ハクビシンというネコみたいな動物がいます。このハクビシン、見た目はネコ+タヌキ+イノシシのようでかわいいんですが、畑を荒らすということで農家のみなさんからは嫌われているようです。ここではハクビシンや、その畑の対策について迫ってみましょう。

ハクビシンの生態や特徴

ハクビシンとは食肉目のジャコウネコ科、ハクビシン属の食肉類です。
ハクビシン属というのはこのハクビシンのみで構成されています。額〜鼻にかけて白い模様があるのが特徴です。日本に存在する唯一のジャコウネコ科哺乳類であり、外来種とされています。

 

南〜東南のアジア地方に多く分布していて、台湾や日本にも生息しています。
日本では本州の東と四国、まれに北海道でも見られています。

 

体長は51〜76cmで、体重は2〜3kg、見た目はネコのようで柔らかな体毛で被われています。
体は灰色で頭・手足・しっぽが黒くなっています。

 

低い山に住んでいることが多く木登りが得意で、民家の床下などに棲んでしまうこともあるそうです。昼間は住み家にいて、夜になると活動します。

雑食性で果実や昆虫、小動物等を食べますが、基本的には植物を食べています。
夜になると同じ道を通って果実・野菜を食べるので獣道(山林等において動物が通る道)ができます。

母系家族で生活して、複数の家族で10頭から20頭ほどの群れを作っている場合もあります。

農家の皆さんからは害獣とされています

ハクビシンは見た目はかわいいんですが、日本においては畑の野菜や果物などを食べるので農家から嫌われる害獣となっています。美味しい果物がなる果樹園では、ビワや桃、柿やみかん等をハクビシンに食べられるので大きな問題となっています。

 

さらに、ビニールハウスにまで入ってしまうこともあるようです。

特に甘〜い果物や野菜が好きで、毎夜それらを求めて畑に現れます。
ただし、現在では農地開発等の生息地の破壊や狩猟等で数は減っています。

 

関東では1958年に神奈川県で初めてハクビシンが見られ、東京では1980年に八王子で見つかっています。今でも夜間に見られることがあり(電線の上を歩いていたり)、東京都23区内に1000頭以上が生息しているのは確実とされています。

 

日本のハクビシンは在来種か外来種かはっきりしていません。江戸時代から日本にはハクビシンがいたという説もありますが、明治時代に中国から持ち込まれたものが野生化したという説が一般的となっています。

畑におけるハクビシン対策

ネットでハクビシンと検索すると、最初に駆除業者なんかのページが見つかります。
ということで、やはりハクビシンの被害で悩んでいる農家の人は多いのでしょう。

 

鳥獣保護法でハクビシンを勝手に駆除することは禁止されていますが、
農家の人で自治体の許可を得れば捕獲することも可能です。

 

ここでハクビシンの畑の対策についてです。
まず、餌場を作らせないために、農作物を収穫したら畑に残さないようにしましょう。
建物の周りの雑草を刈り、倉庫などはこまめに見回りましょう。

 

ハクビシンの進入経路を無くすためには渡ってきそうな木の枝を切り、落ち葉やゴミ等を掃除して見通しをよくすることです。ジャンプ力が高いので、木がたくさんあるとそこから伝って進入されてしまうからです。

 

ハクビシンはにんにく・石油の臭いが嫌いなので臭いが出る害獣用忌避剤も使えます。

ほかにも、金網フェンスや電気ショックを与える電気柵、
音で威嚇するアイテムなどもあるので活用してみてはいかがでしょうか。

中国では食用にもなっている

見た目はネコやタヌキっぽくてかわいいけど、畑を荒らして害獣とされているハクビシンについてでした。

画像で見ると、ほんと愛くるしいんですけどねえ〜。ただ、ハクビシンは野生動物なのでノミやダニがいるし、見かけてもかわいいからといって触ったりしないほうがよいでしょう。

ちなみに、実はハクビシンは中国では食べられていて、肉は美味なんだとか。

ライター名:nabex