暗闇にひっそりとぶら下がっている「コウモリ」
今回は「コウモリ」に注目していきたいと思います。
コウモリの翼や羽の構造は一体どうなっているのでしょうか?
コウモリの生態と、翼や羽の構造と特徴について、詳しく調べていきたいと思います。
コウモリとは?
「コウモリ(蝙蝠)」は、脊椎動物亜門哺乳綱コウモリ目に属しています。
コウモリは世界中に生息していて、約980種確認されています。
コウモリは「天鼠(てんそ)、飛鼠(ひそ)」などの別名があります。
コウモリの前足は親指が鉤爪になっています。
その他の指は細長く伸びています。
コウモリが鳥類と違うところは、後足が弱いところです。
コウモリは立つことができないので、休む時は後足を使ってぶら下がります。
夜行性なので、夜になると餌を探したりします。
昼間は、暗くて日の当たらないところでひっそりとしています。
コウモリは鳥類に匹敵するほどの飛行能力を持っています。
コウモリは目の前の獲物だけではなく、次の獲物のことを考えながら、一番適するルートを飛んでいます。
またコウモリは、視力があまりよくありません。
その代わりに耳が発達しています。
超音波を使って獲物や敵の距離、方向、大きさなどを知ります。
主に30~100kHzの高周波を出しているそうです。
コウモリの翼・羽の構造
コウモリの翼は鳥類の翼とは全く違う構造になっています。
鳥類の翼は羽毛で包まれています。
ですがコウモリの翼は、「飛膜」と呼ばれる膜でできています。
この飛膜は、コウモリの人差し指以降の指の間から後ろ足の足首までを結んでいます。
腕と指を伸ばすと、飛膜が翼となって広がります。
腕と指を曲げると、飛膜を折りたたむことができます。
また、後ろ足としっぽの間にも飛膜があるコウモリが多いです。
コウモリの翼・羽の特徴
コウモリの飛膜のなかには細い筋肉があります。
この筋肉はplagiopatagiales propriiといわれます。
この筋肉で飛膜が収縮するようになっています。
飛膜の筋肉が緩んだり、緊張したりして翼の動きをサポートしています。
コウモリは飛膜のおかげで飛行能力が高いのです。
飛膜は、ハングライダーのように空気を微妙に調節します。
これによりコウモリは、とても速いスピードで飛んでいても、急降下や急旋回ができるのです。
飛膜は丈夫で、どんな形にも変えることができます。
そして飛膜には、エネルギーを節約する利点もあります。
コウモリと感染について
感染症学的にコウモリは、感染症の原因となる病原体を持っているといわれています。
コウモリを代表する感染症は狂犬病です。
他には、リッサウイルス、ニパウイルス、ヘンドラウイルス、日本脳炎などのウイルスを持っています。
日本に生息しているコウモリからは、アデノウイルスやヘルペスなどのウイルスも確認されています。
日本ではコウモリが原因で感染症を患った例はありませんが、コウモリに直接触れたり、コウモリの排泄物に直接触れると危険だという専門家もいます。
コウモリに素手で触ってしまった場合は、必ず念入りに手洗いを行いましょう。
コウモリの翼・羽の構造と特徴についてのまとめ
コウモリの生態と、翼・羽の構造と特徴について詳しく調べてきましたが、いかがでしたでしょうか?
コウモリの翼・羽の構造ですが、コウモリの翼は「飛膜」と呼ばれる膜でできています。
そしてコウモリの翼・羽の特徴は、コウモリの飛膜のなかの筋肉によって、急降下や急旋回ができるようになっています。
コウモリの翼の構造は100年前から研究されていて、「飛膜」についてようやくわかったきたようです。
ですがコウモリの翼には、まだ誰も知らない秘密が隠れているかもしれません。
ますます研究が進んでいくのが楽しみですね。
(ライター 雲呑)