ニホンカワウソのニュースはつい最近も世間を騒がせたばかり。

日本の固有種ながら絶滅に至った経緯や最後の目撃情報について詳しくお話していきます。

ニホンカワウソの特徴

ニホンカワウソはかつて日本に生息していたカワウソの一種で、ユーラシアカワウソの亜種になります。

日本全国に広く分布していましたが、1979年以来目撃情報が鳴く、2012年に絶滅種として指定されています。

体長は64.5~82.0㎝、尾長35~56㎝、体重は5~11kgです。

韓国に生息するユーラシアカワウソとほぼ同じ体型をしていますが、頭骨の形が違っていた李、眼を水面から出して警戒できるように眼と鼻孔が顔の上方にあります。

 

鼻孔は水中で閉じることができ、毛皮は2層からなっていて、外側に見える部分は粗い毛。内側は細かい綿毛になっていました、

外部の毛は差毛と呼ばれ、水中で水にぬれて綿毛を覆い、綿毛に水が浸入するのを防ぎました。

ニホンカワウソの生態

ニホンカワウソは中下流域、砂浜、磯などの沿岸部に単独で生息していて、主に夜行性で魚類、テナガエビ、カニ、カエルなどを食べていました。

1頭の行動域は十数㎞にも及び、この中に止まり場と呼ばれる生活拠点を3~4か所持っていたと言われています。

縄張り宣言のため、定期的に岩や草むらの上など目立つ位置に糞をする習性もありました。

 

春から初夏にかけて水中で交尾を行い、61~63日の妊娠期間を経て2~5頭の仔を生んでいたと考えられています。子供は生後56日で巣から出て、親が来年に新たな繁殖を開始する頃に独立していたと推定されます。

 

また〇カワウソは臭い?

カワウソには肛門嚢と呼ばれる臭腺があります。

 

思わぬ敵に出くわした時、何か嫌なことがあったりすると臭腺から分泌液を放ちます。

思わぬ敵に出くわした時、何か嫌なことがあったりすると臭腺から分泌液を放ちます。

これは防衛反応として敵を追い払うためのものでもありますから、かなりの臭いです。

ニホンカワウソの乱獲

ニホンカワウソの毛はとても優秀な構造をしていたため、乱獲されました。

そして、このことがニホンカワウソを絶滅に追いやった大きな原因のひとつです。

 

明治時代までは礼文島、北海道。四国、九州、壱岐島、対馬、五島列島まで日本中の陸地から島々に至るまで広く生息していたニホンカワウソですが、毛皮を摂るための乱獲や他にも開発によって生息数が激減し、1928年には狩猟の対象外となり、2012年には絶滅危惧種に指定されるまでになります。

ニホンカワウソの目撃情報

ニホンカワウソの目撃情報は1954年に和歌山県和歌山市の友ヶ島で個体群が発見されましたが、発見された個体群は特に保護されることなく、その後絶滅したと考えられます。

また、1955年以は北海道亜種が斜里郡斜里川で捕獲され、その個体となっています。

 

これによってニホンカワウソは四国地方の愛媛県と高知県でのみに分布することになり、最後に捕獲されたのは

1975年の4月でその後の捕獲はなく、また生きた姿が発見されたのは1986年高知県須崎市の新庄川においてで、死体は1986年まで確認されています。

 

その後も2009年までは高知県内にニホンカワウソがいたと証言する人もいます。

昨年2017年には長崎の対馬で38年ぶりに生きた野生のニホンカワウソのようなものが発見されたと報道されました。

 

しかしニホンカワウソと言われていた種類は韓国原産のユーラシアカワウソだったというDNA鑑定による検査結果が出て、一度は盛り上がりを見せたものの、急速にしぼんでいってしまいました。

 

韓国と対馬は海を挟んで50㎞程しかなく、台風などで漂着物が対馬へ届くことも多いと言われています。ユーラシアカワウソはこの漂着物に乗って対馬に渡り住み着いた可能性が高いと言われています。

(ライター ナオ)