コウモリと言えば吸血鬼や気味の悪い生き物というイメージがありますね。

悪いイメージばかりついてしまって、意外とコウモリの生態や体の造りについて知っている方は少ないと思います。

 

現在世界中でコウモリの種類は約980種知られていて、日本に限っては哺乳類の約1/3~1/4を占めている最多の種類数と言われています。

今回はそんなコウモリの生態や特徴、そして骨格の特長について紹介していきたいと思います。

コウモリの骨格~進化の過程~

米ワイオミング州グリーンリバーで始新世初期の約5200万年前の地層から見つかったコウモリの化石からある事が分かりました。

今まではコウモリは超音波を発する器官が先に発達されたと言われていましたが、進化の過程で先に発達させたのは骨格である翼である事が研究により分かりました。

この化石を詳しく調べて行くと、大きなかぎ爪と原始的な翼の骨格を持っていて、超音波を聞き取る内耳の蝸牛は未発達でした。

コウモリは生き延びて行く為に、骨格を重要視して発達させてきたという事です。

 

骨格を見てみると翼竜とよく似ていると言われています。

手・前脚があり翼の皮膜の中にはしっかり5本の指があり、翼の折り畳みが自由自在に出来るように関節があり、脚の関節は弱いという特徴があります。

ただ翼竜は鳥類でコウモリは哺乳類なので先祖とまではいきませんが、かなり似ているとの事です。

コウモリの生態と特徴

コウモリは脊椎動物亜門哺乳綱コウモリ目に属する動物の総称です。

生息地は極地を除く世界中に幅広く分布していて、日本でも全国各地で発見されています。

 

コウモリは大きく分けて『オオコウモリ類』と『コガタコウモリ類』の二種類に分けられます。

それぞれの特長は以下の通りです。

【オオコウモリ類】

熱帯や亜熱帯地域にのみ生息しており、名前の通り大型のコウモリの事を言います。

翼を広げた大きさが1mを超えるようなものもいて、日本では沖縄県や奄美地方や小笠原諸島に生息しています。

【コガタコウモリ類】

熱帯から亜寒帯まで広く生息しており、名前の通り小型のコウモリの事を言います。

日本に生息するほとんどのコウモリがコガタコウモリ類になります。

 

コウモリ目は翼を持っていて完全な飛行が出来る動物です。

鳥類の翼とは異なり、飛膜と呼ばれる伸縮性のある膜で出来ています。

 

前肢の親指は普通の指の形で、その他の指は細長く伸びています。

皮膜は人差し指以降の指の間から後肢の足首まで繋がっていて、腕と指を伸ばせば翼が広がり曲げれば折りたたむ事が出来ます。

コウモリは自由に飛行する為、なるべく体重を軽くするように骨は空洞になっています。

 

脚が小さい理由は、後ろ脚を小さくする事によって軽量化を図る為と言われていて、脚が小さくなった事によって体重が支えきれずぶら下がって生活するようになったと言われています。

 

知能に関しては、哺乳類の中で唯一飛べる生き物であり、彼らは人間と類似した社会構造を持っている事が判明しています。

コウモリは、非常に安定した社会構造を築いて生活していて、基本的にグループを作って行動を共にしますが、グループ間で自由に行き来し継続する友好関係を築きます。

 

コウモリは多様な食性を有しており、昆虫・果実・花蜜・肉・血液と種類によって大きく食性が異なる事が分かっています。

食性と深い関わりがある舌形態については明確にされていません。

他にも彼らの生活そのものや習性については謎が多く、現在も研究が進められているそうです。

コウモリについてのまとめ

今回はコウモリについて紹介しましたが如何でしたでしょうか?

コウモリは長い歴史を持ち、人間に身近で化石も沢山見つかっているのですが、まだ謎多き動物ではっきりした事が分かっていない部分が多い生き物です。

これからもっと興味深い事が分かって来るかもしれないので要注目です☆

ライターMISAKI