のっそりとした、ユーモラスな雰囲気の動物というイメージでおなじみのカバですが、
実は動物界で一番強いのがあのカバだったという話を聞いたことはないでしょうか?
「え〜!あのライオンよりも?」って感じですよね。
あのカバは、意外なことに実は凶暴な性格ももっているらしいんです。
ここでカバの生態などについてみていきましょう。
カバの生態や特徴
カバは偶蹄目のカバ科・カバ属に属する偶蹄類です。
サハラ砂漠から南のアフリカ大陸に多くいます。
古代ギリシア語で「馬」と「川」を意味する言葉で、日本ではそのまま「河馬」となりました。
ずんぐりとした体が特徴的ですが、近年のミトコンドリアDNA法等によればクジラ類と近い可能性もあるようです。体長は3.5メートルから4メートルで、体重はオスが3トンにも達し、メスは1.5トンであり、これは陸上の動物ではゾウの次の重さとなります。
カバは、メスと子供たちで10頭〜20頭くらいの群れを作って生活しています。
オスは単独で過ごしたり群れの周りに縄張りを作ったりして生活しています。
この縄張りが厳しく、うなり声や口をあんぐりと開けるといった
威嚇はもちろん、鋭い牙で噛み付きあって戦い命がけになることがあります。
昼間は水中にいて、夜になると陸に上がって食べ物を探します。
水中では肺を呼吸で膨らませて浮かんだり、最長5分くらいの潜水もできます。
陸では時速40kmで走ることもできますが(あのウサイン・ボルト以上!)、長距離は
苦手としています。
基本的に草食動物に分類されており、草や木の葉などを1日40キログラムほど食べます。
草食動物といっても、動物も食べることがあります。インパラや死んでいる動物を食べていたという記録もあります。ただし、これは栄養失調・病気のときだけらしいです。
カバの知られざる雑学
雑学的には、カバは脂肪が厚いようなイメージですが表皮がとても薄いため、毛細血管現象で水分が外に放出され、皮膚が乾燥することで裂けて、人間の水分の3倍から5倍ほどの水分が消失してしまうんだそうです。
その皮膚の表面を守る皮脂腺や体温調節の汗腺はなく、「血の汗」というピンク色した粘液を出す腺があります。
この液はアルカリ性で皮膚表面を守り、赤い色素のために紫外線が通過しにくいという「スキンケア機能」もあります。ヒポスドール酸やノルヒポスドール酸と命名されているこの粘液には細菌が増殖することを防ぐ働きもあるので、傷ついたまま泥中に入ってもバイ菌が入るのを防いでくれます。
カバの特徴やイメージとしては「口があんぐり大きく開く」というものがありますよね。
あれば、カバの顎はとても筋肉が発達していて、なんと150度まで開けることができるんだそうです。口には鋭い歯が上下に生えていて、当然戦うときにはこれが凶器と化します。噛む力はなんと1トン以上というからおそろしいですね。
カバは縄張り意識がとにかく強い!
さて、問題のカバの性格についてです。その顔と体つきから、ほとんどの人が「カバ=のんき」というイメージを持っているかもしれません。
しかし!
実は、獰猛・凶暴な一面を持っているのです。
動物園のカバならいざしらず、野生のカバには獰猛になることがあります。
縄張り意識が強いのか、自分のテリトリーに入ったワニ・ライオン・人等まで攻撃してきます。
さらに怖いのは子供を守るときのメスです。
子供がほかの動物に食べられてしまう恐れがあるためで、なんと縄張りに入ってきたあのワニを真っぷたつに噛みちぎったという話もあります。
人もカバの被害に遭っています。
アフリカでは、野生動物に攻撃されて死亡した人間の死者数は、カバが最多と言われています。
これは、カバの縄張りに侵入したことが原因とされていて、アフリカでは1年で約2900人がカバに攻撃されて死んでいるそうです。
近年はカバに人が殺されるケースが増加していますが、これは農地開発などでカバの生息地が減少していることも関係しているとされています。
本当は怖いカバのお話でした
のほほんとしたイメージが強いカバについてでした。
あのカバにこのような獰猛な一面があったとはかなり以外でしたね。
ただ、牙の上に小鳥が止まったとき、飛び去るまでまっていたという話もあります。
カバを見るのは動物園だけにしておきましょう。
ライター:nabex