海のギャングと呼ばれる「ウツボ」。
厳つい顔と蛇のような体は怖がられることも多いですが、他の魚にはない魅力もたくさんあります。
あの鋭い歯で餌を捕食するシーンなど、ぜひ間近で見てみたい!と思いませんか?
もしも家で飼育できるのなら、飼ってみたいという人も多いはずです。
そこで今回は、ウツボの生態や、飼育できるのか?という点について詳しく見ていこうと思います。
ウツボの生態
ウツボは世界中の熱帯から温帯にかけて分布しており、日本にも生息しています。
特徴は大きな口と鋭い歯、そして厳つい顔面。
どこからどう見ても「肉食」を全面に押し出した風貌ですね。
ウナギ目の魚なので、体はウナギのように長くうねり、多くの種では全長1m前後。
大きいものではなんと3m以上にもなると言うから驚きです。
水中で3mのウツボと遭遇したら…怖くて瞬時に回れ右してしまいそう…。
基本的にはサンゴ礁や岩礁で岩のすき間などに潜んでおり、獲物を待ち伏せして捕らえます。
なんと表皮の粘膜を利用した皮膚呼吸もできるらしく、体が湿ってさえいれば30分ほどは陸上でも活動可能。
それを利用して、岩場や潮だまりなどに出現することもあるそうです。
肉食ということで多くの生き物たちから恐れられているウツボですが、じつは共生関係にある生き物もまた多く存在します。
例として挙げるならば、小型のエビやゴンズイ・ホンソメワケベラなどの小魚、そしてイセエビなど。
小エビや小魚は体や口の中にいる寄生虫を掃除してくれる変わりに、彼らの天敵から守る役割を果たします。
イセエビはウツボの大好物であるタコが天敵なので、イセエビに釣られてやってきたタコを捕食することができ、イセエビはウツボに守ってもらえるというわけですね。
(人間の視点からすると、タコよりもイセエビの方が食べたいですけどね。)
ウツボの飼育について
ウツボは、意外にも人気のある観賞魚であり、家での飼育も可能です。
しかし飼育にはいくつかハードルがあるので、それぞれのポイントについて一つずつ見ていきましょう。
寿命が長い
ウツボの寿命は、野生下ではなんと40年!
ビックリするほど長いです。
飼育下では餌の栄養面などからそこまで長生きはしないようですが、それでも20年前後は生きると言います。
かなり長い付き合いになることを覚悟しておかなければなりません。
大きな水槽が必須
ウツボは基本的に大型魚です。
種類によっては60㎝水槽で飼育できるものもいますが、できれば最低でも90㎝はほしいところ。
1mを超える種類になってくると、水槽もそれに合わせて120~180㎝のものを用意しなければなりません。
そうなるとかなりの重量になるので、置き場所の問題(床の補強等)も出てきます。
また、飛び出し防止のために蓋も必須。
餌に飽きやすい
ウツボは人工餌に対する食いつきが悪いので、エビ、小魚、魚の切り身などを用意しなければなりません。
しかも餌に対して飽きやすい性質があるため、下手をすると週替わりで別の餌を与えなくてはならないことも。
混泳はNG
ウツボは共生関係にある生物以外は、餌として食べてしまいます。
そのため、基本的に他の生き物との混泳はできません。
ウツボ同士の混泳でも、それぞれのテリトリーを確保するためにはかなり大掛かりな水槽が必要となるため、あまり現実的ではありま
水温の維持
温かい地域の生き物なので、寒さにはとても弱いです。
年間を通して25℃前後を保つようにしましょう。
温度変化に弱いため、夏も30度以上にはならないように気を付けてください。
怪我に注意
ウツボの歯はとても鋭く、噛まれると流血するほどの怪我を負う場合もあります。
あまり攻撃的な性格ではありませんが、水槽の中に手を入れる場合などは十分注意しましょう。
ウツボについてのまとめ
ウツボは種類が豊富で見た目も様々なので、観賞魚としてとても楽しめる魚です。
それなりに手間とお金はかかりますが、犬や猫などを飼うことを考えたら、そう大変な事でもありません。
寿命が長く、長期間ペットとして側にいてくれる存在なので、興味がある人はぜひ飼育にチャレンジしてみてください。
(ライター もんぷち)
うつぼ