熱帯魚は綺麗な色のものが多くいますね。
ナンヨウハギは、コバルトブルーの体に鮮やかな黄色の体色を持つ、スズキの仲間です。
ピクサー映画『ファインディング・ニモ』に出てくる、ニモの友人のドリーのモデルとなった魚だそうです。
飼育したくなるくらい綺麗な南国の魚ですが、寿命はどれくらいなのでしょうか。
ナンヨウハギの生態
ナンヨウハギはその名の通り、南洋の比較的浅瀬の水深10mほどの珊瑚礁のある海域に生息しています。
インド洋から太平洋付近、日本では小笠原諸島や南の海で見られるようです。スズキ目ニザダイ科ナンヨウハギ属です。
成魚は30cmほどになります。
全体的に青く、ジオメトリックな黒い大きな模様が入っています。
尾ひれは黄色で、平べったい形をしています。雑食性で、藻や動物性プランクトンなどを盛んに食べているようです。
ナンヨウハギは食欲が旺盛な魚です。
幼魚の時からよく珊瑚礁の付近に生息し、危険を感じると珊瑚の枝の隙間に入り込んだりします。
眠る時は横になるのも特徴です。成長が早く、すぐに体が大きくなるようです。
観賞用の魚としては大きい部類に入りますね。
毒を持つ生物について
ナンヨウハギは毒を持っています。
体内に毒を持つ生物は少なくありませんが、自ら毒物を生成してしまうタイプと、餌として食べるものに毒が含まれている為に本体も毒を持ってしまうケースがあります。
ナンヨウハギの場合はどうやら後者のようです。
ナンヨウハギが餌として食べている藻などに毒が含まれているようです。
危険な部位としては尾びれのところに付いている、棘の部分です。
その為、万が一人間がナンヨウハギを食べた場合、かなり危険な事になります。
ナンヨウハギは綺麗な魚ではありますが、あくまで観賞用です。
食用にはなりません。
映画がヒットしてナンヨウハギにスポットが当たったことで、実は毒を持った魚であることが発覚したようです。
それまでは単に綺麗な海水魚でした。
ナンヨウハギの寿命
10年ほどとされています。
そこまで長生きではないようですね。
水生生物と陸生生物の目の違い
ナンヨウハギは眠る時に横になるというちょっと珍しい生態の魚です。
魚類は泳ぎながら眠る事が多いようですが、野生下でありながら睡眠時にはかなり脱力しているようですね。
ナンヨウハギにかかわらす、魚の目はとてもパッチリしていますね。
陸生の生物はまず角膜で光が屈折し、水晶体の弾力性で見るものの遠近によりピントを合わせる事が可能になっています。
水中に棲む魚類の場合、角膜はそのまま光を通し、水晶体は光が強く屈折する球体になっており、その水晶体を前後させることでピントを合わせている状況です。
その為、水中では何とかなっても陸上に出ると極端な近視状態になってしまいます。
水陸両生のような生態を持つ生物は、生き延びる為に水中・陸生両方の視力もある程度必要になります。
ペンギンなどは水中での視力には適応したものの、陸に上がった際はビンゾコメガネが必要なほど近眼のようだ、というのが定説のようでしたが、最近になってペンギンの目は水陸ともに適応している、という事が分かりました。
生物の進化は凄いですねぇ。
ナンヨウハギについて
毒を持ってはいますが、綺麗な魚です。
基本的に性格が穏やかなナンヨウハギですが、飼育するとなぜか水槽の中のトップになってしまい、攻撃性が出てきてしまう場合もあるようです。
井の中の蛙状態にならないように、他の海水魚と一緒に飼育したい場合には一番最後に水槽へ入れるだとか、そういう配慮が必要なようです。
体が大きいので、大きいサイズの水槽でないと泳ぎ回る事ができずストレスが溜まります。
飼育を考える場合は、下調べを入念にした方が良さそうですね。
ナンヨウハギは人気がある魚という事で、水族館でも飼育されています。
都内の水族館の中では古参である池袋のサンシャイン水族館は、アクアパーク品川に押され気味な気がしますが、最近リニューアルしたとの事です。
ちょうどナンヨウハギがよくいる珊瑚礁部分の修復が終わったようなので、ナンヨウハギが泳ぐ様子もよく見える事でしょう。
『ファインディング・ニモ』のニモという名前ですが、『海底二万里』のネモ船長からつけられたとか。
『ファインディング・ニモ』は観ていませんが、これを聞くと観てみたい気もします。
ちなみにネモというのはラテン語であり、誰でもない、というような意味です。
(ライター:おもち)