海の恐竜は大きく分けて3種類です。

魚竜類、首長竜類、モササウルス類です。

モササウルス類は、白亜紀後期に生息したとみられる体の大きな恐竜です。

モササウルスについて

モササウルス類の化石が最初に発見されたのは1770年代であるらしいのですが、まとまった化石標本がなかなか出てこない恐竜のようです。

発見された場所がオランダのマーストリヒト付近だった事から、マース川のトカゲという意味のモササウルスという名前がついています。

 

外見の特徴として、胴体部分が円柱のような形である事があげられます。

陸生のどっしりタイプの恐竜とはまるで違い、化石を見ると全身に対する頭の比率が大きく体は細身、ワニやヘビのように口をパックリ開けられるように出来ています。

 

モササウルス類は主に魚類やイカなどを食べていたらしいのですが、獲物を丸呑みできるような口の作りをしているようです。

この辺りはヘビに似ていますね。

 

歯は二列構造で尖った鋭いものです。

四肢はヒレのように発達しており、一生を海中で生きる恐竜だったことを示しています。

 

モササウルス類の体長は、個体差がみられます。大きいもので推定13m、体重は1t超えだとか。

少ない化石標本からだと体の大きさの推定は難しいものになります。

生息海域は広く、オランダをはじめヨーロッパ、北米、日本などに生息していたものと考えられますが、化石は世界各地にあるものと推定されています。

 

どのくらいのスピードで泳ぐ事ができたのかはまだはっきりしませんが、推定40kmくらいは出たのではないかといわれています。

また、呼吸はどうしていたのかはまだわかっていないようです。

 

白亜紀後期は気温が温暖だった事が分っていますが、海水温も高めだったのかも知れません。

海中の生態系も多様になり、獲物を求めて世界中の海をモササウルス類たちは泳ぎ回っていたのかも知れませんね。

日本のモササウルス類

2009年和歌山県でヒレの関節などの化石が見つかり、その後追加で発掘が行われたくさんのモササウルス類の化石が見つかっています。

2010年には大阪でモササウルス類とみられる顎の化石が見つかりました。

 

また、九州でもモササウルス類のものとみられる化石が見つかっています。

北海道で最近見つかったモササウルス類の化石はモササウルス類の新種であり、フォスフォロサウルス・ポンぺテレガンスと名付けられました。

 

およそ7200万年前の地層から見つかりました。

この地層はもとは海だったところです。

普通は海の地層は掘らないそうですが、掘ってみたところ化石が出ました。

 

頭骨部分も復元できたため、これまでよく分からなかったモササウルス類の生態も分かってきたようです。

まずは眼窩部分の特徴です。これは暗い海の中でも視力がよかった可能性があるそうで、夜行性だったかも知れない事を示しています。

ヒレが小さめなようですが、泳ぎがそんなに得意でない個体でも、獲物を捕らえる事ができたかも知れません。

 

モササウルス類は、胎生だった事が分かっています。

一般的に恐竜は卵生ですが、海に生きる生物が海中に卵を産み孵化させる事には大きなリスクが伴います。

この辺りについては、モササウルス類のような海の恐竜たちの化石標本の研究が待たれるところです。

モササウルスの化石が見られるところ(国内)

モササウルスの化石標本を収蔵しているところは国内に幾つもあります。

今現在見る事が出来そうなのは、北海道地方になりますね。

三笠市立博物館

モササウルスの骨格標本(アメリカ、カンザス州)体長4,5mのものが展示されています。

他、巨大なアンモナイトやアロサウルスの骨格レプリカなども見る事ができます。

これらは常設展示のようですね。

 

北海道付近は2憶年ほど前は海でしたから、化石標本は沢山見つかります。

北海道北部の宗谷岬から南の浦河までには蝦夷層群という地層があります。

 

三笠市やむかわ町もその周辺に位置する事から、化石の宝庫になっています。

若い時にちょっとした好奇心から冬の宗谷岬に行った事があるのですが、なかなか趣があってよかったですね。

又、収蔵品としてコレクションの中にモササウルス類の化石標本を持っている博物館などは、たまに展示が行われる事もあります。

和歌山自然史博物館

このモササウルス類は和歌山県で発掘されたものです。

三重県総合博物館

アメリカはカンザス州のモササウルス類全身骨格標本をコレクションしています。

西日本では、和泉層群という地層付近から化石が見つかる事が多いようです。

モササウルスについて

海のTrexとも称されるモササウルスですが、まだまだ分からない事だらけです。

子供の頃、恐竜が好きでした。

 

恐竜博にはよく連れて行ってもらいましたが、よく考えると好きだったのは骨格そのものです。

カラフルに彩色された恐竜も楽しいですけどね。

モササウルスは海にいた恐竜の為なのか、色遣いはやや地味めのようです。

(ライター:おもち)