかと推測されています。

 

アリが感染されてから死ぬまでの期間は4~10日ほど。最後は菌が成長してアリの東部を破壊させ、死に至るのだそうです。

同じ場所で何匹ものタイワンアリタケに寄生されたアリを見ることもあり、その脅威はアリのコロニーを絶滅させることも多々あります。

タイワンアリタケの映画

タイワンアリタケを題材にした映画も存在していて、そのタイトルは「ハングリーズ」。

タイワンアリタケの突然変異による菌が人間の体内に入ったことで感染。感染者の体液によっても感染するという設定。タイワンアリタケに寄生された人体は思考能力がなく、生きた肉の実を食します。

 

普段は動かず木のように立ち尽くしていますが、音や生き物の臭いで覚醒し、捕食に走ります。

徐々に皮膚は白くなり、まるで木の皮のように変化し、最後は体内から目が生えて樹木となり、実をつけ、その実が割れる時に世界は終わるということになっています。

 

イングランドの田舎町にある基地でウィルスと共生するセカンドチルドレンは、感染しているにも関わらず嗜好能力を維持し、見た目は人間の子供そのもの。

彼らからワクチンを作り出そうと模索しますが、子供たちの中に高い知能を持った奇跡の少女メラニーが現れます。彼女が果たして人類の希望となるのか、絶望となるのか!

興味のある方はぜひ!

(ライター ナオ)