皆さんはしらうおとしろうお、同じ魚だと思っていませんか?
ぱっと見は似ていますが実は全く違う魚。
今回は「しらうお」と「しろうお」に」ついて詳しくお話します。
しらうおの特徴と生態
しらうおは条鰭鋼キュウリウオ目シラウオ科に分類される魚の総称です。
別名はシラオ、シラス、トノサマウオなど。
東アジアの汽水域周辺に生息する半透明の細長い小魚で、食用にもなります。
体は細長いですが、後ろに向かって太くなり尾びれの前で再び細くなるくさび形の体形です。
死んでしまうと白く濁った体色になりますが、生きている間は半透明の白色、背骨や内臓などが空けて見えます。
腹面に2列に並ぶ黒色の点があり、比較的目は小さく口は大きいのが特徴。
しらうおは仔魚から成体になるときに変態し、他のサケ類と同じように鰭が出来ます。
2016年までしらうおは春に川の河口域や汽水湖、沿岸域など汽水域の砂底で産卵し、孵化した稚魚は翌年の春まで沿岸域でプランクトンを捕食しながら成長し、冬を越した成体は産卵のために再び汽水域へ集まって産卵するが産卵した後にオスもメスも短い一生を終えると考えられてきました。
しかし実は産卵のために汽水域に集まるのではなく、汽水域で一勝を過ごしているという新しい説が提唱されています。
沿岸域へ産卵に集まる頃の成魚が食用として漁獲され、早春の味覚として知られかつては全国で漁獲されていましたが近年は北海道、青森県、秋田県、茨城県、島根県などが主な産地となっていて、漁獲量は東日本で多くなっています。
しらうおの種類
しらうおは東南アジアから東シベリアまで6属14種類が分布していて、中には体長が15㎝以上になる種類もいます。
日本には3属4種が分布していますが、アリアケシラウオとアリアケヒメシラウオは有明海周辺だけに分布していて、この2種類は分布が極めて局地的な上に絶滅寸前というところまで個体数が減っていて絶滅危惧種に指定されています。
食材としてのしらうお
しらうおは日本のみならず中国や東南アジアでも食用にされています。
日本では高級食材として扱われています。
しらうおは非常に戦災で漁で網から上げて空気に触れるとほとんどがすぐに死んでしまうので生きたまま市場に出回ることはほとんどありません。
料理方法は煮干し、佃煮、酢の物、吸い物、卵とじ、天ぷら、炊き込みご飯等があります。
また刺身、寿司などとして生で食べることもあります。
しろうおの特徴と生態
しろうおはスズキ目ハゼ科に分類される魚の一種。透明な体の小魚で日本、朝鮮に分布しています。
日本では北海道南部から九州南部まで分布していますが、南西諸島には分布していません。
日本での地方名としてヒウオ、イサザ、ギャフ等があります。
成魚は全長5㎝程で細長い円筒形の体形をしています。
体にはわずかに黒い色素細胞が見られますが、それ以外はほぼ透明で体内の構造は見えなくなってしまいます。
吻は丸く、口は目の後ろまで裂けて下顎が上顎より前に突き出します。
眼球、うきぶくろ、脊椎等が透けて見えますが死ぬと体が白く濁ってしまいます。しろうおはほとんど仔魚のような形で成熟します。
しろうおは通常は沿岸の浅い海に生息し、プランクトンを捕食しながら生活していますが早春には成魚が川の下流域に遡上して産卵します。
成魚は河口で群れて満潮時の上げ潮に乗って川をさかのぼります。
汽水域上限から淡水域にかけてな転石が多い区域では群れは解消され、一夫一婦制で1回限りの繁殖様式でオスが石の下に潜り込んで産卵質を作りメスを誘って産卵させ、メスは300個ほどの卵を産卵します。
しらうおとしろうおの違い
両者は分類上全くベルの魚であり、よく見ると色々なところが違っています。
しらうおの口は尖っていて、体型がくさび形をしています。
しらうおの浮袋はしろうおほどはっきり見えず、またあぶらびれという背ビレの後ろにある小さな丸い鰭があります。
これはアユやシシャモ、ワカサギなどと近縁であることを示します。
しらうおは市場に出回ることはほとんどありませんが、しろうおは活魚として出回り、高級食材として扱われています。
しろうおの軍艦巻きの寿司種にしたり、生きたままポン酢で食べる踊り食いなどの生食が広がりつつあります。
他にもてんぷらや卵とじ、吸い物等もたべられています。
(ライター ナオ)