不気味な顔をしたサキという種類の猿がいるのをご存知でしょうか?
話題のサキ猿 シロガオサキ
話題の中心にいるのはシロガオサキのオス。
ネットなどでその不気味さがピックアップされているので、一度はその画像を目にしたことのある人が多いのでは?
南米アマゾンの北側に生息していて、オスの顔は、まるで白いお面をかぶっているかのよう。
黒くて長い毛の生えた毛むくじゃらな体と白い顔のアンバランスさが不気味加減に拍車をかけています。
シロガオサキの生態
オスと比べるとメスはいたって普通の灰色で、とても地味。
本当に同じ種類なの?と疑いたくなるほどです。
体長はメスの方がやや小ぶりで30~40㎝。体重も2kgほどしかない、猿の中では小さい方の部類に入ります。。
多くの猿の種類が大きな集団で生活しているのに対し、シロガオサキの場合は両親とその子供からなる小さなグループを作って暮らしています。
食性はほとんどが果実で、臆病で木から降りることはめったにありません。
危険が迫るとふさふさの体毛を膨らませて相手を威嚇します。
一生を樹上で過ごし、その寿命は15年ほどだと言われています。
サキ猿の種類
サキには多くの種類がいて、近年も多くの新種が報告されています。
シロガオサキの他にも、モンクサキ、ヒゲサキなど。
他にもまだ日本語に和訳されていない種類も含め、その数は20を超えています。
モンクサキ
その中の一種、モンクサキはシロガオサキほどの特徴的な顔はもちあわせていないものの、やはり、顔部分だけは体と違う色の体毛をしていて、お面のようです。
果物の他にもマウスやコウモリなどの小型の哺乳類を捕食、地上にはほとんど降りることなく、時折木から木へ跳び移ったりしながら樹上生活を営みます。
一回の出産で一匹の子供を産み、日常の行動は小グループで行います。
ヒゲサキ
ヒゲサキは頭の中央から左右に盛り上がる毛冠を持っており、顔と同じだけの長さを持つあごひげが特徴的です。
体長は40㎝前後で、オスの方がメスよりも大きく、長い尻尾がありますが、その尻尾を木に巻きつけて移動するまでの把握性はないのだそう。
高い口笛のような音を出して仲間とコミュニュケーションをとります。
シロガオサキのように顔に白い模様はなく、基本的に真っ黒の体毛で、複数のオスとメスのペアからなる小グループを形成しています。
時にはオマキザルなどと混じって群れをつくることもあるそうです。
オスの中には異常なほどに玉袋が目立つものもいて、それは繁殖のためのメスへのアピールになるのだとか。
日本では東山動物園で見ることができますが、食用やペットとして狩られることも少なくなく、絶滅が危惧されている種類のサキ猿です。
サキ猿の研究
サキ猿は臆病で、人間の姿を見つけるとスーッとどこかに身を隠してしまうため、その研究は難しいとされてきました。
それでも、研究者たちは次々と新しい種類を特定し、名づけることにより、サキを絶滅から救う努力を続けています。
多くの種類が環境の変化により、数が減少している中で、ガイアナに生息するシロガオサキは、人間の手の入った環境に上手く適応し、その数を増やしているのだとか。
サキ猿の不気味さはどこにある?
サキの不気味さは一体どこにあるのか、自分なりに考えてみました。
不気味とピックアップされているのはシロガオサキのオスだけなのですが、先にも書いたように顔の部分だけが体と全く違っていて、まるでとってつけたお面のようになっているということが一つの理由でしょう。
でも、顔が白いだけではここまでの不気味さは出ないはず。
もう一つのポイントは目です。
目が、何だかやたら純粋っぽい!?
中心によった大きな目は、黒目が多くぱっちりとしています。
瞳孔が開いて潤んでいる子供の目のように、キラキラとしていて、まるで何かを相手に訴えかけているかのよう。
(写真の都合でそうなっているのでしょうか?)
他人(ほかの生物!?)を認識するときに誰もが最初に見る、「顔」と「目」の2つが、シロガオサキのオスの場合、両方共に際立って目立っているというところに、私は彼らの恐ろしいほどの自己アピール力を感じ、えもゆわれぬ不気味さを抱いてしまうのです。