子供の頃、ザリガニに手を挟まれたという痛い経験をしたことがある人は少なくないはず。
大人になると、めっきり生きたザリガニに出会う機会はなくなってしまってい、どちらかというと調理されたザリガニに・・・・・!?
幼き頃の純粋な気持ちはどこへやら、それが大人になるということなのでしょうか・・・
ということはさておき、今回はザリガニの呼吸に関するお話です。
ザリガニの生態
世界中に生息しているザリガニは大きく分類するとアメリカザリガニ上科とミナミアメリカザリガニ上科に分けることが出来ます。
そのうち日本にはアメリカザリガニとウチダザリガニ、そしてニホンザリガニの3種類が生息しています。
ザリガニは河川や湖沼、ため池、用水路等水の流れのゆるい淡水域の幅広い場所に生息することが可能です。
殆どのザリガニが雑食性で、水草、貝類、ミミズ、昆虫類、甲殻類、他の魚の卵や小魚などをエサにします。
日本では最近ザリガニと言えば、アメリカザリガニのことを指すことが一般的になっていますが、アメリカザリガニの体長は8~12㎝、まれに20㎝くらいになるものもいます。
体色は赤科褐色ですが、エサの違いで全体が青っぽくなる個体もいます。
平野部の水田や用水路、池などで多くみられ、岸辺に上陸して動き回る姿も見かけます。
冬は穴に潜んで冬眠します。
天敵はウシガエルやサギ類、イタチやカメなどですが、共食いすることも多く、特に脱皮中の個体は狙われやすいと言われています。
繁殖期は夏、メスが2㎜程の数百個の卵を腹脚に抱えて保護します。
孵化した幼生は4㎜程で、小さなザリガニの形をしており、8㎜程になるまで親の腹脚につかまり、自分の体内に蓄えた卵黄で成長します。
8㎜程の大きさになると親から離れ、藻や水苔、小動物などを捕食しながら大きくなります。
2年後には体長6㎝ほどの大きさになり、成熟して繁殖できるようになります。
一方、国の天然記念物にも指定されているニホンザリガニは北日本の冷たく綺麗な水に生息し、巣穴の中に潜んで生活しています。
現在北海道、青森、岩手、秋田にごく少数が生息するのみになっている、とても珍しいザリガニ。
広葉樹の落葉を食べて生活し、繁殖期は春。
メスは2~3㎜程の大粒の卵を30~60個ほど産卵し、腹脚に抱えて孵化させます。
アメリカザリガニと比べると、産卵数は少なく、成長も遅いのが特徴で、体長4㎝になるまで2~3年がかかり、繁殖できるようになるまでは5年もかかります。
ザリガニの呼吸
ザリガニは飼育などをしてよく観察したことのある人ならわかりますが、常に水中にいるわけではありません。
野生下でも時々岩場に登っていたりすることもあります。
そんな一面を持ってはいるザリガニですがが、呼吸方法はれっきとしたエラ呼吸だけ。
ザリガニだけでなく甲殻類は皆エラで呼吸します。エビやカニも同じということ。
エラ呼吸をする生物の場合は水中の酸素をエラから取り入れることで呼吸します。
エラから酸素を取り入れ、口から二酸化炭素を吐き出します。つまり、人間と違って出口と入り口が違うところにあるのです。
水中の酸素が少なくなると片側の足を下にして横向きになり、水面からエラに空気を取り入れて呼吸します。
カニは陸上をウロチョロしている姿が思い浮かぶ人も多いかもしれませんが、そんな時でもしっかりとエラで呼吸しているのです。
体表面についている水分の酸素を鰓から取り入れ、それも足りなくなると今度は体内の水分を泡として口から吹きだし、その酸素を再び鰓から取り入れます。
ザリガニの場合はカニのような泡を吹いて呼吸する能力はありません。
(ライター ナオ)